結局日本語の動詞は全て、「~を」のように助詞を使わないと目的語を取れないので、英語の他動詞・自動詞という感覚がなかなかぴんと来ませんよね。
すごく簡単に言ってしまうと、自動詞と言うのは、主語の動作そのものに意味があると英語では考えているということです。
他動詞は、目的語への働きかけ、目的語との一体性のようなものが自動詞に比べて強いと感じられていると言うことです。
中学生に対する説明としては、次のようなものがいいと思います。
1.他動詞とは、動詞+目的語の語順になるもので、目的語に対する積極的な働きかけがあるものだ、と説明します。例えば、I throw a ball.とか、I kick a ball.のような感じです。現実に、ボールが影響を受けます。ともかく、最初は、このように、外から見て、具体的に、動作を表現できるものでの説明がいいと思います。
I like apples.のような文では、リンゴ自体は変化しませんが、質問がない限り触れない方がいいと思います。もし質問が出たら、「リンゴのことで頭がいっぱいになるだろう。つまり、直接、リンゴが心の中に現れるから、直接、like applesのように並ぶのだ。」と答えます。動作と目的語の一体感を表すと言う説明です。同様な例に、know,think、そして、hearなどがあります。
2.自動詞は、「寝る」とか「走る」のように動作そのものを表すものと言う説明が最初です。なにかに影響を与える動作ではないと言う説明が基本です。その次に、I sleep on the bed.のような例を出して、自動詞で表される動作と他のものとの関係を示すのが前置詞だと説明し、そこから、listen to ...のようなものに発展させるのがいいと思います。
3.listen については、listen to/in/for などの言い方があり、「聞く、耳をそばだてる」と言うのは、他のものへの影響を与える動作ではなく、あくまで自分だけの動作だと説明し、その上で、耳をそばだてる対象を示すのがtoだと説明します。色々対象がある中で、ある一つの対象を選択するのがtoだと言う説明でいいはずです。
多分、hearはすでにやっていると思いますが、時間的に余裕があれば、hearとの対比を説明します。hearは、目的語への積極的な働きかけを意味しませんが、目的語との一体性を意味するために他動詞になります。つまり、I can hear you. と言えば、「自然に、何の努力もしないで、あなたの言うことが聞こえる」の意味であり、一種の一体感があるのに対し、listen to you は、距離的に離れているものからの選択と言う感じがあると言うことになります。
お礼
お礼のお返事が遅くなり、申し訳ありません。今回、初めてGooのこの質問コーナーを利用させて頂いたのですが、皆様の丁寧かつ明瞭なご返答に感動してしまいました。皆様の説明をWordで保存させて頂いた程です。英語に関しても、英語教育に関しても経験が浅く、未熟なため、今後も皆様にアドバイスを頂くことが多々あるかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。