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1840年ごろのアメリカの50ドルは何円?
1840年は金本位制の前ですよね?そうすると銀本位制だったのでしょうか?その頃の1ドルをしいて円に換算するとすれば、どうすればいいでしょうか? 自分でも調べてみたのですがよく分かりませんでした。どうぞよろしくお願いします。
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私も興味があったので調べてみました。しかし、168年前のことですから、なかなか情報がありません。一例だけになってしまいますが、情報がありましたので、参考にされてください。 尚、日本のWikipediaは、必要な情報が全くない、あるいは、情報が間違っているなど、使い物にならない記事があるため、大半のリンク先と引用は英語となります。ご了承ください。 >1840年は金本位制の前ですよね?そうすると銀本位制だったのでしょうか? いえ。厳密には、アメリカの場合、1840年には銀本位制ではなく、「金銀複本位性」という形です。金銀複本位性に関しては、次のリンクをお読みください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%8A%80%E8%A4%87%E6%9C%AC%E4%BD%8D%E5%88%B6 銀本位制でWikipediaを読んでも、アメリカについてまともな説明がないため、英語版に飛ばなければ、アメリカの銀本位制について知ることができません。 http://en.wikipedia.org/wiki/Silver_standard#United_States ここに書かれてあることを簡単に要約すると、アメリカは、1785年に銀本位制を導入し、1792年に、"Mint and Coinage Act"(日本語でいうと、「コイン造幣法」くらいです)というコイン造幣に関する法律を整備します。しかし、この銀本位制は一種の「銀本位制の派生」です。 This began a long series of attempts for America to create a bimetallic standard for the US Dollar, which would continue until the 1920s. 「この法律は、アメリカがアメリカドルに対して、バイメタリック本位性(金銀複本位性)を創造していく長い(歴史)の試みとなり、1920年台まで続いた。」とあります。 ここで、この法律の内容を簡単に見てみましょう。 Coinage Act of 1792(1972年、コイン法) http://en.wikipedia.org/wiki/Coinage_Act_of_1792 ここの Authorization を見ると、10個のコインがあったことがわかります。例えば、Eagles という10ドル硬貨は、16.0gの純金、あるいは、17.5gの標準的金と同価となっています。また、Dollars or Units という1ドル硬貨は、24.1gの純銀もしくは27.0gの標準銀貨だったことがわかります。Centsは銅貨でした。 以上のことから、アメリカの銀本位制がやや他国と異なる形態だったことがわかります。 >その頃の1ドルをしいて円に換算するとすれば、どうすればいいでしょうか? アメリカの経済統計が発表されはじめたのは、1910年代からです。例えば、消費者物価指数 (CPI)は、1941年から発表されはじめているため、それ以前のアメリカ経済に関する情報を得ることができません。 日本でも、江戸時代の物価を調べたりするときには、主食を比較することから、アメリカの場合、「小麦」を比較すればよいと考え、検索してみました。 【オハイオヒストリー】 http://publications.ohiohistory.org/ohstemplate.cfm?action=detail&Page=0024399.html&StartPage=235&EndPage=539&volume=24&newtitle=Volume%2024%20Page%20235 ここに、小麦価格が書かれています。 the price of wheat at Cincinnati, which had risen from 62c a bushel in 1834 to $1.25 in 1836, dropped to 65c in 1839 and 60c in 1840. 「シンシナティの小麦価格(1ブッシェル=35.24 L)が、1834年に62セントだったものが、1836年には1.25ドルに跳ね上がり、1839年には65セント、1840年には60セントに下落した」とあります。非常に乱高下していますので、現在の小麦価格と比較するのが難しいくらいですが、一応、1840年には、1ブッシェルが60セントだったと書かれているため、それを基準にしてみます。 2008年の記事を読んでみましょう。 【What has happened to the price of wheat? May 14, 2008 】 http://www.americanfuels.info/2008/05/what-has-happened-to-price-of-wheat.html Over the winter, wheat prices soared to nearly $13 a bushel, but lately they have dropped below $8. 「冬期には、小麦は1ブッシェル13ドル近くまで上昇。しかし、最近は8ドルまで下がった」とあります。今年の5月のブログです。 別のリンク http://wpedia.mobile.goo.ne.jp/wiki/1506999/2007%94N-2008%94N%82%CC%90%A2%8AE%90H%97%BF%89%BF%8Ai%8A%EB%8B@/17/ にも、"The international market price of wheat doubled from February 2007 to February 2008 hitting a record high of over USD$10 a bushel." と書かれており、1ブッシェルが$10ドルだったことが分かります。 これで、1840年の小麦価格と2008年の小麦価格が出てきましたので、比較ができます。 ただし、ここで、1840年代と2008年の所得データがなければ単純に小麦価格だけで物価を計算することができません。 こちらにデータがありました。 http://www.frbatlanta.org/filelegacydocs/wp0431.pdf P19の図を見ると、1840年にアメリカ合衆国の労働者一人あたりの生産高は約5000ドル。2000年には、80,000ドル当たりまで伸びていますので、生産性が約16倍上昇したことになります。日本は、1940年から1950年の10年間で、物価が100倍から200倍程度上昇していますから、アメリカのデータを見ると、違和感を覚えますが、アメリカは日本のように貧困から世界第2位の経済大国になった特殊な状態ではなく、1840年と2008年を比較しても、急激な上昇ではなく、コンスタントに成長していることがわかります。 これを念頭に置いて小麦価格を見てみます。 1ブッシェルが 60セントに対して、今年の平均が10ドルとすると、約16.7倍の物価上昇が起きたことになります。 つまり、労働生産高が16倍上昇し、小麦価格も16.7倍ということになると、難しい計算をするまでもなく、1840年の物価は単純に、2008年までに、16倍強程度の上昇をしたことになります。したがって、賃金と物の価格の比例計算をしなくても、単純に16倍強ということでよいはずです。 *そうすると、1840年の1ドルは、現在のドルで単純に計算すると、5.98円。四捨五入で6円になります。 *従って、1840年の50ドルは、数字上で計算すると、現在の日本円にすると約300円ということになります。(ただ、これは単なる数字のマジックであり、1840年の50ドルは、現在の835ドル程度の価値を持ちますから、\83,500の価値となります)。 1830-1840年代の小麦価格が乱高下しており、また2007年から2008年にかけても小麦価格が同様に非常に値動きが激しかったため、他のさまざまな品目で調べてみたかったのですが、探してみても見つかりませんでした。しかし、主食で計算しているため、大きな誤りはないと思います。 http://www.frbatlanta.org/filelegacydocs/wp0431.pdf のデータはざっと斜め読みしているだけですが、大筋は外していないと思います。 あくまでも、一考察ということで参考にされてください。
お礼
本当にありがとうございます。 早速にこれほど詳しく教えていただき感激しております。 とても分かりやすく大体の感じ?はつかめました。 のちほどリンク先もあわせてじっくり読ませていただきます。 どうもありがとうこざいました。