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エリクソンとピアジェの発達理論
エリクソンの発達理論の特徴として、漸成的であることが挙げられますが、 ここでいう漸成的とは、段階ごとに器官が次々と形づくられるという 生物学上の概念であり、あるものの上に次が生じるという意味です。 そうだとすれば、エリクソンだけでなく、ピアジェの発達理論も、 漸成的であると言えるのではないでしょうか? もし違うのならば、どこが違うのかをご教授お願いします。
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むしろピアジェの発達理論こそ 生物学的な意味での「漸成」 epigenesis 本来の意味に近いものです。 ピアジェのライフワークであった「発生的認識論」 epistemologie genetique は 知の個体発生としての認知発達と 知の系統発生としての科学史を重ね合わせて考察する壮大な理論であり, 発達理論はその一側面に過ぎません。 ピアジェは生物学から出発した人ですから, 発達を漸成的な変化として捉えるのは当然のことでしょう。 エリクソンの発達理論はフロイトの性的発達理論を下敷きにしたものですが, フロイトに色濃くあった生物学的色彩はエリクソンにおいては薄まっており, むしろ歴史や文化に依存する側面に光が当てられているように見えます。 またフロイトにしてもエリクソンにしても, 発達段階で問題が生じた場合に「固着」が想定されてはいますが, そこで発達が停止するというほど決定的なものではなく, 生物学的な意味での漸成とはズレがあります。
お礼
お礼が遅くなって申し訳ありません。 専門の方からみれば、随分と的外れな質問だったかと思いますが、ご丁寧な解説をして頂いて、どうもありがとうございます。