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東北旧石器文化研究所元副理事長・藤村新一氏事件の背景について

考古学については私は全くの門外漢で、史跡や遺跡の近くに立って過ぎた時代に思いをはせる、ぐらいしか興味がわかないんですが、彼がやったとされる行為は「考古学をレイプした」と表現される程、恐ろしいことだったのでしょうか。 日本に旧石器時代が存在したのかどうかの論争は、捏造を誘発するほど熾烈なものだったのですか?それとも、ただ彼の功名心の末路? 表現が不適切だとしたら、申し訳ありません。事情を知らない者の質問としてお許し下さい。

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noname#118466
noname#118466
回答No.1

日本の歴史は長い間弥生時代から抜け出せなかったものが、戦後縄文時代の研究が発達し弥生時代の前に一万年強の縄文時代(土器文化の時代)があったことが判明しました。その後、更に研究(発掘)が進み土器のない時代(新石器時代に匹敵)が縄文の前に存在していた事が確認され、日本の歴史は3万年前まで解明されるようになっていました。 藤村氏はこのような時代に登場し、次々と新しい発掘に従事し、藤村氏の発掘現場からは年代の古い石器の発掘が続きました。考古学会の期待に応えるべく、発掘の度に更に古い年代の石器の発見が行われ遂に日本列島には60万年前から原人が、石器の保存を行っていたという世界初の発見にまでエスカレートしたのです。 現在では一旦3万年前まで戻り、藤村氏の関係した遺跡、遺物を再発掘して検証を行っているようです。一連の恥ずべき行為は藤村氏の個人的名誉欲に起因するものですが、先輩、上司、権威者の業績を他の研究者が検証したり批判したり出来ない業界の慣習が先にあったと見ることも出来ます。 いずれにしても日本考古学界が失った信用回復と遺跡の検証には今後何十年もかかるものと思われます。三万年が一人の研究者によって60万年まで溯り、それを不思議と思わず反論する人もいなかったということは恐ろしく、又恥ずかしいことです。

quadrant
質問者

お礼

返答ありがとうございました。 なるほど・・・よくわかりました。

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  • epijomon
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回答No.2

捏造事件は、直接的には石器埋め込みによる騙しだったわけですが、一流とされていた研究者達がまんまと騙され、捏造石器を中核にした学説(理論)を強化していったわけです。学説の周りには、大勢の賛同者も集まります。反論は黙殺され、学界的にも特に否定されることなく、暖かい目で見られていました。しかし捏造発覚に至るまで、学界大的な課題として、正式に追試されることは、決して無かったのです。今となって見ると、彼らの理論は「病的な科学」の域に達していました。 >日本に旧石器時代が存在したのかどうかの論争は、 よく混同されますが、日本の旧石器時代は厳然として存在します。捏造の舞台となったのは、前期旧石器時代です(中期を分けるのは、彼ら特有の学説です)。言いかえると、後期旧石器時代(暦年代では1万数千年前~4万年前頃)より以前です。後期の始まりの年代は、20年前は3万年前などと言われておりました。現在の知識では、ほとんど4万年前に近づくところまで古くなっています(控え目に言えば、およそ35000~39000年前というところ)。 >捏造を誘発するほど熾烈なものだったのですか? 確かに前期旧石器の存否は、論争が長年続いていました。この問題に強い関心を持つ研究者が当時宮城県にいたことが、悪い偶然でした。はまるところに、はまってしまったわけです。 捏造者の最初の動機は(アマチュアのコレクターでしたが)、功名心というよりも、大昔を語りたいとか、専門家に認めてもらえて嬉しいといった、一種の達成感のようなものだったと思われます。 ただ、名声が高まるにつれて、捏造者に自慢や増長心が強くなっていったようです。

quadrant
質問者

お礼

ありがとうございました。 「同一化されたシステムには必ず欠陥が生じる」