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当用(常用)漢字の字体
先に「濱」の字について質問をして、良きご教示を頂きましたので、その延長線でさらにお尋ねをしたくなりました。 その際「賓」は元は「少」の右上の点がない字が正字だったのに、常用漢字では書きやすいように、1画多い現在の字体に決まったのではなかろうかという説でありました。 戦後のどさくさに決めたのが常用漢字かと思いますが、このように異字体を採用した例は他にもあるのでしょうか。
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常用漢字の前身である当用漢字が元凶です。 書ききれないぐらいありますが、二、三挙げてみましょう。 まず「歩」は下部を「少」にしたのに、「歳」ではなぜか「小」にしました。「穢」の旁と比べてください。 「貳」の「貝」を除いた異体字があったのに、「武」との類推で「弐」というウソ字をこしらえました。なにも「武」に合わせなくても、「式」に合わせれば良かったのです。 「東」「凍」「棟」は「トウ」の音の系列です。 「柬」「練」「錬」「煉」「諌」「闌」「欄」「瀾」「爛」「蘭」などは「-an」「-en」の系列です。 「柬」であるべきものを、新字体では「東」にしてしまい、字の成り立ちが解らなくなりました。 表外字に「楝」(おうち=センダン)がありますが、もしこれが常用漢字に入っていたらどうなったことでしょう。 「賣」を「売」としたついでに、「續」「讀」を「続」「読」にしましたが、「續」「讀」の旁は「牘」「犢」などと同じく「士+四+貝」(-okuの系列)であって、「買」(-aiの系列)とは無関係です。 このように、漢字の成り立ちを知ってか知らずか、無茶苦茶にしてしまったと言うしかありません。 今回はこれだけにしておきます。
お礼
ご教示ありがとうございます。漢字を廃してローマ字にしようなんて、無茶苦茶なことが言われた戦後混乱期の後遺症を感じます。いまさら正常に戻すことは極めて困難だし、あきらめるしかないでしょうか。