こんにちは。
一般に、他動詞は、目的語への直接的な働きかけを意味します。そして、「直接的」とは、目的語が「そこにある、今、目に見え、手で触れる」と言う意味なのです。
このことが一番簡単に分かるのは、search と言う単語の使い方です。「僕は公園をさがした。」と言う日本語では、「公園がどこにあるのか、それをさがした。」と言う意味なのか、それとも、「バックを公園で落としてしまい、バックがどこかにないかと公園内をさがした。」と言う意味なのか、はっきりしません。しかし、英語で、I searched the park. と言うと、「公園で、何かをさがす」と言う意味になります。これは、「公園」が実際にそこにあり、「探す」と言う動作の対象になるからです。さがすと言う行為と公園という場所は、一体になっているように見えます。しかし、「公園でバックを探す」と言う時、バックは、さがすという行為の時に、そこにある、そこに見えるわけではないので、英語では、I searched for the bag.となります。なぜ for the bag かというと、「バック」がその場に無いからです。「バックを求めて」の意味になるからです。「探す」と言う動作自体と「バック」というものが、直接かみ合っていないからです。
そのほかにも I go to the park. も「行く」と言う動作は、その出発時点も意味として含むので、出発時点では「公園」は遠くにあり、to が来るわけです。leave もそうで、「出発する」という意味ですが、出発する時、出発地点は、そこにあり、出発の時に目に見えるので、「駅を出発した。」なら、I left the station.となるわけです。これを、I left for the station. とすると、出発地点ではなくて、出発地点では見えない目的地が「駅」だと言うことになります。
同様に、reach と言う単語は、他動詞として使われることが多いですが、arrive と比較して、目的語に影響を与えると言う意味合いがあります。だからこそ、「これらの言葉は彼の心に届いた。」は、These words reached his mind. と reach を使い、arrive は使わないのです。
しかし、これでは解決しない他動詞もあります。つまり、I know that he is a nice guy. のような場合です。ここではknowに目的語に対する働きかけのようなものは感じられません。そこで、他動詞概念を拡張して、視覚の問題にするのです。視覚と言っても実際に外界にあるものを見ると言うわけではなくて、心理的にあるものとあるものを視線を動かさずに、言い換えれば、意識の焦点が動くことなくある動作とその対象が一緒に捉えられれば、それは、他動詞的な直接性があるとするわけです。knowは、「知る」対象があってこそ「知る」と言えるわけで、そういった「動作との一体性」があります。また、最初に述べたaim,searchなどの使い方も説明できます。 つまり、他動詞は、視覚的な、または、意識的な「動作と目的語の一体性」がある動詞ということでまとめることが出来ます。
お礼
とてもご丁寧な加藤ありがとうございます!参考になりました。