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民事訴訟法(訴訟代理権)

独学で勉強しているのですが、ある部分が分かりません。教えて下さい。 XがAを訴訟代理人として、賃金返還請求の訴えを提起したが、訴訟の途中ででXが死亡した。成人したXの一人娘Zが単独で財産を相続した。訴訟手続はどうなるか。 Xが単独訴訟していたなら、民訴124条1項1号によりZが訴訟を受け継ぎますが、今回は訴訟代理人がいますよね。Aの訴訟代理権がなくなるのでしょうか?124条2項に「法定代理人がある間は適用しない」とあるので、Aがいる限りZは訴訟を受け継がないのですか?そうなると当事者がいない状態になってしまいますよね。それとも当事者がZになってZがAに頼んだ事になるのですか? そのあたりが明記されていないようで分かりません。私の条文読み落とし等あるかもしれませんが、条文などヒントだけでもいいので教えて下さい。よろしくお願いします。

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  • ma-po
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回答No.3

 こんばんは。  結論からご説明すると、この事例の場合は訴訟代理人Aの訴訟代理権は消滅しません。以下、ご説明しますね。 《本人訴訟の場合》  Xが本人(単独)訴訟をしていたなら、民訴法124条1項1号によりZが訴訟を承継(受け継ぎ)します。この場合、新当事者となる被相続人Zが訴訟手続きを追行できるようになるまで、訴訟は中断します。 《訴訟代理人のいる場合》  訴訟当事者Xによって訴訟代理人Aが選任されている場合は、Xの死亡によってもAの訴訟代理権は消滅しません(民訴法58条1項1号)。これは代理の原則を定めた民法111条1項(代理は本人と代理人の間の信頼関係が基礎となるため、本人が死亡した場合は代理人の代理権が消滅するとするというのが、この条文の立法趣旨です。)の例外規定です。なお、民訴法58条が定められた背景には訴訟代理人の資格を限定している同法54条があげられます。  つまりXが死亡した場合Zは当事者の地位を承継しますが(相続における包括承継、民法896条)、訴訟を充分にこなせる能力のある訴訟代理人がいるため中断を認めなくても承継人Zに不利益がないと考えられ、またAにそのまま訴訟代理権限を認めたほうが訴訟経済にもかなうことから、Aは民訴訟58条1項1号により「X相続人Zの訴訟代理人」として訴訟代理が継続できることになると考えればよいのではないかと思います。  なお、いずれの場合も判決における債務名義はZその人ではなく「X相続人Z」となります。そのため、たとえば本件のZが相続放棄(民法939条)をしていた場合はZは相続人ではないため、原則としてAが「X相続人Z」のためにした訴訟代理行為は無効となると考えればよいと思います。

参考URL:
http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/procedure/lecture/representation2.html
68Future711
質問者

お礼

ご丁寧にかつ分かり易く説明してくださり、ありがとうございます。 分からなかった所が分かりました。ありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • buttonhole
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回答No.2

>Aがいる限りZは訴訟を受け継がないのですか? Xの死亡により訴訟代理人の有無を問わず、単独の相続人であるZは「当然」に訴訟承継します。これを当然承継といいます。  Xに訴訟代人がいなかった場合、Zは訴訟手続に関与していなかったのですから、訴訟準備の機会を与えるため、受継がされるか、または続行命令が出るまで「訴訟手続」が中断されます。  Xに訴訟代理人がいる場合は、訴訟代理人が従前より訴訟手続に関与していますから、「訴訟手続」は中断しません。  なお、Xが死亡してもAの訴訟代理権は消滅しません。(民事訴訟法第58条第1項1号)  

68Future711
質問者

お礼

ありがとうございます。 当然承継は訴訟代理人の有無を問わないのですね。 そこが勘違いしていました。ありがとうございます。

回答No.1

>Aの訴訟代理権がなくなるのでしょうか? 訴訟代理人は任意代理ですよね。委任者の死亡で終了するのが民法の原則ですが、民訴法はそのような処理はしていないですね。後出。58条。当然承継の趣旨は考えてください。 >124条2項に「法定代理人がある間は適用しない」とあるので、Aがいる限りZは訴訟を受け継がないのですか? 124条2項は「訴訟手続きは中断しない」というものですから、58条と整合していますよね。 >そうなると当事者がいない状態になってしまいますよね。 そうではく、当然承継しているから、いないことにはならないのでは。 >それとも当事者がZになってZがAに頼んだ事になるのですか 訴訟を承継した(AがZの代理人となった)あとどうするかはZの自由です。最後は、AとZが性格的に合わなければ、解任して別の代理人という方向もあり得ます。 第58条(訴訟代理権の不消滅) 訴訟代理権は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。 一 当事者の死亡又は訴訟能力の喪失 参考判例 ◎訴訟代理人は当事者の死亡後当事者となった相続人の訴訟代理人として訴訟行為ができる。(最判昭33・9・19民集12-13-2062)

68Future711
質問者

お礼

ありがとうございます。 参考判例も一度調べてみたいと思います。 ありがとうございました。

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