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1被告人に複数の判決が下るのは何故ですか?
日本の刑事裁判では、複数の罪で起訴されていても、総合的に1つの判決が下ります。 ところが、中には複数の罪を犯した1人の被告人に対し、複数の判決を下している事例があります。 ↓に知っている事例を挙げましたが、これは何故なのでしょうか?他にも事例はあるんですか。 また、通常死刑囚は拘置所に収容され、懲役刑のような労働は行いませんが、懲役14年と死刑判決を同時に受けた高田死刑囚は、どのような処遇を受けているのでしょう? 勝田・元死刑囚(2つの死刑判決) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E7%94%B0%E6%B8%85%E5%AD%9D 高田死刑囚(懲役14年と死刑の判決) http://members.at.infoseek.co.jp/gonta13/newpage521.htm
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併合罪は、確定判決「前」に犯した罪について、法定刑の最大1.5倍の範囲内で刑を科するというものです。これを加重単一主義(アメリカのように累積して懲役200年とか人の寿命をはるかに超える懲役は科せられない)といいます(刑法47条、48条2項)。つまり、確定判決の「前」であれば併合罪の恩恵が受けられ、確定判決「後」であればその恩恵はありません。 わかりやすく時系列にすると 1.A罪を犯す 2.B罪を犯す 3.B罪のみ発覚して確定判決を得る 4.C罪を犯す この場合、A・Bは併合罪になりますが、CはA・Bと併合罪になりません。ちなみにA・Bを事後的併合罪といいます。 たとえば、AまたはBが死刑の場合は、3の段階では懲役と禁固は科せられません(刑法46条1項)。これを吸収主義といいます。 死刑と懲役刑が複合し、併合罪の恩恵を受けない場合。刑事訴訟法474条が適用されるのではないかと思います。つまり、重い順番に執行せよ、ということです。懲役より死刑のほうが重い刑ですから、死刑が執行されない間は、当然懲役も執行されないということです。普通に考えてみても、懲役の先に死が待っているという中で、まじめに刑に服するとは思えませんが。 >他にも事例はあるんですか。 世の中の再犯と呼ばれる事件はすべてそうです。彼らは確定判決「後」に犯罪を犯しているため、併合罪の恩恵を受けることもできず、それどころか再犯加重されることもあり、再び刑務所に舞い戻ってきます。 刑法 第46条第1項 併合罪のうちの一個の罪について死刑に処するときは、他の刑を科さない。ただし、没収は、この限りでない。 第47条 併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。 第48条第2項 併合罪のうちの2個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する。 刑事訴訟法 第474条 2以上の主刑の執行は、罰金及び科料を除いては、その重いものを先にする。但し、検察官は、重い刑の執行を停止して、他の刑の執行をさせることができる。
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- 植松 一三(@jf2kgu)
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最終的には合併罪で処罰されます起訴された罪の最高刑の1.5倍だったかまでを限度に刑を言い渡せられると思いました≪1.5倍がチョト確かではないですが≫ですから2件の場合には最高刑の死刑ですからそれ以上ないですが元死刑囚も死刑囚も二つの事件をハッキリさせるために二つ以上の刑が判決が出たと思いますですから高田死刑囚は死刑が冤罪等の場合には14年だけ懲役すればよくなりますが死刑が優先されるために≪優先と言う言葉を使っていいのか疑問ですが≫本人が望まなければ労働はしません
補足
ありがとうございます。「併合罪」ですね。 調べてみたら、おっしゃるとおり最高刑の1.5倍のようです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%B5%E5%90%88%E7%BD%AA Wikiによると、(ややこしい話はまだ理解できないのですが)「(罪と罪の)間に確定裁判があることによりA罪とC罪の併合罪関係が遮断され、主文を2個言い渡すこととなる。」とありました。 http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/katuta.htm によると、勝田元死刑囚は殺人と殺人の間に、窃盗で有罪が確定していたために、その前後で2つの死刑判決を受けたようです。 ちゃんと調べてから質問すればよかったのですが…すみません。 高田死刑囚の場合はまだわかりません。…この人、完全な冤罪というより、深く関わっていたらしき人が自殺したことによって、全ての罪を被せられてしまったと主張しているようですね… まさか冤罪の疑いがあるという理由で刑を分けたりはしませんよね…(そもそも疑いがあるのなら、疑わしきは罰せずで無罪になるはずですし)。
補足
詳しいお話、ありがとうございます。 「併合罪」というのは、複数の罪に対して厳しく罰するものだと思っていましたが、被告人からすれば、むしろ恩恵なんですね…。 量刑の中身までは詳しく報道されないだけに、大変勉強になりました。 ありがとうございました。