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引張試験
板状の試験片(アルミニウム合金)の表・裏にひずみゲージを付け、弾性限度内で引張試験をしました。 σ(応力)-ε(ひずみ)線図は、σ=Eε (E:縦弾性係数)のため、傾きEの直線になるはずですが、 実験結果からσ(応力)-ε(ひずみ)線図を作成すると、応力が大きくなるにつれて表・裏の実験結果とも直線から外れていきます。 なぜこのような結果になるのでしょうか?お分かりになる方教えてください。よろしくお願いします。 試験機: 横型引張試験機 荷重測定装置: ロードセル ひずみ測定装置: ひずみゲージ 固定法: 試験片をピンで留め、ユニバーサルジョイントを入れる
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No1です。 フックの法則(σ=Eε)に従っている場合、金属結合した原子間の距離が引き伸ばされているだけですので、転位は起こっていないと考えてよいと思います。転位が起こると、塑性変形しますので、フックの法則に従わなくなります。 弾性変形と塑性変形では、変形のメカニズムが違うんです。 それから、「引張試験なのに曲げひずみが生じる」というのは、どういうことでしょうか?正しい試験が行われていれば、曲げひずみはかかりません。特に、「ピン負荷&ユニバーサルジョイント」の組み合わせは、曲げひずみのかかりにくい試験方法です。 強いていうなら、塑性変形時に横方向の引張りが生じるため、くびれた領域では軸方向と周方向の引張りがかかり、多軸応力の条件になります。
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- titanuser
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σ=Eεが成り立つのは弾性変形をする最初の範囲だけです。弾性変形は格子がそのまま伸びることによって起こるのですが、直線関係から外れるのは塑性変形という、転位が導入されることによる変形にメカニズムが変わるからです。
補足
ご回答ありがとうございます。 質問させていただいた引張試験のデータを色々検討した所、同一応力での表・裏のひずみの値を足して2で割るとほぼσ=E・εの直線上の値と一致することが分かりました。これは転位によるものなのでしょうか。 曲げひずみが生じている可能性があると聞いたのですが、もしそうであれば、なぜ曲げひずみが生じるのでしょうか? 申し訳ありませんが、ご存知でしたら教えてください。よろしくお願いします
- shota_TK
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弾性域でも少しずつ転位は起きますよ。 「応力ひずみ線図」というと、参考URLのように弾性域と塑性域が明確なものをイメージすると思いますが、これは鉄鋼材料の応力ひずみ線図ですよね。 鉄鋼以外の多くの材料は、明確な降伏点なしにじわじわと塑性変形します。 アルミでも同様で、文献値の降伏点以下でも塑性変形は起き、上に凸の緩やかな曲線になります。このため、弾性率を求めるときは、接線弾性率や割線弾性率を使ったりすることもあると思います。 また、降伏強さについても、降伏点が明確ではないので、0.2%とか2%とかのオフセット耐力の値を使うことが多いと思います。 一般的に、変形速度が遅いほど、温度が高いほど、引張初期から塑性変形する傾向にあります。 http://pel.dse.ibaraki.ac.jp/SSGMD.htm アルミでも、2024のような材料では、比較的弾性域がはっきりしていますね。(下記) http://www.mmm.muroran-it.ac.jp/~msakai/St_Exp/2024.htm
補足
ご回答ありがとうございます。ご紹介いただいたURLを拝見させていただき、とても参考になりました。 質問させていただいた引張試験のデータを色々検討した所、同一応力での表・裏のひずみの値を足して2で割るとほぼσ=E・εの直線上の値と一致することが分かりました。これは転位によるものなのでしょうか。 曲げひずみが生じている可能性があると聞いたのですが、もしそうであれば、なぜ曲げひずみが生じるのでしょうか? 申し訳ありませんが、ご存知でしたら教えてください。よろしくお願いします。
お礼
何度も回答いただきありがとうございました。 おかげさまで自分なりの考察ができました。