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中動態の特徴とは?
- 中動態とは、自動詞的記述を含んだ言述であり、歴史の表象においてもモデルとなる
- 中動態を使用する文は他の文と違っている
- 中動態を使った文章では、書き手と書かれる側の主人公との関係がどうなるか
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#1です。 >ここでいう「中動態」は「古代ギリシャ語」です。 ああ、やはりそうですか。 ギリシア語の中動態の用法には、 1.行為を行う者=行われる者 (I washed myself.) 2.行為を行う者=行為によって利益を受ける者 (I bought myself a book.) という二つがあります。 英語にすると再帰代名詞になりますが、ギリシア語では動詞の活用で表されます。thuein(能動態)とthuesthai(中動態)のように。あるいはlouomai で‘I wash myself.’という意味になるように。 もっとも、実際には受動態と中動態はほとんどの時制で同じ活用で、見た目では区別が付きません。前後の文脈で解釈します。
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- Piedpiping
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専門用語を他の分野の応用して適用することは、誤解を招きやすく、本来は避けるべきで、どうしても必要ならば定義や説明をすべきです。 例えば、数学でいう「最大公約数」は二つ以上の整数の公約数のうち最大のものを指しますが、一般にはさまざまな意見の間にみられる共通点のことです。ずいぶん意味が違っていますね。 さらに困ったことに、言語学用語は各言語によって意味が異なります。 中動態もその一つです。 一般には再帰代名詞を伴う他動詞をいい、能動態と受動態の中間的な用法であることからこう呼ばれます。 He washes the car. (能動態)「彼は車を洗う」 He washes himself. (中動態)「彼は自分の体を洗う」 He is washed. (受動態)「彼は洗われる」 つまり、動作を行う側と行われる側とが同一なのです。 これがさらに拡張すると、ドイツ語やフランス語では The book sells itself well.「この本はよく売れる」 というような言い方も生じます。 この場合、主語はもはや動作を行う主体ではありません。 しかし英語では再帰代名詞の用法が退化してしまったので、次のような構文が中動態と呼ばれます。 The book sells well.「この本はよく売れる」 This book reads easily.「この本は読みやすい」 ここでは動作を行う主体は消え去っています。 また主語の恒常的な特徴をしめすので、現在形でしか使われません。 以上が中動態の説明です。 しかし、英語の中動態の例としてよく挙げられる Bureaucrats bribe easily.「官僚は買収されやすい」 という言述が、「歴史のどのような表象においても一つのモデルと成り得る」というならば、それは私の理解をはるかに超えた言述です。 なにか、具体的な「言述」や「証言」の例を挙げて頂ければ、もしかしたら分かるかもしれませんが。
補足
ご回答、ありがとうございます。 ここでいう「中動態」は「古代ギリシャ語」です。 例として挙げられているのは 「約束したり誓いを立てたりする行為のような遂行的行為における場合がそうである。行為者が自分自身に対して行為しているようにみえるこれらの行為の場合、中動態の使用は、主体(主語)は二つのものに、すなわち誓いを立てさせる能動者と誓いを『立てる』受動者とに分裂するという概念を回避することを可能にしてくれる。他人のために犠牲をささげることはthuein(能動態)で表現されたのに対して、自分のために犠牲をささげることは、thuesthai(中動態)で表現された」とあります。 >つまり、動作を行う側と行われる側とが同一なのです。 なるほど、つまり証言文学の中で、証言を書く人と、書いている対象(書かれている人)は同一である、ということの裏づけなのかもしれません。 証言文学の場合、自分自身についての証言が主となるか、 それとも他人を含めた、置かれた状態についての証言が主となるかで 違いが出てきます。 この場合では、文法的に自分自身についての証言が主となることで、 その証言が自分自身について書かれているということを強調する意味が含まれているのかもしれません。 中動態が沢山の言語に行き渡っているということに注意を払わなかったことでお手間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。
お礼
なるほど、利益を受ける者ですか。 大変参考になりました。 どうもありがとうございました。