見かけの活性化エネルギーは確かに負になりえます。見かけの活性化エネルギーとは反応速度あるいは反応速度定数を1/Tに対してプロットしたものです。
反応に発熱の予備平衡(律速段階まえの平衡)があり、かつその発熱量が大きい時にそうした事象が出現します。
定性的に説明しますと、たとえば不均一触媒反応で、原料の吸着平衡(吸着反応は発熱になります。)があり、その吸着している物質が続いて反応するステップが律速とします。
A+*⇔A*(吸着平衡)
A*→B(反応律速)
反応温度を上げると、ルシャトリエの平衡移動の法則により前段の予備平衡は←の方へ移動し、吸着量(A*)が下がります。その下がる程度は吸着熱が大きいほど大きいのですが、その時には、次のステップへの原料(A*)がすくなくなるので、反応速度(それはV=k[A*]で測られますが)は温度が上がってkが大きくなっても下がりえます。(当然こうした事象は予備平衡であれば、吸着平衡以外のものでも起こりえます。)