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インスリンの分泌機構
インスリンの分泌機構について質問があります。 体内にグルコースが取り込まれると、膵臓B細胞にあるGLUT2を介してグルコースが膵臓B細胞にとりこまれ、グルコキナーゼによりグルコース6リン酸となり、解糖系、TCA回路で消費され、ここで生じたATPがATP感受性Kチャネルを閉鎖することによって、脱分極を生じ、Caチャネルが開き細胞内にCaが流入し、細胞内のCa濃度が増加することによって、インスリンが分泌されるとあります。 質問はATP感受性Kチャネルが閉鎖されるとなぜ脱分極を生じるのでしょうか?神経細胞と同様に静止膜電位などを考えるのでしょか? 教えてください。お願いします。
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それは電位依存性Naチャネルが開くまでの電位変化が過分極方向に向かうのでは、という考えですか? Na/Kポンプである程度の負の電位が作られ、さらに細胞内のKがリークチャネルを通過できることから、その濃度勾配を利用して細胞外に出ていく。このKの動きは静止膜電位を負、すなわち過分極方向に向かわせている動きで、そのチャネルを塞ぐことは、むしろ脱分極方向に電位を向かわせ、それによって電位依存性Naチャネルが開くのでは?と考えています。 たぶんkittenandcatさんはNaチャネルが開くまでの脱分極方向に向かおうとするこの過程を、Na/Kポンプの活性が下がる、ということで理解なさろうとしていると思います。確かにその説はあり得ると思います。 実際、ポンプはATPaseであり、その源はKチャネルを閉じるために必要なATPと同じで、ミトコンドリアで作られていますね。このATPがKチャネルを閉じる方向にだけ向かう選択性を持てばこれらの問題は全て解決しますよね。 どの教材を見ても、Kチャネル閉鎖→脱分極としか書かれていないのはここのあたりのメカニズムがいまいちわかっていないためだからだと思います。まぁそれもやむを得ないことで、実際KやNaチャネルの構造ですら、2000年になってようやくその構造が発見されたぐらいですからね。 しかしkittenandcatさんはまだ基礎勉強の段階ですよね。たくさん覚えることがある中で、そのように一つのことに特化して深く考えようとする姿勢には感服します。僕が基礎を学んでいる時は、とりあえず頭の中にインプットするので精いっぱいでしたから。。。 これからもたくさん悩んだりすることがあるとは思いますが、今の姿勢を貫いてがんばって下さい!それでは失礼します。
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- koosh
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僕も少し曖昧に記憶していたので、今静止膜電位などの話から少し勉強しなおしてみました。 その結果からすると、 ATP感受性Kチャネルが閉じる →細胞内K濃度が高くなる =細胞内電位が高くなる =-90mVから0mVに近づく →電位依存性Naチャネルが開く →Naが細胞内に入りこむ →脱分極 という過程だと思います。なんか僕が曖昧な知識を持っていたばかりに混乱させてしまってすいません。 なぜKが静止膜電位を決定しているのか。それは受動型Kチャネルが受動型Naチャネルよりも遙かにその透過性が高いからです。 Na/Kポンプで細胞外に出されたNaは受動型チャネルでは入ってこれません。それに対してKはその濃度勾配に従って細胞外に出ていけます。 ポンプによって3:2の割合で陽イオンが交換されるため、細胞内の陽イオンが低くなり、負の電荷になっています。そのため、Kチャネルが開いていて、自由にKが出られるといってもその電位差があるため、ある程度まででると平衡状態になります。 これが有名なネルンストの式ですね。 ここで電位依存性Naチャネルが開いたことを考えてみてください。今まではKだけが自由にでいりしていましたが、Naもチャネルが開けば、当然濃度勾配に従って細胞内に入り込みます。そして脱分極するのです。 http://www.fnorio.com/0038Nerve_signal10/Nerve_signal10.htm もし脱分極のメカニズムなどを深く理解したいのであれば、是非このサイトを見るとよいと思います。
補足
返信有難うございます。 実際私も質問をする前に、上のようなことを考えていて、この大学の先生にその考えを伝えたのですが、神経細胞と膵臓細胞を一緒にして考えたらいけないそうです。しかしながら、その先生もあまりその辺のメカニズムはわからないそうです。 説明いただいた文章は、どの陽イオンの細胞内の流入にもかかわかず細胞内と細胞外の陽イオンの差がなくなれば脱分極するという考え方ですよね? この考え方だと、Kチャネルがとじた状態で、Naポンプによって3:2の割合で陽イオンが交換されると細胞内は正味1モルの陽イオンを失うことりなります。したがって、細胞内と細胞外のイオンの濃度差が大きくなり脱分極ではなく、過分極がおこってします。
- koosh
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#1です。 すいません。読み返してみたら、すごくわかりずらかったですね。 Na/K ATPaseというのは、おそらくご存じだと思いますが、全ての細胞に共通の能動輸送するトランスポーターです。 ここでいうATP感受性Kチャネルは、それとは全くの別物で膵臓β細胞に特異的に存在するものです。チャネルやトランスポーターは細胞によって異なったものをたくさんもっています。腎臓での生理学をもし既に学んでおられるのならすぐ理解できるとは思います。尿細管の場所によって持っているチャネルが全然異なっていますよね? 基本的にはNa/KATPaseが細胞内のKとNaの濃度を決定していて、その他のチャネル(ATP感受性Kチャネルなどのように)でそれらを修飾しているとお考えになればわかりやすいかと思います。 今まで開いていることによって平衡状態を保っていたATP感受性Kチャネル、ミトコンドリアのTCAサイクルで作られたATPがそのチャネル閉じてしまいますと、細胞内のK濃度は今までよりも低下してしまいます。 すると電位依存性Caチャネルが開くことで細胞内に大量のCaが入り込み脱分極が起こるのです。 長くなってしまいましたが、大体こんなところでしょうか?
補足
返信が遅れてすみません。 ATP依存性Kチャネルが閉じる。 細胞内のKイオンが細胞外に排泄されなくなる。 細胞内のKイオンの濃度が通常、Naポンプで形成される細胞内のKイオンの濃度より高くなる。 Naポンプの機能が落ち、細胞内にKイオンを取り込まなくなる。 細胞内のKイオンの濃度と細胞外のKイオンの濃度の濃度差がなくなり、 脱分極する。 これであってますか?
- koosh
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体内の細胞は神経細胞でも筋細胞でも、それこそ膵臓β細胞でも全て細胞膜にあるNa/K ATPase(によって細胞内K濃度を高く、Na濃度を低く保つことによって、静止膜電位を負に保っています。 ですから、Kチャネルを閉鎖してしまえば、細胞内にKが入ることができなくなってしまい、静止膜電位を負に保つことができなくなり、脱分極します。 脱分極するシステムは細胞によって異なりますが、静止膜電位がK濃度によって負に保たれているというのは非常に大切なことなので覚えておいたほうがいいですよ☆
お礼
わざわざこのような質問に回答してくれまして有難うございました。