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励起源の違いによる電子構造測定
XPSの装置の説明書を読んでいると “励起源としてX線を使用するため、絶縁物質の測定も容易にできます。” と記されていました。 その前後は、この文章について関係がなく、つながりがありませんでした。 励起源の違いによる絶縁物質の測定に現れる違いを教えてください。
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絶縁物の電子分光で問題になるのは表面の帯電により正確なスペクトルが得られなくなる「チャージアップ」という現象でしょう。電子励起の場合には照射電子による負のチャージ、X線励起の場合には表面から光電子として電子が失われることによる正のチャージがそれに当たります。導電性物質であれば外部に電子を逃がすか外部からの電子の供給によりこれが補償されますが、絶縁物の場合はこうはいかないのでこのチャージを逃がすか中和する、もしくはチャージアップによるシフトを補正する必要があります。ということでその説明書にある“励起源としてX線を使用するため、絶縁物質の測定も容易にできます。” というのはこの点から言うと正しくないと思うのですが。
補足
お返事ありがとうございます。 僕もそう思います。 ひとつだけ気になっているのでお尋ねします。 励起源としてX線を用いることは、イオンや電子を用いた時に比べて比較的非破壊で測定が出来ます。 導電性物質と絶縁体物質における物質表面の破壊とチャージアップの関連性について、何かご存知であれば教えてください。