三平方の定理がそうです。
二次元では、原点から点(x,y)までの距離rは
r = ±√(x^2 + y^2)
ではなく
r = |±√(x^2 + y^2)| = √(x^2 + y^2)
同様に、三次元では、原点から点(x,y,z)までの距離rは
r = √(x^2 + y^2 + z^2)
#2さんが回答されている複素数のことも重要です。
複素数zが z = x + iy で示されるとき、
z の絶対値は、|z| = √(x^2+y^2)
これは結局、上述した三平方の定理と同じで、
x方向をX軸、y方向をY軸としたときの、X-Y座標系(複素平面)での原点からの距離rになります。
(x,y)は極座標(r,θ)に変換できます。
では、8の立方根(3乗根)の例を挙げます。
意味不明に見えるでしょうが、とりあえず、以下、眺めてみてください。
8 = 8 + 0・i
絶対値rは、r = √(8^2+0^2) = 8
また、(説明は省きますが)iの係数がゼロで、しかもxが正の数(=8)なので、偏角θは
θ = 0+360n = 360n
絶対値r=8の3乗根は、8^(1/3) = 2
だから、求める3乗根の絶対値は2
偏角については、3乗根を求めるということは、θを3等分するということ。
θ/3 = 120n
0≦θ<360の範囲の解は、
0、120、240
つまり、8の3乗根は、極座標では
(r,θ)=(2,0)または(2,120)または(2,240)
と求まりました。
実際に図を描いてみると分かりますが、この3つの解は、
(x,y)=(2,0)または(-1,√3)または(-1,-√3)
という、正三角形の3つの頂点であり、また、半径2の円周上の3点でもあります。
絶対値を学校で初めて習ったばかりの中学生に、こんな話をしたことがあります。
私「1本の白い糸をぴんと張って、そのどこかにコンパスの針を立てて、コンパスをぐるっとまわすと、その糸に描く場所は何箇所?」
中学生「2箇所」
私「そう。だから、同じ絶対値の数は2つあるんだ!」
中学生(きょとん)
私「じゃあ今度は、糸じゃなくて白い紙にしてみよう。今度は何箇所?」
中学生「ん・・・・・沢山。」
私「沢山、というか、無限にあるよね?」
中学生「うん。」
私「実は、今、絶対値っていうのを習っている理由はそれなんだ。高校や大学の数学になると、白い紙のほうの絶対値が出てきて、それが色んなことに役立つんだ。」
中学生「へー」
さらにその後も私の講釈は続き・・・(笑)
お礼
大変興味深いというか深遠というか、大いに勉強意欲をかきたてられるご教示でした。絶対値というものが回転などとも関係がある概念なのかと思いました。中学に戻れてよかったと感謝いたします。