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鳥インフルエンザウィルスについて
宮崎県などで発生した鳥インフルエンザについて、渡り鳥の糞などにハエがたかり、そのハエが鶏舎に入ったのを鶏が食べて、鳥インフルエンザに感染しているのではという報道があります。 しかし、ウイルスは、基本的に生体の細胞内でしか生存できないのではないのですか。生体外に出た場合は、数日間しか生存できないし、たとえハエといえども、消化器官の中に入ったら、ほぼ即時に死滅するように感じるのですが、どうなのでしょうか。また、そのハエを鶏が食べたとき、やはり、消化管の中で、死滅すると思います。 そこで質問です。 1.鳥インフルエンザのウィルスは、鳥の体外に出た場合、どのくらい生存できるのか。 2.ハエの消化管の中で、生存できるのか。 3.鶏の消化管の中で生存できるのか。 4.仮に、鶏の消化管の中で生存できたとして、その鶏に感染するのか。
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獣医師でウイルスを専門としています。 質問に対するお答えですが、 1.鳥インフルエンザウイルス(AIV)の体外での生存期間ですが、はっきりした数字は判りませんが、一応不活化条件は56℃30分ということになっています。 この「56℃30分」はウイルスの不活化条件の指標のようなものなので、「56℃まで温度を上げないと死滅しない」あるいは「30分処理しないと不活化しない」ということを意味するものではありません。 一般的には環境に対しては弱いウイルス、という認識です。また乾燥や日光にも弱いです。 2.ハエの消化管内での生存はできないでしょう。 3.鶏の消化管内では生存、増殖が可能です。 そもそもインフルエンザウイルスの増殖部位は「外気道及び腸管内」です。自然宿主であるカモ類での主な増殖部位は気道ではなく腸管内です。 ですので、4の答えも「感染する」です。 ハエがウイルスの媒介をしているかもしれない、ということについてですが、考えられるのは以下のような経路です。 1.AIVに感染した野鳥が鶏舎のすぐ横で糞をする この時、糞には感染力を持ったAIVが存在します。 2.ハエがその糞にたかる この時、ハエの足に糞すなわちAIVが付着します。 3.そのハエが続いて鶏舎内に侵入してエサにたかる この時、ハエの足に付着したAIVがエサに付着します。 4.そのエサを鶏が食べる 感染成立、というわけです。 つまり、ハエは「媒介」というより「機械的にウイルスを運搬」しているという推測です。 むろん、体外に排泄されたAIVは急速に死滅していきます。 しかし糞の中で湿潤な環境にある間は、乾燥した環境下より死滅する速度は遅いでしょうから、糞の排泄→ハエに付着→エサに付着の時間が短ければ、感染性を保ったまま鶏に摂取される可能性もあるのでしょう。 例えば、ほんとに例えばの話なので数字はいい加減ですが、野鳥によって排泄された糞からハエの足に、10の4乗個くらいのウイルスが付着したとして、ハエが鶏舎に移動してエサにたかるまでの5分の間にウイルスの死滅が進み、100分の1に減ったとしても、エサには100個の生きたウイルスが付着する計算になり、その100個で鶏に感染が成立するのかもしれません。 なお、「高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)」は、本来鳥類の気道か腸管内でしか増殖できない(感染できない)AIVが、全身の臓器で増殖できる(感染できる)ような変異を遂げたもの、です。 自然宿主であるカモ類では、AIVは気道や腸管内でのみ増殖します。 この状態では増殖も緩やかで宿主に「病気」も起こしません。 これが何かの拍子に鶏に感染すると、鶏はたまたまAIVには高い感受性を持っており、すなわち鶏の体内ではAIVはよく増殖します。 しかも鶏は、これもたまたまですが「家畜」として飼われており、そこでは自然状態では考えられないほど生息密度が高くなっています。すなわち、鶏→鶏の感染が非常に効率よく起きる、ということです。 ですから、鶏に感染したAIVは自然宿主であるカモ類に感染しているときとはケタが違うほど増殖速度、すなわち「世代交代の速度」が速くなります。 そのうち、ノーマルだと気道か腸管でしか増殖できないはずのAIVが、全身臓器に感染してしまうような変異を遂げてしまいます。 これが「高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)」です。 日本で発生したHPAIは、3年前の山口、大分、京都で発生したものも今回の宮崎と岡山で発生したものも、それぞれ遺伝子的に極めて近いということが判っています。 これは、日本で発生した鶏舎で「高病原型への変異」が起きたのではなく、どこか他の場所で変異して高病原型になったウイルスが、山口や大分、京都にそれぞれ何らかの方法(渡り鳥?)によって運搬されてきた、ということを強く示唆しています。 カモ等の渡り鳥が直接鶏舎に入って鶏と接触することは考えにくいので、何かで中継されているはずなのですが、これまではカラスやスズメなどの他の野鳥、人、あるいは水といったものが考えられてきたのですが、今回ハエも候補に加わった、ということなのでしょう。 ちなみに、高病原型への変異と「ヒトに感染能を持つ」変異とは、またちょっと別の話になります。
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カモ類の生態が完全には解明されていない現状では、何を考えても推察でしかないのですが、少なくとも日本だけでなく世界中の専門家が誰も「おかしい」と言っていない、ということだけは心に留めておいてください。 ごく自然なこと、とまでは言いませんが、とりあえず我々が持っている既存の知識で「あり得ること」と判断できる出来事である、ということなのです。 茨城の事例は、分離株の遺伝子がグアテマラ株にごく近い、ということは、既存の知識ではほぼあり得ないこととされています。ですから何らかの人為的な要因が加わったであろうことは多くの専門家が推測しています。「テロ」であると考えている専門家は私の知る限りいませんが。 ですが今回の宮崎の例については、当然のこととまで思っている人もいませんが、これまでに知られているカモ類の移動パターンから考えて「あり得ること」と考えられています。 >毎年同じように宮崎で感染が起きてしかるべき これに対する答えも、この一連のやりとりの中で既に書いていますから、もう繰り返しません。
お礼
ありがとうございました。 ずいぶん長く自分の疑問に付き合っていただき感謝します。 ただ、依然として、自分としては、今回の宮崎の鳥インフルエンザに疑問を感じています。 重ねてありがとうございました。
遅くなって申し訳ありませんでした。突発事態により、仕事がたいへん忙しくなってしまったことと、その最中にPCが壊れてしまい(オーバーヒートでマザーごとお亡くなりに・・)、結局買い換えになったのですが、買いに行くヒマもセットアップをするヒマもなく・・・ >そうすると三つの群れがみんな韓国から宮崎までまっすぐに飛んできたことになり、そして、宮崎からどこかへ飛んで言ったことにもなり、不自然だと思うのです。 さして不自然とは言えないでしょう。 カモ類の渡りは非常に広範囲に及び、ほとんど地球を半周するくらい飛ぶルートもあるそうですから、韓国→宮崎がひとっ飛びで、さらにまた南へ、というのはごく普通のルートのように思えます。 >そうなら、カモは、高病原性のAIVを持ったまま長期間方々を飛び回ることになり、先に渡ってきたカモや後から来たカモにAIVを感染させる機会がありそうですが、AIV感染のカモは見つかっていないのですよね。 現に数年前から東南アジアでHPAIの流行があり、そちらは彼の国々の社会的な事情もあって防圧することができず、ずっと流行が続いていますが、このアジア株が去年からアフリカやヨーロッパで見つかっています。 渡り鳥から直接取れたウイルスもありますが、鶏に入ってHPAIが発生してしまった事例もあります。 つまり、現在は渡り鳥によってアジアから世界中にHPAIVがばらまかれている?という状況になっています。 白鳥からHPAIVが分離されたという話は記憶がありますが(去年、ヨーロッパのどこかだったと・・)、確かにカモからHPAIVが分離されたという話は記憶にありません。弱毒のH5N1でしたら日本でも分離されていますが、強毒変異したものはまだ分離例がなかったかと思います。(世界中で凄まじい勢いで発生例や分離例が報告されているので、全て追いかけているわけではない私には聞こえていないだけかもしれませんが) ひとつは感染したカモは死なない=回復するわけで、そうすると抗体が産生されてウイルスは体内から排除されてしまいます。 ですからカモ同士で感染することにより、ウイルスは生き延びていく訳なのですが、つまり群れの中で「今現在、ウイルスを排泄している=ウイルスが分離可能な個体」の割合は僅かだということになります。カモに対しては病原性が低く、また鶏のような高い生息密度でもないですから当然のことなのですが。 まして死なないとなれば、普通に群れの中で行動しているわけで、そういう個体を捕獲してウイルスを分離する、ということは現実的には不可能でしょう。 カモ以外の鳥類に感染して致死的あるいは高い病原性を発揮すれば、その鳥は死ぬか弱るかしてヒトの目に触れることになり、検査すればウイルスが取れる、ということになるのでしょうが、カモからHPAIVを分離するのは、確率的には砂漠の中の10円玉を見つけるくらい難しいことだと思います。
お礼
ありがとうございます。 御礼が遅れすいません。 ただ、自分の方は「不自然だ」と言う主張になり、Jagar39さんの方は「不自然なことはない」と言う主張にずっとなっていて、本当のところはどうなのかと言う議論になっていないように思います。 よって、こちらから質問をしていて失礼かとも思いますが、あと一回か二回で、もう終わりにしておきたいと思います。 >さして不自然とは言えないでしょう。 >カモ類の渡りは非常に広範囲に及び、ほとんど地球を半周するくらい飛ぶルートもあるそうですから、韓国→宮崎がひとっ飛びで、さらにまた南へ、というのはごく普通のルートのように思えます。 いえ、不自然だと思います。なぜなら、「ごく普通のルート」であれば、毎年同じように宮崎で感染が起きてしかるべきだと思うからです。そして、そうはなっていませんよね。ですから、やはり、今回、福岡や大分で発生せず、宮崎で3件も続けて発生したのは、とても不自然だと思います。
説明不足でしたね。 「発生地」というのは、中国や韓国での発生農場のことです。カモも発生農場(中国や韓国での)の近くに来なければHPAIVを保有することもないわけです。 すなわち、「中国から韓国を経て日本に飛来するカモのうち、HPAIVを保有するのはごく一部」ということです。 >ただ、「ほんの少数のカモ」のはずが、なぜ、宮崎にだけ3件もの養鶏場への感染をもたらし、渡りの中継地であるはずの山口、福岡、大分などの県では感染が起きていないのか 山口、福岡、大分が必ずしも渡りの中継地とは限らない、ということです。 もちろんこれらの地域を中継地、すなわち休息地にしている群も多いはずですが、全ての群がこられの土地で休息するとは限らないでしょう。 カモが移動するときは「各駅停車」ではなくある程度の距離は一気に飛ぶでしょうから、韓国の発生農場で休息したカモの次の中継地が宮崎だった、ということだったのかもしれません。もしそうなら、福岡や大分で発生しなかったのは自然なこと、ということになります。 宮崎での発生の順序ですが、別にある特定の群が宮崎県内を移動しながら感染を拡大させたのではなく、HPAIVを保有したいくつかの群が宮崎県内に移動してきたとき、たまたまそれらの群が休息地にした近隣の農場にウイルスが感染してしまった結果なのかもしれません。 少なくとも、「宮崎県内で北から南に発生しないのは不自然だ」と考えるのは、ある1群が宮崎県内を「各駅停車」しながら移動していることになってしまい、逆に非常に不自然です。カモの行動様式がそれほど詳しく判っているわけでもありませんが、いくらなんでもそんなカモはいないでしょう。そんなことしていたら日本から出る前に春になってしまう。 また、「同じルートを取る群」はね停車駅も概ね同じであるかもしれない、という考え方も自然だと思うのですが。1回のフライト距離が群によって大きく異なる可能性は低い、と思います。 つまり、中国の発生地→韓国の発生地→宮崎というルートを取る群が、最初の停車駅(中国の発生地)でウイルスを拾い、韓国と宮崎に持ってきた、ということが可能性として考えられます。 その場合に北から順に発生しないとおかしい、というのは、ある1群によるウイルスの伝搬しか考えないからで、同じルートを取る複数の群によって運搬されたと考えれば別に不自然ではありません。 同じルートを取る、ということはそのルート上に発生地域があった以上、その「特定のルートを取る群」がHPAIVに感染しやすいわけですから。 カモの移動ルートや行動様式はそれほど詳しく判っているわけではないので、この考え方も可能性に過ぎませんが、「ある特定の地域が他の地域と比べて特にハイリスクになる」という現象は、「渡り鳥」によってウイルスが運搬されるという大前提から考えれば、むしろ自然なことに思えます。 >そういう群れの中でさえ、感染している個体とそうでない固体がいると言う意味なのでしょうか。 それは当然でしょう。元々それほど激烈に感染力が強いウイルスではありませんし、ましてカモ類はAIVをそれほど増幅しないので(AIVはカモに感染しても発症しない→ウイルスがあまり増殖しない)、群の中でも感染しているものとしていないものがある、というのは自然なことです。 鶏に感染すると速やかにほぼ100%の死をもたらすHPAIVですら、カモに実験感染させると発症はするものの死ななかった、というデータもありますし。 また、日本で発生後に野鳥調査をしてもウイルスが採れた試しがないのですが、それも私は当然だと思っています。 カモがその地域にウイルスを運んでから鶏に達するまでにはタイムラグがあるはずだと思いますから(カモが直接鶏舎に侵入して鶏に感染させるはずもないので)、「日本で発生した時」は、その元である韓国や中国で発生があった時とはタイムラグがあるわけです。 HPAIは鶏に感染すると経過も早いですから、それだけその地域としてはウイルスの総量としては「急激に増加し急激に減少する」わけです。感染した鶏が死ねばウイルスも死んでいきますから。 なのでカモが発生地でウイルスを拾ったときから比較的短い時間で、その地域でのウイルス量が減少するため、カモに感染しにくい状況になっていると思われます。特にHPAIが発生すると多数の人間が来て防疫活動をやりますから、なおさらカモはウイルスを拾いにくくなるわけです。 日本で発生したときは、その原因になったカモはもう飛び立ってしまっていない可能性が高く、後から来るカモはウイルスを保有している可能性が非常に低くなっている、のかもしれません。 そんなわけで、私の中ではこれまでの日本でのHPAIの発生状況は、その時の野鳥調査の結果なども含めて、かなり綺麗に整合性を感じているわけです。
お礼
ありがとうございました。 いろいろ疑問はありますが、あまりこの話題だけにこだわっていてもいけないと思い、あと一回だけで終わりにしたいと思います。ここまで付き合っていただきありがとうございました。 いろいろ疑問があると言うことだけ、ここに記させていただきます。 >カモが移動するときは「各駅停車」ではなくある程度の距離は一気に飛ぶでしょうから、韓国の発生農場で休息したカモの次の中継地が宮崎だった、ということだったのかもしれません。もしそうなら、福岡や大分で発生しなかったのは自然なこと、ということになります。 ですから、発生地は、結構中国国内でいくつか離れた、ばらばらの地点ですよね。そして、宮崎では3箇所で発生しているわけで、3つの群れが来たことが推認される。そうすると三つの群れがみんな韓国から宮崎までまっすぐに飛んできたことになり、そして、宮崎からどこかへ飛んで言ったことにもなり、不自然だと思うのです。 宮崎からもっと南へ飛ぶのでしょうか。沖縄ですか。台湾ですか?とてもそうとは思えないのです。 >鶏に感染すると速やかにほぼ100%の死をもたらすHPAIVですら、カモに実験感染させると発症はするものの死ななかった、というデータもありますし。 そうなら、カモは、高病原性のAIVを持ったまま長期間方々を飛び回ることになり、先に渡ってきたカモや後から来たカモにAIVを感染させる機会がありそうですが、AIV感染のカモは見つかっていないのですよね。 本当に、長い間回答していただきありがとうございました。もしよければ、これが最後ですから、ご回答ください。
・・・とうとうエシュロンまで出てきてしまいましたか・・・ ウイルス学とはもはや何の関係もない話になってしまっているので、そろそろお開きにしなければと思います。 ここのところがどうしても理解していただけないようですが、 >本来出ないはずのウィルスが出たと言うだけで、十分に力の誇示になるわけですから。 No.8でも書きましたが、ならないんですよ。 オリジナルの弱毒そのままのウイルスをばらまくということは、もしこれがテロならその組織の技術的幼稚さを示すものでしかありません。 本来出ないはずのウイルス、といってもここが肝心なところですが出所ははっきりしているわけです。単にその「経路」が不可解なだけです。その経路もわざわざテロ組織の介在を想定しなければならないほど不可解なものではありません。 話は変わりますが振り込み詐欺のことにしても、「捜査する」ことと「公開する」ことは別で、現実にかなりの件数が検挙されています。警察が何もしていない、ということはないでしょう。 またそもそも警察もマスコミがテロとみなさなければ、「脅し」にはならないわけです。テロとは質問者さんご自身が書かれたとおり、政治的な目的(あるいは宗教的な目的)を達成するための無差別攻撃ですから、テロはテロと認識されなければ意味を為しません。そのために多くのテロはわざわざ「犯行声明」までするわけです。 公にはテロと認識されないようにこっそりと特定の個人だけを脅すのは、テロではなく「嫌がらせ」です。 茨城や宮崎のインフルエンザを人為的なものと仮定するならば、テロとしてはケチであり嫌がらせとすれば大がかり過ぎています。 重ねて書きますが、今回のHPAIが宮崎だけで発生していることは(岡山でも出てますが)確かに不思議ではありますが、テロを持ち出さなければならないほど不合理ではありません。 渡り鳥は全ての個体が揃って行動しているわけではないので、そもそも九州全土が同じ量のウイルスに暴露されているはず、という前提が間違っているのです。 これまでに発生した地域では必ずカモのウイルス保有状況の調査が行われていますが、その調査でカモからウイルスが採れた試しがありません。 つまり中国と韓国という発生地を経由してきたカモの中でも、HPAIVを保有している個体はごく僅かなのです。考えてみればそれも当然で、日本を通過するカモは何十万羽もいるのですが、それらが全て発生農場に来ていたら、ほとんど天変地異のような光景になってしまいます。 つまり、ごく一部のカモが中国や韓国からウイルスを持ってきたとすれば、ある特定の地域のみにウイルスを運搬した、と考えるのが自然です。 日本には何カ所かカモが何万羽何十万羽と集まる「集合地」のような場所があるのですが、そこである程度お互いが持っているウイルスを交換しあっていることは推察できます。 ですがほとんどの「集合地」はせいぜい数百羽とか数千羽の単位です。ですから、九州全土にウイルスをばらまけるほどのウイルス量を渡り鳥が保有することは、実際かなり難しいでしょう。 ウイルスを保有した集団がたまたま宮崎で一時滞留したのだとすれば、宮崎で固まって発生していることもそれほど不自然ではありません。 もちろんこの説は確認されているわけではないのですが、少なくとも「テロ説」よりはずっと自然な話です。 我々が日常生活でごく普通に目にしているとおり、渡り鳥は休息地で大集合することはあるが、通常は数十羽単位の小さな集団で移動している、という性質を考えれば、渡り鳥の飛来コースであってもある特定のウイルスに暴露される量は、地域によって大きな差がある、と考えるべきでしょう。 なので九州全土に発生する方がよほど「テロっぽい」と私は思います。
お礼
毎回ありがとうございます。 確かに、ウィルスの話しからは逸れてしまったので、もう終わりにした方がいいですね。 > 話は変わりますが振り込み詐欺のことにしても、「捜査する」ことと「公開する」ことは別で、現実にかなりの件数が検挙されています。警察が何もしていない、ということはないでしょう。 ええ、「何もしていない」と言うことはないと思います。しかし、振り込め詐欺についての検挙率は確か5%ほどしかないと何かで読んだ覚えがあります。また、銀行では、各支店ごとに被害の発生状況を店頭に貼り出すなり、銀行独自の判断で防犯カメラの映像を店頭に貼り出すなりできるはずです。また、各県別の年度ごとの振り込め詐欺の発生状況をまとめた資料もインターネット上で公開されていないようです。これについては自分で探したのですが、見つからない。警察庁にもないし、各県警のサイトにもないのですね。その他、いろいろと疑問点はあります。 >これまでに発生した地域では必ずカモのウイルス保有状況の調査が行われていますが、その調査でカモからウイルスが採れた試しがありません。 そうなのですか。カモも含め渡り鳥のほとんどは確か群れで行動するのですよね。そうしたら、そういう群れの中でさえ、感染している個体とそうでない固体がいると言う意味なのでしょうか。そして、感染している個体よりも感染していない個体のほうが割合として多いと言う意味ですよね。どうも、自分としては、不自然な感覚を覚えてしまうのですが、どうなのでしょうか。
補足
お礼の続きです。 >つまり中国と韓国という発生地を経由してきたカモの中でも、HPAIVを保有している個体はごく僅かなのです。考えてみればそれも当然で、日本を通過するカモは何十万羽もいるのですが、それらが全て発生農場に来ていたら、ほとんど天変地異のような光景になってしまいます。 この論理おかしくありませんか。日本という広い地域に来るカモの数と発生農場の近くに来るカモの数は、もともと異なるわけですから、このことから、「中国と韓国という発生地を経由してきたカモの中でも、HPAIVを保有している個体はごく僅かなのです」とは言えないのではないでしょうか。 日本に渡ってきているカモの中で、ほんの少数のカモが感染しているはずというのは、ある意味分かります。そうでなければ、中国など、夏場に鳥がいる地域が全面的に感染した鳥だらけになってしまいますから。 ただ、「ほんの少数のカモ」のはずが、なぜ、宮崎にだけ3件もの養鶏場への感染をもたらし、渡りの中継地であるはずの山口、福岡、大分などの県では感染が起きていないのか、それが不自然と感じると言うことなのです。 宮崎の感染場所の発生の仕方も不自然です。最初に感染が確認された清武が一番南であり、北から渡って来たとしたら、一番最後に来るべき場所です。それなのに、2番目は日向と言う一番北の地域で起こり、次に、これらの中間点で起きている。しかも、中間点で起きたのは、宮崎全県に非常事態宣言が出された後ですよね。つまり、別々の群れが個別に感染を引き起こしたと言うことになってしまう。 でも、別々の群れなら、それだけ宮崎の手前の県で感染を引き起こす可能性も高くなるはずです。つまり、一つの群れの3倍になるはずで、それなのに、宮崎以外の県では発生が見られない。これが疑問です。 最後に、自分の疑問に付き合っていただき、とても感謝しています。
だんだん話がウイルスから逸れていきますが、 >生物兵器テロは、現在はまだ、最終目的が人々の生命を取ることにあるのではなく、そういう事ができるぞと威嚇して、それ以外の要求をする、その手段としてあるのだと思います。 生物兵器を開発すること自体には、さほど技術的な困難さはありません。旧ソ連が開発していたという「ワクチンが効かない天然痘ウイルス」のようなものは、それなりの技術を必要としますが、インフルエンザウイルスをばらまく程度のことでしたら、大学の小規模な研究室の予算程度の経費があればお釣りが来ます。遺伝子的な改変を伴う場合は難易度も上がるでしょうが、それでも「新型インフルエンザ」を作出するのに別に市町村予算規模ほどの経費も必要ないです。 化学兵器も然りですが、低予算で多大な人的被害をもたらすことが可能だからこそ、生物化学兵器を用いることは国際的に最大の禁忌とされるわけです。 ですから、弱毒性のAIVをばらまくことは、「示威行為」にすらなり得ません。問題は「可能か不可能か」ではなく、「やるかやらないか」だけですから。 なのでほんとに「やる」のであれば、弱毒は意味がないわけです。 暴力団がすごんでみせるのはせいぜい恐喝罪にしかなりませんが、テロの場合は弱毒だろうが強毒だろうが「殺人罪」が適用されるわけです。繰り返し書いている「リスクが同じ」というのはそういう意味です。 それと、もし仮に >そういう事ができるぞと威嚇 するのであれば、鶏の命は取るべきでしょう。鶏の命も取れないウイルスですごんでも誰も怖がらないですよ。 某国が最近核実験をしてやたら「すごんで」いますが、実は核兵器なんぞより生物兵器の方が比較にならないほど安上がりで確実なものを造ることができます。 某国がそれをしないのは、それをやっては「すごみ」では済まされないからです。生物兵器は「威嚇」の手段としては成立しません。もしやるなら常に「実効」を得ないとやる意味がありません。 宮崎の件については、質問者さんが政治的あるいは経済的に極めて重要な人物でない限り、質問者さんの行動予定に沿って発生があったのは単なる偶然でしょう。 茨城に関しては「テロ」ではなく「犯罪」である可能性は残っているとは思いますが、今回の宮崎に関してはその線も成立しづらいと思います。 中国から韓国、そして日本と同一のウイルスが感染した地域が広すぎるので、もしこれがテロまたは犯罪だと、その犯人はそうとう巨大かつ国際的な組織力が必要だと思われます。そんな巨大な組織が実際にテロ行為をするのに、こんなケチなことをするだろうか、と考えると決定的に違和感があります。
お礼
本当に毎回すいません。ありがとうございます。 あくまでも、議論をしたいわけでもなく、ましてや、Jagerさんの発言に反論するのが目的でもありません。 ただ、自分として、どうしても納得がいかないので、その疑問を書いておきたいというだけのことなのです。 >ですから、弱毒性のAIVをばらまくことは、「示威行為」にすらなり得ません。問題は「可能か不可能か」ではなく、「やるかやらないか」だけですから。 >なのでほんとに「やる」のであれば、弱毒は意味がないわけです。 ですから、脅しであれば、強毒である必要性はないと思います。本来出ないはずのウィルスが出たと言うだけで、十分に力の誇示になるわけですから。 >暴力団がすごんでみせるのはせいぜい恐喝罪にしかなりませんが、テロの場合は弱毒だろうが強毒だろうが「殺人罪」が適用されるわけです。繰り返し書いている「リスクが同じ」というのはそういう意味です。 これも違うと思います。そもそも、非常に不合理なことで、普通に考えれば犯罪行為としか思えないのに、警察が全く動かないことは多くあります。例えば、振り込め詐欺(年間300億円から250億円の被害があります)は、現金を引きおろしに来た犯人の映像が銀行やコンビニの防犯カメラにあるはずですが、全国的に、一切公開されていません。つまり、「殺人罪」の適用があろうがなかろうが、マスコミや警察がテロと見なさなければ、リスク自体が生じない、つまり、安全に、脅しがかけれる、そういう状態であるわけです。 丸で、日本は、どこかの植民地ですよ。
補足
お礼からの続きです。 >宮崎の件については、質問者さんが政治的あるいは経済的に極めて重要な人物でない限り、質問者さんの行動予定に沿って発生があったのは単なる偶然でしょう。 僕は行政のある不正を告発しています。その広がりは全国的で、かなりな影響があるはずです。僕個人が重要と言うより、僕の告発の内容が非常に重要であると思っています。 >中国から韓国、そして日本と同一のウイルスが感染した地域が広すぎるので、もしこれがテロまたは犯罪だと、その犯人はそうとう巨大かつ国際的な組織力が必要だと思われます。そんな巨大な組織が実際にテロ行為をするのに、こんなケチなことをするだろうか、と考えると決定的に違和感があります。 エシュロンをはじめとして、非常に大きな組織(一種の犯罪組織という意味で)は、かなりあるのではないでしょうか。そして、今回のことは、決して、「ケチなこと」ではなく、脅しとして意味のあったものだと考えざるを得ないと思います。 その根拠は、やはり、宮崎で3件も発生し、山口、福岡、などで発生していないと言う点です。 重ねてありがとうございました。
毎度Jaga39です。だいぶ疑問点が絞られてきたようですね。 1.テロとして弱毒株を使用する"威嚇"効果について 私が先から述べているのは、威嚇と本番に係る経費や労力、それとリスクが同じであるならば、わざわざ「威嚇に留める」必然性がない、ということです。 飛行機中に武器を持ち込んで「いざという時はハイジャックできるぞ」と言う"威嚇"に意味があるでしょうか。機内に武器を持ち込めるのなら、さっさとハイジャックすれば済む話です。 弱毒株も強毒株も、培養維持したり日本に持ち込んだりするための経費要求される技術的な難易度は変わりません。ついでに"足がつく"リスクも同じです。グアテマラ株なんて変わった株を使えばなおさらです。 そこまでして弱毒を使う必然性はゼロだと思います。 テロ説に比べれば、現在有力視されている「未認可ワクチン説」の方がまだしもマシです。こちらも不合理な点が多いですが、少なくともテロ説よりは。 ワクチンを製造しようとするとき、強毒株で造るバカはいませんから、H5亜型の中で弱毒のウイルス株を種ウイルスに選択します。 この場合、「なぜにグアテマラ株?」という気はしますが(H5亜型の弱毒株なんて世界中のラボで保存されているでしょう)、H5N2の弱毒株ということで、少なくともそこに非合理性はありません。製造された国が彼の国かその近隣国であれば、合理性ももう少しプラスできます。 この「ワクチン説」のネックは、「ウイルスが感染性を持っていた」ことです。 AIVのワクチンを「生ワクチン」で造ることはあり得ないことです。インフルエンザというウイルスの性質を理解していれば、間違っても生ワクチンを製造することはないと思うのですが、茨城ではウイルスは感染性を持っており、水平感染しました。 これは、「不活化処理が不完全だった」と推理するしかないのですが。 もうひとつは、国内に持ち込まれた経路や犯人がまったくわかっていない、というのが不思議ですね。 2の渡り鳥のルートについては、私としてはNo.6で十分答えていると思っていますが、全てのカモが同じルートで飛来しているわけではなく、また全てのカモがHPAIVに感染しているわけでもないでしょう。 ですから、日本では一部の地域でのみ発生するというのは、私にはむしろ自然なことに思えます。もしこれが福岡、大分、熊本あたりでも一斉に発生していたら、これは却ってテロの疑いが強くなると思うのですが。 宮崎の事例は、3例も発生したのに被害は最小限でした。茨城を除く日本におけるこれまでのHPAI発生例は、京都で通報忌避による続発があった以外は全て「初発」での防圧に成功しているので、あまりぴんとこないと思いますが、これだけ手際よく防圧に成功するというのは、実は世界的に見るとあまり例がないことです。 つまり、テロとして考えると、ぜんぜん成功していないんですよ。 なぜ第4弾、第5弾を仕掛けないんでしょうか、テロ組織は? それにそもそも宮崎県に限定する理由がそれこそありません。多数の県で同時に発生させた方が遙かに効果的です。宮崎県でも、こんなに間を置く必然性はどこにもなく、同時に3カ所で発生させればそちらの方が効果的です。 また、なぜ韓国でも同時にテロ活動する理由があるのかも判りません。 韓国での発生と日本での発生が別物と考えると、今度は株が遺伝的に同じである理由が判らない。 3との関連ですが、自然発生例とテロ候補例で、ウイルスが遺伝的に同じ、というのはテロ説の致命的な弱点です。遺伝的に同じ、ということは「由来が同じ」ということを強力に示唆しているわけですから。 よってテロ説なら、一連の発生(韓国も含めて)を全てテロ、と考えないと辻褄が合わなくなります。 3年前の事例もテロと考えるなら、韓国から山口、大分、京都の一連の発生を全てテロ、と考えないと辻褄が合いません。 そう考えると不自然な事例が出てくる、ということは、テロ説そのものが不自然だということでしょう。
お礼
ありがとうございます。本当に、毎回答えていただき、恐縮です。 >私が先から述べているのは、威嚇と本番に係る経費や労力、それとリスクが同じであるならば、わざわざ「威嚇に留める」必然性がない、ということです。 >飛行機中に武器を持ち込んで「いざという時はハイジャックできるぞ」と言う"威嚇"に意味があるでしょうか。機内に武器を持ち込めるのなら、さっさとハイジャックすれば済む話です。 ちょっと誤解があるようです。自分がテロと言っていたのは、テロが最終目的であるという意味ではありません。一般に、テロは政治的な意味があり、政治的な狙いがあって、その目的のためにテロが起こされるのです。 金銭目的の強盗が、窓だけ壊して引き上げるとゆうような威嚇だけやる意味は当然ないでしょう。それこそ不合理です。 生物兵器テロは、現在はまだ、最終目的が人々の生命を取ることにあるのではなく、そういう事ができるぞと威嚇して、それ以外の要求をする、その手段としてあるのだと思います。 暴力団が用心棒代を巻き上げるのにちょっとすごんでみたり、または、政治家が敵対する政治家に対して、その弱みを軽く普段の会話で示してみたり、そういったことではないでしょうか。 今回の宮崎のテロに自分がこだわるのは、自分が、宮崎の清武に行った、そのほぼ直後に事件が起こり、日向市については、自分が行く予定だとしていた場所で、行くと言っていた日のやはりほぼ直後に事件が起きたからです。結局日向には行かなかったのですが、丸で、自分の行動をなぞろうとするように、鳥インフルエンザが起こったと言う印象を持ったからです。そして、その直後、あの副知事問題が起こる。読売新聞社のナベツネを訪ねた直後、あの副知事問題が表面化し、そして、今日は、同じく読売系の記者の問題が表面化する。 どうも、いろいろな経過がおかしいと言う印象を受けるのです。 どう思われますか。
乗りかかった船なので、とことんお付き合いします。 >自分たちは生物テロが出来るぞというレベルの脅しであれば、弱毒性で十分ということかと感じます。 「脅し」にわざわざ弱毒あるいは無毒のウイルスを使うというのは、例えるならハイジャックしておいて「自分達はハイジャックができるぞ」と脅しておいて、その後にわざわざ飛行機を返すようなものです。 テロ行為は、実行に多大な労力と経費、それにリスクを伴うものですから、基本的に「単なる脅し」が目的のテロ行為ってあり得ないでしょう。 茨城でのことも、強毒株弱毒株どちらを使うにしても、かかる経費や労力、それにリスクはまったくといっていいほど変わりません。 それならなぜにわざわざ弱毒?それに素性がすぐ割れるグアテマラ株を使う?と不合理な点が多いです。 それにほぼグアテマラ株そのまま、ということは、もしテロならそのグループの施設及び技術の稚拙さを物語っていて、「ただの脅し」としてすらも、あまり効果的な手法とは思えません。 >渡り鳥の渡りの経路などと関係なく起きているのではないかというものなのです。 No.5でも書きましたが、ちゃんと関係しています。 シベリアからのカモ類の渡りルート(日本を通るもの)は、シベリアからオホーツク海を渡って北海道から南下していくルートと、中国を経て韓国、西日本を通過するルートがあると言われています。このあたりは私も専門ではないので受け売り&うろ覚えですが。 中国ルートの方は、日本を通るのは近畿以西ということで、韓国で12月に発生→12月末から2月頃までに西日本で発生、という3年前と今回の発生場所と時期は、渡り鳥のルートには綺麗に符合しているように見えます。 大分や福岡で発生していない理由は(3年前は大分でも発生しましたが)、そもそも中国から来るカモもAIVを持っている確率は低い、ということでしょう。 中国でも全てのカモが発症した鶏と接触したわけでもないでしょうし、韓国でもそうです。 また、全てのカモが同じルートを飛んでいくわけでもありません。 なので今回は、たまたま宮崎と岡山に飛んできたカモの群がHPAIVを持っていた、ということなのでしょう。 他の地域にもHPAIVを持ってきたカモはいたかもしれませんが、たまたま休息地で他の野鳥との接触が少なく、野鳥に感染するに至らなかったとか、近くに養鶏場がなかったとか、条件が揃わなかったのかもしれません。 3年前も12月に韓国、1月(実は12月末)に山口、その後大分と京都、と状況は今回と非常によく似ています。またその時はウイルスも遺伝的に"ほぼ同じ"ものでした。 今回は韓国株の配列がまだ判っていませんが、おそらくまた韓国株と宮崎・岡山株は同一のものだろうと予想できます。 もしこれがテロである場合、なぜわざわざ韓国と日本に同時に仕掛けなくてはならないのでしょう。韓国の方は現在でも続発が続いていますから、韓国と日本で同時にそれぞれ少なくとも2~3部隊が活動していることになります。ショッカー並みに大きな組織ですね・・・ また、今回のをテロを疑うとなると、ほとんど状況的に同じだった3年前のもテロを疑わねばならなくなります。 3年前の大分の発生は、ペットで鶏を20羽足らず飼っている人の家だったのですが、そんなところにテロを仕掛ける意味は? 3年前は浅田養鶏の「隠蔽」によって続発が発生してしまった事例以外は続発がなく、「単発が3例」続いたような形でした。つまり日本では監視体制が有効に機能していて、HPAIが発生しても被害は最低限に留めることができる、ということを証明した形になりました。 とすれば、3年後の今回、ほとんど同じ形で再度テロを仕掛けたことは、「あまり頭が良くない組織」なのでしょうか。 現に4例それぞれ極めて初期段階で発見し、最短で移動制限も解除できているので、テロとしての効果は3年前より明らかにガタ落ちです。 というわけで、渡り鳥説は自然に受け入れられるのに対し、テロ説は非常に不自然に見える、ということです。
お礼
>乗りかかった船なので、とことんお付き合いします。 本当にありがとうございます。夜遅く答えていただき、感激です。 茨城のグアテマラ株のことですが、 1.強毒性のものでなくても、鳥インフルエンザを不自然な形で感染させることが出来るぞと示すことで、威嚇というか脅しの効果は十分にあるのではないでしょうか。 ロシアの元諜報部員がポロニウムで殺されたのは、もろに強力な放射性物質が使われましたが、あの場合は、ここまでやるんだよという強いメッセージを出したかったのではないでしょうか。多分対象は、ロシア国内の諜報部員たちを含めた反プーチン派でしょう。 それに対し、日本は、反体制の動きはあまり表面化しない段階で抑え込まれていますから、軽い脅しで十分という判断だったのではないでしょうか。 ともかく、グアテマラ株がなぜ日本で見つかったかという説明がつかないという点が問題だと思います。これがテロという仮説を消すことが出来ない理由です。 2.渡り鳥のルートについてです。 渡り鳥の渡りの距離やスピードについて以前調べようとしたのですがうまい資料が見つかりませんでした。ですから、自分の推測でしかないのですが、少なくとも、宮崎まで中国からわたってくるとき、韓国に寄るなら、同じように山口県や福岡県、大分県による事もあってしかるべきだと思うのです。ところが、今回、山口、福岡、大分では発生が見られず、宮崎で3件も起きている。しかもその3件は宮崎県内でもかなり離れた地域です。もし、渡り鳥だとしたら、別々の群れが宮崎県に渡ってそれぞれが感染を起こしたと見るしかない。ここが不自然と感じる点です。つまり、3つの群れが宮崎で感染を起こしているのに、中国からのルートの途中である山口、福岡、大分での感染がないのがあまりに不自然だと思うのです。
補足
お礼からの続きです。 3.日本国内で起きた大分や浅田農場での件について 確かにテロと見るには不自然な起こり方をしているものもあると思います。しかし、全てがテロだといっているわけではありません。自然に起こる事、つまり、渡り鳥などが原因になって起こる事もあると思います。単発事例は、それで説明がつかなくもないと感じます。 ともかく、何度も答えていただき感謝しています。 自分は、単に、自分で考えて納得がいかないことがあるので、これを書いているだけです。Jagar39さまに議論を申し出たいわけではありません。 重ねて回答していただき感謝を申し上げます。
>結構テレビのニュースなど注意してみていたのですが、分かりませんでした。 テレビではなく新聞での報道だったと記憶しています。今ちょっと探してみたのですが、あまりにも記事の数が膨大で探し切れませんでした。1月末か2月初旬頃の報道だったと思うのですが・・・ 農水省のプレスリリースもけっこう貴重な情報源です。大半は行政措置の進捗状況だったりするので、そういった意味では退屈なのですが、感染経路研究チームの検討会の概要なども掲載されています。一応、素人にもなんとか理解できる表現で書かれています。 過去のインフルエンザに関する検討会概要も全て掲載されているので、一通り目を通せば頭の整理になると思います。 >「これはテロだ」 まあ、そういうことを言った人がいることは承知していますが、私には茨城のHPAI(LPtype)がテロだとはどうも思えません。 最も根本的な疑問は、「なぜ弱毒ウイルスをテロに使うのか?」という点です。このウイルスは鶏に接種しても死なないどころか症状すら起こさなかった弱毒(というより"無毒"に近い)ウイルスでした。これを「テロ」として使っても、そもそも発見すらされない可能性があります。 テロとしてAIVをばらまくのなら、強毒ウイルスを連続的にばらまいていく方が遙かに効果的でしょう。 弱毒ウイルスでテロ、というのは地球征服を謳いながら学校帰りの子供を誘拐するショッカー、のような滑稽さを感じます。 ちなみに茨城株が近縁なのはパラグアイではなくグアテマラです。 今回の宮崎~岡山のHPAIですが、専門家でテロと考えている人は誰もいません。(少なくとも表明していない) 渡り鳥ルートについては、朝鮮半島、すなわち韓国では昨年12月からHPAIが発生しています。 実は3年前の山口・大分・京都での発生時も、1ヶ月ほど先立つ前年 12月に韓国で発生があり、最終的に韓国株と山口・大分・京都株は遺伝的にほぼ同一、ということが解明されています。 今回も12月中にまず韓国で発生があり、1ヶ月前後遅れて西日本で発生する、という点で3年前と状況は酷似しています。今回は昨年12月の韓国株と同一か、というところまではまだ判っていないのですが(韓国株の遺伝子配列がまだ判っていないため)、日本で出た4株については、遺伝子的に近縁であるとされています。 渡り鳥が空中を飛んでいる最中に落とす糞が鶏に感染して・・といういわば「糞爆弾」のようなことを想像されているようですが、それはあまりにも可能性としては低いと思います。街を歩いていると隕石に当たるのと同じくらいの確率ではないでしょうか。 1)湖沼などの休息地で渡り鳥が休む →2)そこで留鳥である野鳥と接触して野鳥が感染 →3)その野鳥が鶏舎に接近して鶏が感染 という経路が想像されるところです。なかなか証明ができていないのですが。また、2と3の間には、さらにもう数種の野鳥が関与するのかもしれませんし、3でも野鳥からネズミやハエが介在している可能性も指摘されている、というわけです。 すると中国や韓国でウイルスを拾った渡り鳥が飛んでいく最中、「どこで休むか」がまず重要になってきます。 また、その休息地で他の野鳥とどの程度濃厚に接触するか、その休息地から鶏舎はどのくらい離れていて、それは野鳥の行動圏内に入っているのか、など多くのファクターが関与してきます。 http://www.vetmed.hokudai.ac.jp/organization/microbiol/index.html 上記は北大獣医学部微生物学研究室のサイトですが、ここに絵で「ワクチン候補株の管理と供給」と称してH1-15、N1-9の組み合わせのうち、何種類を同教室が持っているか図示されています。 ここで同教室が所有している株の大半は国内の野鳥(カモの糞)から分離されたものです。かなり昔からこつこつと株のコレクションをしている研究室です。 つまり「野鳥がインフルエンザウイルスを持って日本を通過していく」ということ自体は、別にここ数年の間に始まったことではなく、大昔から延々と続いてきたことなのです。 それがこの数年で急に立て続けに日本でHPAIの発生があったのは、今までとは何か条件が異なっているからで、その異なっている条件のひとつとして有力なのが「韓国での発生」でしょう。 ちなみにこの北大微生物教室のサイトですが、インフルエンザについては基礎的なことの図が多く掲載されており、たいへん判りやすくて勉強になるページです。内容も、インフルエンザでは日本のリファレンスラボですので信用できるでしょう。
補足
ありがとうございます。何度も自分の勝手な質問に答えていただき、とても感謝しています。 >最も根本的な疑問は、「なぜ弱毒ウイルスをテロに使うのか?」という点です。このウイルスは鶏に接種しても死なないどころか症状すら起こさなかった弱毒(というより"無毒"に近い)ウイルスでした。これを「テロ」として使っても、そもそも発見すらされない可能性があります。 これは、脅す対象によるのではないでしょうか。または、手段によるというか。自分たちは生物テロが出来るぞというレベルの脅しであれば、弱毒性で十分ということかと感じます。一番の疑問は、なぜ、グアテマラの菌が日本で発見されたかです。 >ちなみに茨城株が近縁なのはパラグアイではなくグアテマラです。 そうでした。すいません。自分の勘違いでした。 >すると中国や韓国でウイルスを拾った渡り鳥が飛んでいく最中、「どこで休むか」がまず重要になってきます。 >また、その休息地で他の野鳥とどの程度濃厚に接触するか、その休息地から鶏舎はどのくらい離れていて、それは野鳥の行動圏内に入っているのか、など多くのファクターが関与してきます。 >つまり「野鳥がインフルエンザウイルスを持って日本を通過していく」ということ自体は、別にここ数年の間に始まったことではなく、大昔から延々と続いてきたことなのです。 >それがこの数年で急に立て続けに日本でHPAIの発生があったのは、今までとは何か条件が異なっているからで、その異なっている条件のひとつとして有力なのが「韓国での発生」でしょう。 ありがとうございます。ご紹介いただいた北大のサイト、これからじっくりと読みたいと思います。ただ、自分の疑問は、日本でのHPAIの発生が、多分ですが、渡り鳥の渡りの経路などと関係なく起きているのではないかというものなのです。宮崎に続けて3例も起き、それで居て、韓国に近い福岡、大分などでは起きていない。ここが疑問なのです。
出張のため回答が遅くなりました。 1.消化液で、消化されるはず。 ウイルスも簡単に消化されると生存できないので、なかなか消化されないような構造の外殻をまとっています。 胃の内部は胃酸によって強酸性の環境になっていますが、酸性に耐性があるウイルスも多数存在します。ノロやロタなどの下痢を起こすウイルスは、胃を通過しないと腸管に到達できませんから・・・ AIVはそれほど酸には強くないのですが、ヒトでもたまに腸管にいくこともあります。 2.生態の防御機構として、消化管内では多くの細菌やウィルスは死滅するはず。 腸管内というのは細菌がいなくては困る場所です。細菌やウイルスも"悪さ"をするのはごく一部で、ほとんどは無害ですし中には体内である役割を果たしている微生物もいるわけです。それらを殺してしまっては生体にとっても困ることになりますよね。 免疫システムは別に「これは細菌」とか「これは悪さをするウイルス」という認識をしているわけではなく、単に自らの生体由来の物質であるかどうか(異物であるかどうか)の認識がまず基本なのです。 腸管や気道というのは、生体にとっては「外界」ですから、そこから来る「異物」を全て攻撃してしまうと、極端な話食物の栄養分も全て攻撃してしまいます。 というわけで、腸管や気道における「粘膜免疫」は、複雑怪奇なシステムになっていて、とても人類が一朝一夕に理解ができる代物ではありません。 >鳥の腸管内では増殖することもあると言うことですね 「することもある」のではなく、必ず増殖します。元々鳥の腸管内はインフルエンザウイルスの「増殖部位」です。 ハエを食べた(またはハエが接触したエサを食べた)鶏の体内でのウイルスの移動は、素直に消化管を通って腸管に到達、です。気道に入ったウイルスはもちろんそこでも増殖しますし、腸管に到達したウイルスもそこで増殖します。 そして増殖したウイルスは、気道からは咳や鼻汁で、腸管からは糞で排泄され、新たな感染源となります。 No.3で書いた、「ハエの体内でウイルスが保存されるか」ですが、もう一度よくよく考えてみると、これまでの発生状況から考える限り、その可能性は薄そうですね。 宮崎での最初の発生例では、複数ある鶏舎の1つだけに限定して発生しました。ハエがウイルスを伝搬してなおかつハエの体内でウイルスが保存されるのなら、全鶏舎で発生してもおかしくないはずです。 一昨年の茨城での発生例でも、同じような事例が多々ありました。 また、新富町の発生例での話だったと思いますが、鶏舎の窓際だけに集中して発症していた、という話も報道されました。 これもハエの体内でウイルスが保存されるのなら、鶏舎の奥の方でも感染して発症する鶏が出てきたはずです。 というわけで、ハエの運搬経路はやはり、「ハエの足などに付着したウイルスが鶏舎内に持ち込まれる」という推察で良いのでは、と思います。
お礼
ありがとうございます。 度重なる自分のどうしようもない質問に丁寧に答えていただき、とても感謝しています。 確かに、胃酸に強い細菌(乳酸菌)とか結構聞くことがあります。 粘膜免疫という言葉は知りませんでした。 感染について、自分の疑問はちょっと変でしたね。すいませんでした。 >新富町の発生例での話だったと思いますが、鶏舎の窓際だけに集中して発症していた、という話も報道されました。 これも知りませんでした。結構テレビのニュースなど注意してみていたのですが、分かりませんでした。 今回、宮崎県での発生したものは、中国での発生が見られたウイルスタイプと同じだと言われていますが、2,3年前に茨城県の養鶏場で発生した件では、パラグアイのものと同じという結果が出たということです。そのことで、その養鶏場の人が「これはテロだ」と言われたということですが、自分は、宮崎の件もテロの可能性が強いように感じます。なぜなら、渡り鳥の糞が原因で感染するなら、中国と宮崎の中間地点、つまり、中国の九州側をはじめとして、朝鮮半島や、山口県、福岡県、佐賀県、大分県、鹿児島県など数多く、糞が落ちる場所があるはずです。 これについては、どう思われますか。
No.2のJagar39です。 No.2を書いてからしばらく考えて、「待てよ・・」と思ったところがあるので補足訂正しておきます。 問題は、2.の「ハエの消化管の中で生存できるのか」という部分です。 私はNo.2で「できない」と書きました。ハエには感染できないのは間違いありません。 ただ、よく考えれば「ハエの体内で感染能を保ったままある程度の時間保存される」という可能性はあるかもしれません。 質問者さんが「消化管の中では即座に死滅するはず」と考えておられるのは、おそらくタンパク質分解酵素などの存在によると思うのですが、インフルエンザウイルスにとってタンパク質分解酵素は、むろん濃度にもよりますがむしろ「感染に必須の酵素」です。(タンパク質分解酵素なら何でも良い、というわけではありませんが) なのでハエの体内で速やかに死滅する、という保証は考えてみたらありませんね。もちろん増殖はしません。増殖するためには感染しなければならず、インフルエンザウイルスはハエに感染することはできません。 ただ、緩衝液に浸かったような状態で保存される、という可能性はないわけではないと思います。 ハエの身体に付着したウイルスが・・というNo.2のシナリオはそれはそれで成立しますが、仮にハエの体内で比較的長時間感染能を保つことができるとすれば、「野鳥の糞と鶏舎の距離」はかなり長くてもウイルスの伝搬が可能、ということになってしまいます。 ハエの身体に付着したウイルスは、いわば「乾燥状態」になりますので、糞の中に存在しているときより遙かに速く死滅していきます。 なので「野鳥の糞と鶏舎の距離」は相当短くないと(個人的には数mくらいに考えていました)ハエによるウイルスの伝搬は成立しないのですが、もしハエの体内で長時間生きる、ということになると・・・ もっとも、この場合は「ハエは鶏に食べられる」ことが必要です。 でも、元々鶏はハエなどの虫は"大好き"ですから、鶏のエサにたかったハエが鶏に食われることは日常的にありそうです。 イエバエやヒメイエバエの行動範囲は数百mはあります。休憩場所があれば1km以上飛んでいくことも知られています。 つまりハエの体内で保存されるとしたら、この範囲は警戒区域となるわけで、そうなると事実上、鳥インフルエンザの侵入防止は限りなく不可能に近い、ということになってしまいますね。 過去にハエがどのような場合にインフルエンザウイルスの伝搬が可能か、ということを調べた文献はありません。実験してみないことには判らないでしょうね。 ハエの体内では生存できず、虫体に付着したウイルスで媒介、ということであれば、鶏舎の周囲を重点的に消毒するなどの対策で防御できると思うのですが、ハエの体内で生存可能、ということになれば半径数百mは消毒しなければ、という話になってしまい、そんなことは不可能ですのでたいへんシビアな話になってしまいますね・・・
お礼
非常に丁寧に説明していただき、大変ありがとうございます。 ハエの消化管内でAIVが生存できないと感じた理由は、幾つかあります。 1.消化液で、消化されるはず。(たんぱく質分解酵素の存在自体は意識していませんでした) 2.生態の防御機構として、消化管内では多くの細菌やウィルスは死滅するはず。 と思っていました。 ハエや鳥の消化管内で、AIVは、特に死滅することもなく生き抜き、鳥の腸管内では増殖することもあると言うことですね。 鳥がAIVを吸い込む→のどに感染→のどに感染したAIVが腸管へリンパ管などを通って移動→鳥の腸管で増殖 ということでしょうか。それとも 鳥がAIVを持ったハエを食べる→鳥の腸管でAIVが増殖→鳥がAIVに感染 それとも、 鳥がAIVを持ったハエを食べる→鳥の腸管内でAIVが増殖→鳥がAIVを含んだ糞をする→鳥がその糞についたAIVを吸い込む→鳥がAIVに感染 ということでしょうか。 何度もすいません。
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お礼
ありがとうございます。 渡り鳥の腸管内で鳥インフルエンザのウイルスが増殖可能だと言うのは知りませんでした。 全くの素人考えなのですが、人間の胃に胃酸があり、ある程度の殺菌作用があるように、鳥の胃にも胃酸のような殺菌作用のあるものがあるのではないでしょうか。もっとも、胃酸によりウィルスが死滅するかどうかも、はっきりは知らないのですが。