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今話題の常用漢字追加と「嗅」と「臭」の関係について
- 最新ニュースによると、常用漢字に188字の追加が予定されているとのことです。その中には「嗅」という字も含まれています。この字は「かぐ」という意味で、口・自・犬から構成されています。
- また、同じく意味合いが似ている「臭」という字との関係も注目されています。この字は自・大から構成されていますが、旧字体では犬(いぬ)が使われています。
- 「嗅」を常用漢字に追加する場合、臭との統一感が欠けることや、口・自・大の組み合わせでは犬(いぬ)の意味が失われてしまう可能性があるため、慎重な議論が必要とされています。
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戦後、当用漢字を決めるにあたり、相当数の漢字が、微妙に字形を変えられたりしました。その中で 自+犬 が 自+大 で「臭」になったりもしたのですが、当用漢字表に含まれない漢字(表外漢字)では、「嗅」の形で、犬は残って普通に使われてきたのです。その後、当用漢字は常用漢字に変わりましたが、犬のままです。新たに常用漢字表に追加になる際には、普通にそのまま、犬のままで「嗅」が収録されることになると思います。「臭」にあわせて、大に変えようとする動きはないはずです。当用漢字・常用漢字を巡る歴史を考えると、ほぼ100%そうなると思われます。結果として、「臭」は大、「嗅」は犬の形となり、本来の字義からすれば同じものであるべきものが異なるという状況が発生しますが、そのようなことは、日本の戦後の国語行政からみれば別に珍しいことではありません。今回、臭という字の「大」が「犬」になることもないと思います。いずれはわかりませんが。 以下のURLも参考にしてみてください。 http://www.joao-roiz.jp/mtoyo/on-JCS/mt-gene.pdf なお、漢字の矛盾についての例として、「龍」と「竜」の話があります。この混乱(!)を知れば、・・・。 昭和21年11月(1946年)に定められた「当用漢字表(1850字)」には、「竜」も「龍」も入っておりません。なお、1949年の「当用漢字字体表」は、旧字から新字にするにあたって、字体をかなり恣意的に変えるものであった為、その模範を示したものになります。 http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=show&id=1000007220&am... 「当用漢字表」には「龍」は入らなかったのですが、この字を一部に含む「瀧」及び「襲」は当用漢字として認められています。但し、「瀧」は「滝」という字体に変えられた上認められました(「瀧」の形では当用漢字にはならなかった)が、「襲」は元のままにされるという事態になったのです。≪その辺も含めて、あえて”恣意的”と上述させていただきました≫ 昭和26年(1951年)には、「龍」の字は”人名漢字”として認められましたが、「竜」の字は認められませんでした。 昭和29年(1954年)になって、「竜」の字が”当用漢字”に追加されました。以後、「竜」が当用漢字で、「龍」は人名漢字ということになったのです。 昭和56年(1981年)に、当用漢字から常用漢字に変わりましたが、その際、「竜」が常用漢字となりましたが、「龍」は選ばれず、人名漢字からも外されてしまったのです。ただし、世論を考慮して”人名用漢字許容字体”として、当分の間は認められることになったのですが、その後平成16年(2004年)に、「龍」が正式に”人名用漢字表”に採用されたという経緯があります。 なお、人名用漢字表の「龍」は、コンピュータでは普通はそうとしか表記できないので、そのまま「龍」と書いていますが、正確には、一画目は縦ではなく、横に引くように決められています。「龍」と縦にするのも許容字体ではあるようですが。
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ご回答ありがとうございます。