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Mathematica LegendreP
Mathematicaの授業内で Legendreという関数(?)を使って様々な面白い図形を描きましたが、 実際にどのような時に用いられるもので 式がどのようなことを示しているのかがあまりわかりません。 この関数に詳しい方お教え願えないでしょうか。 もし例が必要なのであれば下の図形を例に説明していただけると とても助かります。 SphericalPlot3D[Release[Abs[LegendreP[2,0,Cos[theta]]Cos[phi]]], {theta,0,π,π/32},{phi,0,2π,π/32}]
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P[n,m,x]はルジャンドルの陪多項式(associated Legendre polynomial)と言います。m=0の場合には P[n,m](x) = {(1-x^2)^(m/2)} [d^m/dx^m]Pn(x) = Pn(x) ここにPn(x)はルジャンドル多項式(Legendre polynomial)です。従って、次数n=2のルジャンドル多項式にx=cosθcosφを代入して半径1の球面上にプロットした訳ですから、ボールの表面の振動モードの一つを表示したと考えれば良いと思います。 ●ルジャンドル多項式 LegendreP[n,x] Pn(x) = (1/(2^n)/n!) [d^n/dx^n] (x^2-1)^n これは直交多項式で、直交性は integral {x=-1~1} Pn(x) Pm(x) dx = 0 (n≠mのとき) です。ルジャンドルの微分方程式 (1-x^2) P''n(x) - 2 x P'n(x) + n(n+1)Pn(x) = 0 の解であり、 また母関数 (1-2xt+t^2)^(-1/2) = ΣPn(x) t^n (Σはn=0,1,2,...の総和) を持ちます。 ●ラプラス方程式 Δu = 0 (Δ=[∂^2/∂X^2]+[∂^2/∂Y^2]+[∂^2/∂Z^2]) はニュートン力学における重力場や、電荷の作る静電場のポテンシャルなどを表す非常に基本的な方程式です。その解u(X,Y,Z)を極座標(r,θ,ψ) X = r cosθ cosψ Y = r cosθ sinψ Z = r cosθ で表示したものは、半径rだけに依存する因子R(r)と、球面上の位置(θ,ψ)だけに依存する因子Ψ(θ,ψ)の積 u(r,θ,ψ) = R(r)Ψ(θ,ψ) に分離され、Ψ(θ,ψ)の方を半径1の球面上だけに限って見ると(さらにx=cosθと変数変換して)ルジャンドル多項式およびそれに関連する関数(第二種ルジャンドル関数、ルジャンドル陪関数 associated Legendre function)の線形和で表現できる。つまり、ルジャンドル関数(とその親戚)を使って、ラプラス方程式の一般解が表される。 また、球面上の定在波の振幅もこれらの線形和になります。 この意味で、物理では不可欠な関数です。 ●格子(i,j) (i=0,1,2,....; j=0,1,2,.....)を(0,0)から出発して、 * iを1増やす * jを1増やす * i,jを共に1増やす のどれかを好きなように組み合わせて(n,n)に到達する経路は何通りあるか。その答はPn(3)。 こんな所にもルジャンドル多項式は現れるんです。
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- stomachman
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直交関数系は関数解析の基本的概念で、とっても重要なので勉強して絶対に損はありません。でもstomachmanの持ってる教科書は余りにも古くて推薦するのに気が引けます。本屋で探せば良いのがあるでしょう。それから岩波の「数学公式」III巻(特殊関数)も必携です。 ラプラス方程式を含む物理数学に関してはsiegmund先生が良い教科書を教えてくださる筈。 直交関数系として一番良く知られているのは sin n θ, cos n θ (n = 0, 1,2,....ただしsinの方はn=0は無し。) でしょう。どの2個 を取っても相異なる物であれば(例えば cos nθとsin mθ)内積が0、つまり integral{θ=-π~π} (cos nθ)(sin mθ) dθ = 0 ---(1) です。この関係を「(cos nθ)と(sin mθ)は直交である」という。これを使って周期=2πを持つ滑らかな関数fなら何でも f(θ)=A[0](cos 0)+Σ{n=1,2,....} [A[n](cos nθ)+B[n](sin nθ)] ---(2) という形で表せる。で、A[n], B[n]を具体的にどうやって求めるか、ですけど、たとえば J[k] = integral{θ=-π~π} f(θ)(cos kθ) dθ を考える。(2)をfに代入すると、({θ=-π~π}は省略して書きますと) J[k] =integralA[0](cos 0)(cos kθ) dθ+ Σ{n=1,2,....} [A[n]integral(cos nθ)(cos kθ) dθ+B[n]integral(sin nθ)(cos kθ) dθ] となって、(1)を使うと、 J[k] =A[k]integral(cos kθ)(cos kθ) dθ これだけを残してあとは全部0になっちゃう。 だから、 A[k] = [integral{θ=-π~π} f(θ)(cos kθ) dθ] / [integral{θ=-π~π} (cos kθ)^2 dθ] ということになる。いとも簡単にA[k], B[k]が計算できる。これがフーリエ級数展開ですね。 同じように、多項式の列 {Pn(x) } (n=0,1,2,.....)において、どのn≠mについてもPn(x)とPm(x)が integral {x=-1~1} Pn(x) Pm(x)dx = 0 となるようにしたのがルジャンドル多項式です。x=-1~1で定義される滑らかな関数f(x)は何でも f(x) = Σ{n=0,1,2,....} C[n] Pn(x) という形で表せる。このC[n]の求め方、もう分かりますよね。 得体の知れない関数f(x)でも、このようにして性質がよく分かった関数の線形和(要するに重み付き平均)に分解してしまえば、容易に取り扱えるようになる。直交展開といいます。 また、信号処理や画像処理でも直交展開は必須の基礎技術。行列の計算との関連も非常に深いです。 Mathematicaの達人なら、 ★Pnは漸化式 (n+1)P[n+1](x) - (2n+1)xPn(x) + nP[n-1](x) = 0 を使っても求められます。 ★何か適当な関数をルジャンドル多項式で直交展開してみてはいかが?そのあと fj(x) = Σ{n=0,1,2,...,j} C[n] Pn(x) のjを0,1,2,...と増やしながらグラフの変化を見ると、なかなか楽しいですよ。 ★Pn(x)がルジャンドルの微分方程式 (1-x^2) P''n(x) - 2 x P'n(x) + n(n+1)Pn(x) = 0 の解であることは、実際に微分してみれば分かります。 ★母関数 (1-2xt+t^2)^(-1/2) = ΣPn(x) t^n 左辺をtでマクローリン展開してみれば Pn(x) = (1/(2^n)/n!) [d^n/dx^n] (x^2-1)^n が確かめられます。
お礼
補足ありがとうございます。 直交関数系の例sin n θ, cos n θ などとてもわかりやすかったです。 まだ部分的にしかわかりませんが がんばって勉強します。 p.s.私はMathematicaの達人なんかじゃありませんよぉ~ まだ初めて1年も経ってませんもん。 でも★の上3つはできそうなのでやってみたいと思います。 最後のマクローリン展開はまたいつか・・・σ(^◇^;)
- siegmund
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申し訳ありません,ちょっと間違えました. 締め切ってなくてよかった. > 量子力学をご存知なら,kexe さんの例は水素様原子のd軌道の一つ, > l=2,m=0 の角度部分です. は削除してください. ちょっと式を見間違えました. Cos[Phi] がなければ上のことは正しいです. 他にもミスタイプがありました. integral {x=-1~1} {Pn(x)}2 dx = 2/(2n+1) (n=mのとき) の {Pn(x)}2 は {Pn(x)}^2 です. 「余弦定」は「余弦定理」です.理がどこか行っちゃいました. シュミットの直交化法は,大学1年次の線形代数のテキストに 載っていると思います. ベクトル空間の要素が {x^n}, 内積の定義が -1 から1までの積分. で,順に正規直交基底を構成してゆく,という話です.
お礼
あっ量子力学の件は自分で気付きました。 というのもCos[Phi]をなくしたパターンも すでにやっていたんです。だからたぶんそうなんじゃないかと。 ミスタイプはそこまでの問題じゃないからいいですよ わざわざありがとおうございます。 僕生物系でパソコン関係は趣味に近いんですσ(^◇^;) だから数学系の授業ってないんですよ 図書館かどっかで勉強してきます。ありがとうございました。 p.s.ポイントはお二方ともに20Point入れたいのですが無理なんで 投稿の早い順にさせてもらいました。m(__)m
- siegmund
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stomachman さんが詳しく書かれていますので, もうあんまり付け加えることもないんですが... Legendre 陪多項式は stomachman さんの書かれた定義が普通ですが ときに (-1)^m を乗じて定義してあることもあるので, 本を参照するときは注意が必要です. Pn(x) の具体形は P0(x) = 1 P1(x) = x P2(x) = (1/2)(3x^2 -1) P3(x) = (1/2)(5x^3 - 3x) ・・・・・・・・・・ で,見てわかりますように,偶関数と奇関数が交互になっています. stomachman さんの Pn(x) = (1/(2^n)/n!) [d^n/dx^n] (x^2-1)^n から求められますね. 直交性が integral {x=-1~1} Pn(x) Pm(x) dx = 0 (n≠mのとき) integral {x=-1~1} {Pn(x)}2 dx = 2/(2n+1) (n=mのとき) なので,関数系 {x^n} (n = 0,1,2,....) を区間 [-1,1] においてシュミットの直交化法によって順次直交化してゆくと √(n + 1/2)Pn(x) が得られます. 量子力学をご存知なら,kexe さんの例は水素様原子のd軌道の一つ, l=2,m=0 の角度部分です. stomachman さんの母関数 (1-2xt+t^2)^(-1/2) = ΣPn(x) t^n (Σはn=0,1,2,...の総和) の左辺は,x=cosθ とおいてみると, ちょうど余弦定の形になっていて,2辺が1とt, 間の角がθという三角形の 第3辺の逆数になっています. こういうあたりから,電磁場のポテンシャルの展開にもよく使われます.
お礼
ん~ とりあえずありがとうございます。 正直まだ何がなんだかわかってませんσ(^◇^;) でもお答えいただいたのでがんばって理解したいと思います。 どーせこれから休みなんで。 あと例についてまでお答えいただいてありがとうございます。 言われてみて初めて気付きました(笑) 最近勉強したばっかなのに忘れてました。σ(^◇^;)
お礼
とっても詳しい説明ありがとうございます。 ちょっと僕には言葉的にも難しいんで 複数日かけてがんばって理解したいと思います。 数学嫌いなのにGMTとかMathematica扱うの好きなんですよ。 で毎回理解するのに四苦八苦 σ(^◇^;) 今回の問題は、頭の中で3次元を作り出せない僕にはかなり難問でして。。。 とりあえずプリントアウトしてがんばります! ほんとありがとうございました。