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引張試験中の電気抵抗の測定について
こんばんは。私は引張試験中の電気抵抗の変化の測定を行っている学生です。 実験に用いているのはステンレス鋼SUS304で試験片の寸法は直径が5mm、長さが8mmで1Aの電流を流し液体窒素中で引張試験を行いながら、その間の電気抵抗を四端子法を用いて測定しています。端子は全て半田で固定しています。引張試験中は電気抵抗は上昇していきます。これは転位が影響していると考えています。(また余談ですがステンレス鋼は変形させると組織が変化し母相よりも電気抵抗が低くなる部分が出来ます。)除荷すると弾性変形分戻り電気抵抗は少し下がります。その測定した電気抵抗の変化、変形後の寸法の変化を用いて体積抵抗率を求めていますが、この測定に関しての問題点を知りたいのです。教授の方々に聞かれたのですが答えられなくて困っています。(何か問題点があるらしいのですが・・・)
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(質問者ご自身の研究テーマですので、測定に関する問題点は他の論文や文献を当たって調べたり、ご自身で考察されるべきなんでしょうが、、) データの評価に関してはおいておいて、測定に関する部分だけ、、 抵抗測定方法に関して 通常、棒状のものの抵抗(率)を4端子で測定するときには、「(電圧端子付近では)軸に対して垂直に等電位面がある」という前提をおきます。(そのためには、材質が均一であるとか、電流が均一に流れてるとかいう条件が必要) が、たとえば電流導入端子付近では、電流の集中が起きて、上記条件が怪しくなります。ですから、測定時にはなるべく電流が均一になる工夫(端面を導電率の高い金属で覆って電流導入端子にするとか、電流導入端子から電圧端子までの距離を十分とる)をします。 また、部材(の低効率)が不均一だと、電流分布が不均一になったり、電位分布が不均等になったりします。(この結果、電圧端子のつける位置で結果が変わる可能性があります) 温度の均一性 試験部材に電流を流すと、ジュール発熱します。で、この熱は部材表面から出て行くのですが、その熱の流れに従った温度分布がつきます。精密な測定ではこの温度分布の影響が出ることがあります。 また、サンプルホルダーからの熱流入や変形時の発熱も問題になることがあります。 抵抗測定方法に関して(2) 電圧端子で異種金属を接合すると、その部分で温度差があれば熱起電力が発生します。これが測定誤差になる可能性があります。 測定条件からぱっと気になるのは、こんなところでしょうか。 (まだ他にもいくつかありそうですが)
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- foobar
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文献などあたられているということなので、 4端子法による抵抗測定については、一度図書館などで「電気計測」の書籍を見られるのが良いかと思います。 以下追加コメント 抵抗測定法に関して 電圧端子は理想的には点接触するのが望ましいのですが、実際には半田である一定面積で接触しています。この影響を考える必要が場合によっては出ます。 また、ステンレス棒の側面に(低抵抗の)はんだが一定面積ついていることになりますので、この影響が出ることも有ります。 各種起電力の影響 「液体窒素中だから熱起電力が無い」というのは、きちんと確認をする必要があります。 通常は熱起電力などの影響を除外するために、通電電流の極性を変えて、端子電圧の測定をします。(熱起電力等は通電電流の向きに関係しないので、電流極性反転で抵抗性の電圧と分離できる。このあたりも、電気計測の書籍に記載があるはず)
お礼
三度も回答頂きまして本当にありがとうございます。 4端子法や各種起電力の影響は電気計測の本を探して調べてみます。 半田の面積の影響もあるとはこの計測は奥が深いですね。
- himara-hus
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実際の測定系のイメージがつかめないので、良くわからないのですが、測定誤差が非常に気になります。 一つは、直径に対して長さが非常に短いので、皆さんが言われているように電流が均質に流れているかということ。 二つ目は、接続部分の接触抵抗です。端子は全て半田固定と言われていますが、ステンレスは半田付けできなかったと思うのですが、どのようにされているのでしょうか。溶接? 三つ目は、電流、電圧の測定誤差(計器の誤差を含む)は、実験の変化の値に対して無視できるレベルなのか。 四つ目は、ステンレスは均一に伸ばされているのでしょうか、どこかに集中していたりしませんか。 五つ目は、引っ張りは一方向ですが、それはそれでよいのでしょうか。 測定誤差の影響を小さくするためには、ステンレスの長さを長くすることが効果的だと思うのですが、できないのでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。 ご指摘の二つめですがステンレス鋼には不動態皮膜があり半田は付きませんがフラックスと呼ばれる強酸性の液を用い不動態皮膜を取り除くと半田付けが出来ます。 四つ目ですがある程度、引張ればくびれが生じる部分はありますが均一だと考えています。有限要素法の解析も行い確認しています。 五つ目ですが一般的な引張試験は一方向です。そうしないと単軸応力、単軸ひずみになりませんので。 三つ目に関しては調べて見たいと思います。
- qaz_qwerty_me
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何を調べるために実験をしているのしょうか? > 変形後の寸法の変化を用いて体積抵抗率を求めています 単なる体積抵抗率は意味ないのでは? 『変形させると組織が変化し母相よりも電気抵抗が低くなる部分』という事実がある? のですから、母相と変質した部分との比率を考慮した体積抵抗率にしないと意味がないと思いますよ
お礼
回答ありがとうございます。 下のお礼でも書きましたが、ステンレス鋼の応力誘起マルテンサイトの測定を行っています。 詳しくは書けないのですが、塑性変形の体積一定の条件と公称ひずみの式などを用いて体積抵抗率をもとめています。 >母相と変質した部分との比率を考慮した体積抵抗率にしないと意味がないと思いますよ これは私は変形前の体積抵抗率と変形後の体積抵抗率の比にしています。 ご指摘の変質した部分(マルテンサイト相)の比率を電気抵抗値の変化から求めたいのです。
余談がすごい問題な気がしますよ。 面心立方格子構造がどうなるんですか? 体心立方格子構造に変化したのですか? 充填率についてはどう思いますか? 構造が違って充填率が74%から68%へ落ち、抵抗が増えたのですか? それとも、組成自体の崩壊ですか? 応力疲労が原因ですか? オーステナイトがどうなるんですか? 構造は変わらず原子配列の変化でしょうか? 結局、最後の抵抗は、何が原因でこうなったんでしょうね? 間違いなく断言して答えられますか?
お礼
回答ありがとうございます。というよりもご質問でしょうか? ご質問についてですが、私が用いているステンレス鋼SUS304は低温で塑性変形させるとマルテンサイト相に変態する事が知られています。 マルテンサイト相になるというのはご指摘のとうり面心立方から体心立方格子になると言う事になります。マルテンサイト相は母相(オーステナイト層)よりも電気抵抗が低いです。値はオーステナイト層の37%になることが論文で発表されています。 電気抵抗の増加は転位や積層欠陥などによって増加してしていると考えられます。 最後の抵抗はマルテンサイト相が生成された事による抵抗の減少と変形による抵抗の増加の兼ね合いによる値だと考えています。 ただ、今は研究の途中で間違いなく断言するのは難しいです。
- foobar
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四端子法で抵抗を測定し、抵抗率を計算する際に、いくつかの仮定(というか前提かな)がされているかと思います。(例えば、電流分布など) そういう前提が測定においてきちんと成立しているか、はおさえておく必要があるかと思います。 また、測定に際して擾乱(例えば不必要な起電力の類)が無いか、も確認する必要があるかと思います。
お礼
早速の回答ありがとうございます。 ご指摘の前提と擾乱についてですが内容について詳しくご教授願えれば幸いです。引張変形の仮定はありますが、電気抵抗の測定に関しての前提がなされていない気がしますので。
お礼
回答ありがとうございます。 >(質問者ご自身の研究テーマですので、測定に関する問題点は他の論文や文献を当たって調べたり、ご自身で考察されるべきなんでしょうが、、) ご指摘のとうりだと思います。一応文献などで調べておりますが、自分の研究テーマに完全に一致する物は無く、自分の説は仮定や推測の段階でしてこの場をお借りして自分とは分野の異なる方々の幅広い意見や疑問をお聞きし研究に生かせればと思い質問させて頂ました。私のこの姿勢がお気に触りましたら申し訳ありません。 >抵抗測定方法に関して これは測定したい標点部の少し離した位置に電流導入端子を取り付け、標点部の近くに電圧端子を取り付けて電気抵抗を測定しています。 電流導入端子と電圧端子の距離は1.5mmほどですので距離は十分では無いかも知れません。 >温度の均一性 これは私が考慮していたのはジュール熱による電気抵抗の増加です。一応測定をして1Aの電流ではジュール熱による抵抗の増加は見られませんでしたのでこの値にしていました。また変形時の発熱ですが静的試験で引張る為の工具が試験片に対して十分大きい為、発熱=排熱としています。(もちろん動的試験では成り立ちませんが。)また、試験片と電圧端子は液体窒素中ですので熱起電力も無いと考えていました。