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分光光度計で測れるのは吸収係数?消散係数?
- 分光光度計を使って海水の消散係数を測りたいが、測定原理が吸収係数として提示されている。
- 分光光度計による吸収係数の測定原理は、光の透過度を測ることであり、散乱も考慮されている可能性がある。
- もし上記の解釈が正しいなら、分光光度計で海水の消散係数が測れる可能性がある。
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> 散乱光がどの程度受光量に影響するかが異なると考えてよろしいでしょうか? 粒度分布が違えば当然結果も異なってくるので、申し訳ありませんが正直定量的にどの くらいかは想像も付きません。色んな粒度分布の標準試料があって(オーソライズされた ものは無いかも?)、それをある程度多くの機種で巡回測定してみないことには、何とも・・・ 下記URLにも、「測定された光は、光の波長、分散固形物の粒子形状、粒径、その他の 影響を受けます。そのため、濁度測定においては、物質、測定方式間の比較は出来ない ばかりでなく、同じ会社の製品でも機種が異なれば、測定結果の比較は出来ません。」 とあります。 http://www.ohg.jimusho.jp/7187.html?*session*id*key*=*session*id*val* もちろん、測定対象物の組成や粒度分布が一定していて、その濃度を順次変えた試料が 準備可能であって、絶対散乱量ではなく「濃度換算」ができれば良い、と言う場合には、 各濃度試料から検量線を作成して分析に使えばそれなりの精度で濁度分析を行うことが できると思います。このような分析は生化学などで一般的に用いられています。粒度分布 が一定しないと、やはり誤差は大きくなります。 http://www.baiyou.jp/doc_files/page/knowledge/0006.html
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- paddler
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私自身はご質問にある海水の測定を直接やったことはないので、参考意見としてお聞き ください。 まず装置の原理云々の問題以前に、濁っていない清浄な海水の散乱係数では小さすぎて 通常の分光光度計の10mm角セルではそもそも無理なような気がします(推定の範囲で スミマセンが)。吸収係数の方も怪しいかも知れません。散乱損失にしても吸収損失に しても、セル長に対して指数的に増大しますから、小さい吸収係数・散乱係数を拡大して 測定するためには、少なくとも試料セルとしてかなり長光路のものを必要としそうです。 次に装置の構造上の問題ですが、確かに分光光度計で散乱損失に関する情報は得られると 思いますが、定量性、特に装置のメーカ間、モデル間で互換性は相当怪しいと思います。 と言うのは、装置によって、試料セルに入射する光束の開口数、そしてセルを通過した 光束を受光する際の受光器側から見た開口数には決まりがある訳ではなく、装置毎に違う 可能性が大きいからです。更に散乱光(ここでは特にMie散乱光)には入射光と異なる方向に 散逸するものばかりではなく、透過光と同一方向に出てくる前方散乱光もあります。 なので、散乱光を測定する、あるいは散乱光になって逃げていった残りから散乱損失を 算出する、というのはかなり高度な分光的ワザが必要な領域のように思えます。
補足
早速ご回答をいただきありがとうございます。大変参考になりました。 ご指摘いただいた通り、10mmのセルに清浄な海水を入れた実験では、吸収係数の方も有意に測定できなかったので、現在は10cmのセルを用いて、比較的濁った海水をサンプルとして測定しております。その結果,分光吸収係数は何とか測定できております。ところが,本当に 開口数について知らなかったため、ネットで調べた程度なのですが、装置ごとに開口数が異なるということは、散乱光がどの程度受光量に影響するかが異なると考えてよろしいでしょうか? いずれにせよ、散乱を含めた「消散」の効果を、短いセルで精度良く測るのは難しいそうですね。 どうもありがとうございます。
お礼
再度ご教授いただきありがとうございます。 濃度測定用途には使えても、物理量である散乱係数自体を計測するのは、難しそうですね。 市販の海水用消散係数計も、分光光度計と同じ原理のようなので、やはり結果の機種依存性を疑ってみる必要があると思いました。 今回頂いた情報は、大変参考になりました。 どうもありがとうございました。