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人間の性欲はなぜ衰えないのか
人類が生物の必要性から増える必要はなくなったと思うのですが、なぜいまだに通年発情しているという性欲旺盛な生き物なのでしょうか?
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No.3のJagar39です。 >「男にこそ発情気があるべきだ」 (発情期、ですよね) ちょっと面白い考えなので、少し考察してみます。社会学的には人口増加の原因や、それに対して繁殖効率を低下させることが果たして適切なのか、という問題がありそうですが、とりあえずそれは無視して生物学的に考えてみます。 この状況で「繁殖効率を下げる方向に進化する」ことはあり得ないのですが(理由は後述)、それを無理矢理「ヒトの男性が繁殖周期を持った(発情期以外は精子を作らない→性欲も消失する)」ような進化をしたと仮定します。 するとまず懸念されるのは、その後戦争や大規模な気象変動、天災などによって世界人口が激減した時のことです。 現在でも出生率は先進諸国では低いのですが、それは女性の社会進出や社会の複雑化によるストレスなどの様々な要因によるものなので、もし不測の事態によって人口が激減すれば、出生率は速やかに高くなり、比較的短期間で人口は再び増加に転じるでしょう。 ですが、男性が性周期を持つといった「進化」によって出生率が低下していたならば、人口が激減しても増加に転じません。再び「常時臨戦態勢」に"進化"するには長い時間を要しますから、下手すると敢えなく絶滅してしまいます。 特に男性が性周期を持つ→特定の期間にしか生殖できない、という「繁殖機会」を直接減じる進化なので、個体数が少ないほど繁殖効率の低下も著しくなるでしょう。 なので、「男性が性周期を持つこと」は、「種の利益」にも決してならない、と思えます。 次に「男性が性周期を持つ」すなわち「自らの繁殖効率を低下させる」方向への進化が起きない、と考える理由を考察します。 仮にやはり無理に「男性が性周期を持つ」ように進化したと仮定します。 そこに突然変異で先祖還り、すなわち「常時臨戦態勢」の男性が1人出現したとします。するとどうなるか。 ま、その「常時臨戦態勢」の男が子孫を増やして、やがて世界中の男が「常時臨戦態勢」に復帰するのは目に見えています。 生物としての形質がここまでドラスティックに変わった時に人類が一夫一妻制を維持しているかは疑問なのですが、仮に一夫一妻制を維持していたと無理に仮定しても、「性周期を持つ男の夫婦」と「常時臨戦態勢の男の夫婦」では、出生率は明らかに後者の方が高いわけですから、世代を重ねると常時臨戦態勢の遺伝子が全ての男に行き渡るでしょう。 一夫一妻制が崩れて一夫多妻制や乱婚制に移行していれば、その期間はもっともっと早くなるでしょうし。 つまり性周期を持つオス、というのは適応的ではなく、自然淘汰を受けるわけです。進化的に安定な戦略ではない、という言い方もできるでしょう。 考えてみれば、1個体に生じた突然変異が集団のなかに広がって定着するのが「進化」であるわけですから、広がることができるかできないか、は「他の個体より多くの子孫を残せるか」にかかっているわけです。残せなかった変異は集団に定着しなかった、つまり「淘汰」されたわけです。 ですから、「繁殖効率を落とす進化」はあり得ないわけです。始めから「淘汰される」ことが約束されているわけですから。 元々生物とは、集団としてどういう状態にあろうとそれぞれの個体は子孫を残そうとするものです。出生率を落とそうという努力は(先進国は今でも十分すぎるほど低いと思いますが)、生物学的な変化ではなく「政策」で対処すべき問題でしょう。 >それに、全体的に多分もっと楽になると思いますよ というコメントからは、質問者さんは若い男性なのかなと思いますが、ヒトのオスが性周期を持つ利点は「毎日悶々としなくて済む」くらいしかないように思います。生物学的には百害あって(それも種の存亡に関わるほどの)一利なし、と思えます。 でもそれも、もう少し歳を取れば少しは自分の性欲と折り合いを付けて「楽に」生きることができるようになるのですがね。
生物の進化は数百万年という時間が単位となって語られるものですから、100年やそこらというのは時間が経過したうちに入りません。また、100年後も人類が人口増加に悩まされていると考えるのは楽観的に過ぎるでしょう。 質問者さんの「通年発情」というのが生物学的にどの事象を指すのか明確でないのですが、サラリーマンとエロビデオの記述からはオスのことであるように見受けられます。 ただ、「オスが常時臨戦態勢にある」というのは、別にヒトに限った話ではなく、哺乳類のオスは根本的にはみなそうです。 「通年発情」が、ヒトの性周期が季節性を持たず、通年繁殖可能であることを指しているのなら、これもヒトに限らず多くの動物がそうです。元々季節繁殖の動物でも、家畜化されると通年繁殖になる傾向もあります。 「通年発情」が、「排卵期以外でもメスはオスを受け入れる(交尾が可能)」ということでしたら、確かにこれはヒトに特有の現象です。ボノボもそうらしいですが。 これは、通常動物の雌は排卵期以外、つまり妊娠の可能性がない時期はオスを受け入れないので、この「オスを受け入れる時期」を発情期というわけです。ヒトは性行動に周期性がなく、いつでもメスはオスを受け入れる、すなわち交尾が可能です。「通年発情」という言い方は生物学的にはしませんが。常時受胎可能だと誤解しかねない言い方ですから。 普通は「発情期がない」という言い方をします。 ともあれ、この「メスの性行動に周期性がない」という現象は、すなわちヒトにとって性行動が繁殖のためだけではなく、社会的な意義を持った文化的行動だということを意味します。 古くから夫婦や家族というコミュニティを維持するための契約確認行為としての意味があったでしょうし、文明がある程度進むと商行為には早い時期になりましたよね。 ですから、これは「人口が増えて増える必要が薄くなった」という理由では、どれだけ時間が経っても解消されないでしょう。 そもそも質問者さんが考え違いをしていると思われるのは、もし仮にヒトに「発情期」というものができたら(それ自体、人類が数万年かけて培ってきた文化・時には文明ですら根底から覆すような大事件だと思いますが)、少なくとも男はちっとも楽にはならないでしょう。 発情期ができる、というのはすなわち「メスは発情期以外はオスを受け入れない」ということですから、エロビデオの需要は爆発的に増加するでしょうね。オスは常時臨戦態勢なわけですから。 また、ヒトの性行為が「繁殖」オンリーになれば、メスは受け入れるオスをより厳しく選択することになるので、オスにかかってくる淘汰圧は今より段違いに厳しくなるでしょう。 というわけで、良いことなんてひとつもない、と私は思うのですが。
お礼
オスの発情期ってないんですね。これは意外なことでした。私の無知が頓珍漢な質問をしてしまったようです。質問の趣旨は、「男にこそ発情気があるべきだ」と思っていたものです。そうすれば、とりあえず無駄な種をまかずにすむ(大部分大気中に放出されます) 人類はここまで来ちゃったわけですから、生物として、どう都合が悪くなった本能を処理するかということが課題になってもいいはずです。
- hemacha
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明治時代から現代までって、ほんの100年ちょっとじゃないですか。 「ヒト」という「生物」が変化するには、短すぎるんじゃないですかね。 生物の変化はそんな急激にはおこらないでしょう。
お礼
そうですね。今は過渡期なのかもしれません。でも、こうも文明化したわけですから、人間自身も変わらなきゃおかしいんじゃないかと感じるのです。それに、全体的に多分もっと楽になると思いますよ。サラリーマンが仕事中エロビデオ観て抜こうとか思わないで済みます。そのかわり発情期は厄介かもしれません。
>人類が生物の必要性から増える必要はなくなったと思うのですが この辺が間違っているのでないでしょうか
お礼
昔の人間は、肉食獣やその他の外敵あるいは病気怪我に対する免疫や治療法が弱かったと思うので、どんどん増える必要性があった(これは明治ぐらいまでそうですよね)のです。ところが、今は先進国はもとより、途上国まで、生みすぎると増えるだけということになりました。
お礼
再度、長文のご回答ありがとうございます。 いろいろ考えました。 戦争災害による人口の「激減」というのはここ何百年かはないですね。世界大戦を見ても、ある国では成人男性の3割くらい全滅したとかありますが、8割とかじゃないです。なので、たいした損失ではない。災害然りです。人類何十万年の歴史で、もっとひどい災害が合ったとしたら、それを結局生き延びたので、そのときには本当に繁殖力、通年性欲が威力を発揮したのでしょうか。 もし季節発情が男性に起こったら、突然変異的に発生した通年発情の男性に天下が握られてしまうというのはわかります。しかし、もし、女性とセットで発情が起こるシステムだったら問題ないようです。 男が性欲をもてあましているというのは、もし生物保全によって成功が営まれているという原則論に立てば、現代社会の負の面として存在する気がします(ゴムの中に捨てる液体の量からしても)なので、この矛盾が生物的に解決されれば何の問題もないです。 若い男がやたら旺盛なのもいけないですね。できれば発生から消滅(しない?)まで一定の性欲量であれば問題はずいぶん少ないですね。年をとらなければ性欲をもてあますなどということは、人生や(生物としての人間としても)無駄なことに思えます。