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民事訴訟法 訴訟能力を欠いた場合はどうなるのか・・?
(1)訴訟能力等の欠缼の判明について 訴え提起時点で、原告の訴訟能力の欠缼が判明した場合は、裁判所は、原告に対して、補正を命じ(34条1項)、補正がない場合は、訴えを却下する(140条)とされている一方、被告の訴訟能力の欠缼が判明した場合は、訴状の必要的記載事項である法定代理人の記載の欠缼として、裁判所は、原告に対して、補正命令を発し(137条1項)、補正がない場合は、訴状却下命令を発する(137条2項)とされています。 (民事訴訟法講義案・改訂版P46) 原告が訴訟能力を欠く場合でも、訴訟には法定代理人が必要になる以上、原告の訴訟能力の欠缼が判明した場合も補正命令(137条1項)、訴状却下命令(137条2項)になると思うのですが、この差はどこからくるのでしょうか? 単純に、以下のような分類ができると考えていたのですが、そうではないのでしょうか? ・訴訟係属前の訴訟要件(当事者能力等)、訴訟能力等の欠缼の判明 ⇒補正命令(137条1項)、訴状却下命令(137条2項) ・訴訟係属後の訴訟要件(当事者能力等)、訴訟能力等の欠缼の判明 ⇒補正(訴訟能力の欠缼の場合:34条1項)、不適法却下判決(140条) (2)訴訟係属後の訴訟能力等の欠缼の判明 訴訟係属後に訴訟能力等の欠缼が判明し、裁判所が補正を命じ、当事者が補正に応じて、訴訟能力が具備されるに至ったが、それまでの訴訟行為について、当事者等が追認しなかったとき、それまでの訴訟行為は、無効になる、つまり、訴状送達からやり直しと考えてよいのでしょうか? 以上、お手数ですが、ご回答よろしくお願い致します。
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(1)について 34条1項は,訴訟能力がない者は訴訟行為ができないので,無効な訴訟行為を積み重ねないために,裁判所がそれを確知した時点でその補正を命じて,有効な訴訟行為ができるようにさせることを明らかにしたものです. 一方,137条は,訴状の要件具備がない場合に,原告の便宜や訴訟経済上の観点から,直ちに却下しないで補正できるものは補正するように定めた規定です. 訴え提起時点で、原告に訴訟能力がない場合は,訴状の記載内容ではなく,訴状の提出という行為自体の有効性の問題であるため,34条1項によって補正を命ずることになります. これに対して,被告に訴訟能力がない場合は,訴状の提出自体は有効だが,内容が133条2項1号に適合していないのですから,137条1項によって補正を命ずることになります. (2)について 「無効になる」という前段部分は,基本的に正しいかと思いますが,やり直しがどこからになるのかは,ちょっと違うのではないでしょうか. 送達は,職権でなされるもの(98条1項)ですから,当事者の能力は直接関係しません. また,追認することによって,抽象的にも当事者に何の支障も生じないような行為については,信義則上(2条後段)追認しないことはできないと考えるべきではないかと思います.
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- hikoiti2
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(1)について 民事訴訟法講義案の記述は,おそらく訴訟能力のない原告自身が法定代理人によらずして訴訟を提起した場合を想定しているのだと思います。この場合,原告自身は一切訴訟行為を行うことができないのですから,訴状に法定代理人の名前が書いてあろうが無かろうが,訴訟は不適法却下です。 仮に,法定代理人が原告を代理して訴訟を提起したが,うっかり法定代理人の名前を訴状に書き忘れたというケースであれば訴状却下命令になるのかと思います。 (2)について おっしゃるとおりかと思います。 まあ,現実のケースでは,裁判所が当事者を説得してあまり無駄が生じないようにはするのでしょうが。
お礼
ご回答ありがとうございます!! なお、ご理解頂いているとは思うのですが、「缼」となっているのは「けんけつ」の「けつ」の字の文字化けです。 失礼致しました。 もう一点だけ教えて下さい。 >この場合,原告自身は一切訴訟行為を行うことができないのですから,訴状に法定代理人の名前が書いてあろうが無かろうが,訴訟は不適法却下です。 この場合なんですが、訴訟能力を欠く原告自身が訴訟を提起したときに、その事実が訴え提起段階で判明した場合は、訴状却下とならないのでしょうか??
お礼
大変良く分かりました。 ご回答ありがとうございました。