はじめまして。
ご質問1:
<丁寧語「お」「ご」の用法について>
1.正しくは「敬語の『お』『ご』」ということですね。
2.接頭語「お」「ご」は丁寧語だけでなく、尊敬語、謙譲語の用法もあるからです。
ご質問2:
< (1)お誘いいたします / お誘いください>
どちらも正しい敬語法です。
1.「誘う」のは話し手の動作です。
2.話し手の動作には本来敬語は使いません。
3.しかし、その動作が「相手に及ぶ」「相手に向かう」「相手を対象とする」ものであれば、その動作が向かう相手に対して敬意を表します。
それが、ご質問にある「お誘い」の「お」に表れています。
4.この「お」は話し手の動作が向かう相手に対する謙譲の接頭語になります。
5.なお、「いたします」は「する」、「ください」は「しろ」の丁寧語になり、正しい敬語の使い方になっています。
ご質問3:
< (2)お知らせいたします / お知らせ下さい>
上記と同様です。
1.「お知らせ」とは、自分が相手に「知らせる」ことです。
2.従って、「お知らせ」の「お」は、自分の動作「知らせる」が向かう相手に対する、謙譲の接頭語になります。
3.「ご」ではなく「お」が使われるのは、「知らせ」が和語だからです。
4.敬語の接頭語「ご」は漢語に、「お」は和語に使われるのが一般です。
ご質問4:
<(3)ご説明いたします / ご説明下さい>
上記と同様です。
1.「ご説明」とは、自分が相手に「説明する」ことです。
2.従って、「ご説明」の「ご」は、自分の動作「説明する」が向かう相手に対する、謙譲の接頭語になります。
ご質問5:
<(4)ご紹介に与(あずか)りました / ご紹介いたします>
1.「ご紹介に与(あずか)りました」:
(1)ここでの「ご紹介」とは、相手が自分を「紹介する」ことです。
(2)つまり、「紹介する」は相手の動作になります。
(3)相手の動作には尊敬語を使いますから、「ご紹介」の「ご」は尊敬の接頭語になります。
(4)「あずかる」は、目上の人から自分に対するの動作に対して使われる動詞です。従って、この語を使うことで自分の位置を下げ、相手を持ち上げる「謙譲」の効果を持ちます。
2.「ご紹介いたします」:
(1)ここでの「ご紹介」とは、自分が相手を「紹介する」ことです。
(2)つまり、「紹介する」は自分の動作になりますが、その動作が向かう相手に敬意を払う必要があります。
(3)ここでの「ご」は、自分の動作が向かう相手に対する謙譲の接頭語になります。
(4)「いたします」は「する」の丁寧語です。ここでは「聞き手」=「第三者」に対する丁寧語として使われています。
以上ご参考までに。
お礼
ご丁寧な回答を本当にありがとうございました。 大変わかりやすく、すみずみまで納得のいくご説明でした。 「お」「ご」には、丁寧語・謙譲語・尊敬語の3つの種類があるとのご指摘は、目から鱗が落ちる思いです。 すべて、問題は無いということですね。 では、相手への「ご質問」もあながち失礼には当たらないのでは、と思いましたが、いかがでしょうか。