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ARCについて教えて下さい。
ARC(アンチリフレクティブコーティング)についてなのですが、 解説サイトなどを見ていると、照射する光の半波長の厚さにすることで膜の外側から跳ね返る光と内側から跳ね返る光の位相が180°ずらすことで、干渉しあい跳ね返ってこれなくするものといった説明がなされていますが、 ・半波長の厚さにするというのはどうやってそんな精度で膜を作るのでしょうか? ・半波長の厚さにするということはある一つの波長の光にしか効果がないということなのでしょうか? ・例えば個人でこういったものを使いたい場合、単に何かをレンズの上に塗るだけではいけないということなのでしょうか? よろしくお願い致します。
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>ARC(アンチリフレクティブコーティング)についてなのですが、 >解説サイトなどを見ていると、照射する光の半波長の厚さにすることで・・・ 少し違っています。 単層膜の無反射条件は、レンズの屈折率nに対し、反射防止膜の屈折率が√n、膜厚λ/4です。一般には、フッ化マグネシウムなどが使われます。 以下、半波長→屈折率√n、膜厚λ/4と置き換えることとして、 >・半波長の厚さにするというのはどうやってそんな精度で膜を作るのでしょうか? 一般には、真空蒸着による成膜によります(→No1さんの回答)。一部で、スパッタ蒸着も使われています。 >・半波長の厚さにするということはある一つの波長の光にしか効果がないということなのでしょうか? 正確には、単一波長に加えて直入射の光だけです(斜入射では無反射にはなりません)。 それ以外の光にまったく効果が無いわけではありません。ある程度の反射防止効果はあります。反射防止膜がないと、一般的なガラスn=1.5で1面で4%の反射があり、表面、裏面で計8%の反射があります。単層膜でも、多分、1%ぐらいにはなるのかな?(自信なし) 可視光全域、かつ斜入射でも無反射にするには多層膜にします。カメラレンズで3~10層ぐらいです。 >・例えば個人でこういったものを使いたい場合、単に何かをレンズの上に塗るだけではいけないということなのでしょうか? 装置がないとできません。 通常は、反射防止膜付のレンズを購入します。 例えば、 http://www.kagaku.com/edmund/index.html http://www.mgkk.com/ http://www.adcom-media.co.jp/ite/
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>つまりARCはナノメートルオーダーで厚さ制御しなければ >効果がないということのようですが、指でこすったり、空気中の酸素などによって劣化したりすることで効果を失ってしまうことはないのでしょうか? 指でこすって削れたり、酸化してしまうようだと、当然、反射防止の効果は落ちてしまいます。 レンズの温度が低いままで真空蒸着すると、膜が十分安定化せず、指でこすっただけで落ちてしまいます。それを防ぐため、レンズを加熱して(100℃以上??)成膜すると膜が安定化し(結晶化が十分進み)、堅固な膜ができて、指でこすったぐらいでは取れなくなります。もちろん材料選択も重要です。 酸化については、酸化劣化しない材料を選択しています。 真空蒸着をはじめとする成膜法は、古くからありますが、ナノメータあるいはそれ以下で膜厚コントロールできます。そのしくみに興味がおありならば、是非、調べてみてください。ネット上にも良い解説がたくさんあります。
- walkingdic
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>・半波長の厚さにするというのはどうやってそんな精度で膜を作るのでしょうか? 蒸着装置でつけます。通常は真空蒸着です。 >・半波長の厚さにするということはある一つの波長の光にしか効果がないということなのでしょうか? 単層膜だと効果が最大になる波長は波長の整数倍で周期的になります。 なので、これを多層膜にすることで、広い波長に対してそうなるように工夫します。 >・例えば個人でこういったものを使いたい場合、単に何かをレンズの上に塗るだけではいけないということなのでしょうか? とてもそれでは作成できないです。
お礼
ありがとうございます。 もう一つだけ質問よろしいでしょうか? つまりARCはナノメートルオーダーで厚さ制御しなければ 効果がないということのようですが、指でこすったり、空気中の酸素などによって劣化したりすることで効果を失ってしまうことはないのでしょうか?