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免疫における「MHC拘束性」と「拒絶反応」の関係について

免疫学で「MHC拘束性」と「拒絶反応」について習ったのですが、その関係について、下記の2つの事柄は一見互いに矛盾するように感じられるのです。 私の理解が不十分なのだと思いますが、どのように理解すればよいのでしょうか。 (1)T細胞は胎生期に自己細胞のMHC分子が行う抗原提示にしか反応しないよう選択されることで「MHC拘束性」が成立する(つまり、非自己MHC分子は非反応性のT細胞だけが残っている)。 (2)T細胞が非自己のMHC抗原(HLA)に対し反応するので移植臓器に対する「拒絶反応」が引き起こされる(つまり、T細胞が非自己MHC分子に反応することで細胞障害が引き起こされる)。 よろしくご回答をお願い致します。

みんなの回答

  • alanami
  • ベストアンサー率43% (17/39)
回答No.2

確かにCD8陽性T細胞は主にMHC class Iに提示されるペプチドを認識するようですが、クロスプレゼンテーション(cross presentation)というのを御存知でしょうか?マクロファージや樹状細胞やB細胞などMHC class II陽性細胞は抗原タンパクを貧食すると、主にMHC class IIへペプチドを提示しますが、MHC class Iへ提示する経路もあります。CD8陽性細胞がアロMHCを認識しているのはこの経路由来であると考えられます。 とはいってもアロ抗原に対する対処はCD8陽性T細胞だけでなく、他のリンパ球サブセットも当然関与しています。

glutean
質問者

お礼

再度のご回答ありがとうございました。 結局言えることは、免疫現象は極めて多様な機構が関連して、とても教科書的な「メイン」ルートだけで理解するのは危険だということですね。 それは至極当然のことだと思いますが、医師国家試験のような選択式の客観試験では物事を典型例(パターン)で“覚える”ことが要求され、ほとんどの教材には副次的な系は意図的に隠されている・・・そんな気がしてならない次第です。

  • alanami
  • ベストアンサー率43% (17/39)
回答No.1

良い視点ですね。 非自己のMHC(HLA)による宿主の拒絶反応における特にCD8陽性細胞の役割は比較的後期のことであると考えられます。というのも御存知だとは思いますが、一般的にT細胞は断片化されたペプチドを認識します(γδ型のT細胞は脂質等を認識しますが、以下の文章はペプチドを認識するαβ型のT細胞の話です)。CD8T細胞のアロMHCによる拒絶反応はマクロファージ等の食細胞に貧食されたMHC分子の一部を認識しているのでしょう。この際の反応も外来抗原にCD8T細胞が反応する時と同じ様式であり、MHC分子にMHC分子の一部が提示されるという面白い現象が起きていることになります。

glutean
質問者

補足

ご回答ありがとうございました。 >マクロファージ等の食細胞に貧食されたMHC分子の一部を認識しているのでしょう。この際の反応も外来抗原にCD8T細胞が反応する時と同じ様式 ところで、「CD8陽性T細胞はクラスIMHCによる抗原提示を認識し、その細胞に対し細胞障害を起こす」というような理解をしていたのですが、ご説明ではクラスIIによる提示を意味しているように思えます。 今度はクラスIとクラスIIによる抗原提示との関係がややこんがらかってきました。 更にご追加の説明を頂ければ嬉しいのですが・・・。 どうぞよろしくお願い致します。

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