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棚卸資産を低価法で評価した場合の容認処理
棚卸資産を低価法で評価した場合の処理で質問なのですが 営業循環過程から外れた滞留又は処分見込等の棚卸資産について、 合理的に算定された価額によることが困難な場合には、正味売却価額まで切り下げる方法に代えて、 その状況に応じ、次のような方法により収益性の低下の事実を適切に反映するよう処理する。 (1) 帳簿価額を処分見込価額(ゼロ又は備忘価額を含む。)まで切り下げる方法 (2) 一定の回転期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法 とあるのですが、 (1)の合理的に算定された価額でない処分見込価額とはいったいどのようなものでしょうか? また、(2)の一定の回転期間とはどういう意味なのでしょうか? 商品を仕入てから何回か決算を迎えたということでしょうか?
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No.1様が、きれいに、ご回答下さってますね。 …大きな声では、言いにくいですが、評価損適用計上の実務経験者(泣)も 少しだけ、回答に、参加させていただけますか。 まず、棚卸資産会計基準9の条文ですが、順を追って、簡単に説明させてください。 先頭の「営業循環過程から外れた滞留又は処分見込額の棚卸資産」とは 採算性ある商品や製品としての市場価値を持てなくなった棚卸資産の状態を指します。 ここでの「合理的に算定された価額」とは、評価損適用後の時価評価額を指します。 その価額によることが、「困難な場合」とは 棚卸資産の品質劣化や陳腐化が、極めて著しい状態で 市場に出しても、売れる見込みは、ほぼ皆無と判断できるため 正味売却価額や再調達原価は、付けようがない状況を指します。 ただ、それでも、資産の収益性の低下の事実は その都度、毎決算期において、評価し、費用計上しないといけませんので (1)帳簿価額を、処分見込価額まで、(一度に)切り下げる方法 か (2)各々の販売サイクル期間を過ぎた棚卸資産を目安に 決算日ごとに、一定の評価損を計上し、徐々に、帳簿価額を切り下げてゆく方法 の、主たる手段から、処理方法を決めて下さい。 …というのが、ここの基準の意図するところです。 (1)の「処分見込価額」とは、利益を考慮しない換金可能性価額を現します。 ここで、評価される棚卸資産の、ゼロと備忘価額の異なりについてですが ゼロと評される資産は、例えば、古いカレンダーなど 社会通念上、全く商品価値を持たない物。 ゼロ計上ですので、貸借対照表には、資産としての実体は、残せません。 一方、備忘価額が付される資産は 売却の可能性は極めて低いものの 社会通念上、商品価値が全くないとは、断定できない物。 企業の所有資産としての実体を 貸借対照表に「備忘記録」的に残す意味での計上に過ぎませんから 申し訳程度の金額、時には、一個当たり、単価一円で計上します。 (2)の帳簿価額の切り下げ周期についてですが 回転期間は、棚卸資産別に、それぞれ異なりますけれど 切り下げは、あくまで、年度決算・半期決算日に時機を合わせ、評価損を計上します。
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>数回転して未だ在庫として存在する場合、 >一定期間ごとに切り下げるという認識したのですが、 >問題ないでしょうか? 私の説明が悪かったですね(笑) 「在庫が一回全部売れて新しい商品になる」と書きましたが、 実際に新しくなった商品と残ってる商品を 区別して把握してるわけではありません。 簡単にいうとそんなイメージ、という程度です。 棚卸回転率は、 「売上高÷棚卸資産(前期末と当期末の平均)」 で求めます。 「売上高」の部分を「売上原価」にすると より正確になりますが、簡単なので売上高が よく用いられたりします。 これは、あくまで「在庫水準がどの程度か」を 測るための手法で、たとえ「回転率12回」と算出された としても、全ての在庫が一年間に12回新しくなってることを 必ずしも求めているわけではありません。 「在庫を全て順当に払い出したと仮定したら、 12回新しくなったことに相当するよね」 という程度のイメージです。 これは、各業種ごとに、平均値や適性値のようなものがあって、 一概に大きいからor小さいから良いとは言えません。 少なすぎず、多すぎない程度の在庫が良いということです。 で前置きが長くなりましたが、ご質問の件は、 ・その商品全体が陳腐化(時代遅れ)して、売れなくなる。 ↓ ・売上高に比して期中在庫量の水準が高くなった。 ↓ ・回転率が低下し、すなわち回転期間が長期化した。 …という感じです。 上述のように、「回転する」とはあくまで仮定のイメージなので、 「~回転しても残ってる在庫があり…」といった表現はありえず、 質問部分の「一定の回転期間を超える」とは、 棚卸資産全体の回転率がある一定水準を下回った、ということです。 ……と思います(笑)
お礼
ご回答ありがとうございます。 また、お礼が遅れてすいません。 上記のことをふまえた上で疑問なのですが、 半期決算の時点で通常の回転率より半期の回転率が悪い場合 現実的には商品価値のない物を一定の間隔で評価損を計上し、数回に分けて限りなく0までもっていく。 一度に0にせず、一定の間隔で評価損を計上するのは、もしかしたら売れるかもしれないから。 というイメージで正しいでしょうか? どうも飲み込みが悪く申し訳ないのですが、お手が空きましたらお答えお願いします。
100%合ってる自信はありませんが… ここで言う処分見込価額とは、 市場がない → 売れない → スクラップとして処分 ということで、最悪の場合スクラップの価格でしょう。 回転期間とは、というご質問ですが、 「棚卸回転期間」などは習われましたか。 売上高や売上原価等に基づいて算定するものです。 簡単に言うと「在庫が一回全部売れて新しい商品になる」のを 「一回転」と言います。 一回転に要する期間を「回転期間」と言います。 一年間に12回転するなら、回転期間は1ヶ月です。 この場合は、回転率が相当低い棚卸資産ということでしょうか。 一応もう読んでるかもしれませんが、 棚卸基準49を見ると説明があります。
お礼
ご回答ありがとうございます。 回転期間について学んでいなかったためそもそもの認識が間違っていたようです。 数回転して未だ在庫として存在する場合、一定期間ごとに切り下げるという認識したのですが、問題ないでしょうか?
お礼
おばかな私にもわかるとても丁寧な説明ありがとうございます。 テキストに載せたいくらいです。 ちなみに、在庫回転期間は品ごとによって異なる。 とのことですが、個別に原価計算していない場合は総合で考えて良いのでしょうか? それとも、そもそもその場合は(2)の方法は使用できないのでしょうか?