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ベータ線のエネルギースペクトル
ベータ線のエネルギーが連続的であるために、 ベータ崩壊は2体崩壊では有り得ない、という説明をよく見ますが、 なぜそうなるのですか? 2体崩壊ならば、エネルギースペクトルは線スペクトルになるはずだ、 という根拠のようですが、 2体それぞれが連続スペクトルをもっていれば、 エネルギー/運動量保存則は保存しうると思います。 ベータ崩壊で放出された反跳核と電子のエネルギー双方を測定して 反跳核は線スペクトルであるのに 電子は連続スペクトルだった、という流れなら分かります。 電子のスペクトルだけを見て、3体崩壊を示唆するものだ、 と断定することはできるのですか?
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>6つの式というのは、運動量保存則で3つ、エネルギー保存則で1つ、運動量とエネルギーの関係式が電子についてのもの1つと反跳核についてのもの1つ、でOKですよね? OKですね。 >現在は、ニュートリノを考えれば、丸く収まるようにはなっているようですが、ここから予言できるのは、3体「以上」の崩壊であること、なんですね。 まぁ、そうなんですが、一応、「エネルギーか運動量(ついでに角運動量も)が保存されないんだ」という可能性もありますね。(そうだとしたら、時空の対称性が崩れるので、それはそれで困るのですが) 実際、ボーア(or他の誰か)がエネルギーが保存されないと考えていたと聞きます(←怪しい^^;)。
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- sanori
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崩壊による、核の質量欠損の変化量は、基本的に1通りだけです。 ですから、 もしも2体崩壊であるならば、β線も反跳核も線スペクトルになるべきです。 しかし、そうはなっていないので、3体以上の崩壊であることが分かります。
お礼
えぇと、行間を補完できているかどうかちょっと自信ないんですが、 変化量は一通りであり、β線や反跳核が取り得るエネルギーは一意に決まるのだから、 2体崩壊という現象においてはそれぞれの粒子のエネルギーは線スペクトルになるはずだ、ということですよね。 ああ、それと、面白いですね、 現在は、ニュートリノを考えれば、丸く収まるようにはなっているようですが、ここから予言できるのは、3体「以上」の崩壊であること、なんですね。 ありがとうございました。
- eatern27
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β崩壊が2体崩壊だとしましょう。簡単のため、重心系でみる事にして、電子が飛んでいく方向をz軸とでもしてやります。また、角運動量の事は考えない事にしましょう。運動量保存則とエネルギー保存則(および、運動量とエネルギーの関係式:E=p^2/2m or E^2=m^2c^4+p^2c^2)を立てて、電子と反跳核の運動量とエネルギーを計算してみてください。 未知数も式も6つずつになるので、電子と反跳核の運動量・エネルギーが全て一意に決まります。 2体崩壊においては各粒子の(重心系での)エネルギーは一意に決まるんです。エネルギーが一意に決まるので、線スペクトルになります。 ※実際には、角運動量がエネルギーを持ち去ってもいいので、エネルギーは一意には決まらないですが、量子力学によれば角運動量は離散的な値しかとれないので、角運動量を考慮しても、線スペクトルが何本か立つだけで、連続スペクトルにはなりません。
お礼
6つの式というのは、運動量保存則で3つ、エネルギー保存則で1つ、運動量とエネルギーの関係式が電子についてのもの1つと反跳核についてのもの1つ、でOKですよね? なるほど、確かに一意に決まりました。 計算では確かにそうなるけど、どうして自分の考えは否定されるのだろう...と考えていたら、質問文のような考えではエネルギー保存はしていても運動量が保存されないことに気付きました。 スペクトルにばかり気をとられて、エネルギーのことしか考えていなかったようです。 ありがとうございました。
お礼
ちょっと調べてみましたら、確かにボーアは1930年、原子核内ではエネルギーが保存されないという理論をだしていたそうです。 でも、やっぱり保存則は成立している、ということのようなので、自然の奥深さはほんと不思議だなぁと思います。 保存則を破る現象が見つかったら、それはそれでかなり面白いですが。