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ウイルスとは
前出の「ウイルスとは何でしょうか?」を拝見させていただきました。 その上で質問させていただきます。前出の方とは別人で、また質問内容には関連性はありません。 現在のマスメディアではウイルスがまるで生物のように扱われ報道されていることに不満を感じることもしばしばですが、 私が高校生物で習った生物では(うろ覚えです)、 「ウイルスは生物とも無生物ともつかない。生物ではないという方に力が入っていた。」と理解していました。 「ウイルスは生物が持つ3つの条件のうち、2つは満たすが1つは満たさない。自己複製機能、恒常性は持つが異化・同化の同化ができない。故にウイルスは生物ではない。」 と習ったような気がしますが、何分勉強から遠ざかっておりまして、あやふやなうろ覚えです。 是非、現在の正しい生物学でウイルスが生物か無生物か教えてください。また、上述の間違いを訂正していただけると幸いです。
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「恒常性」とは、環境の変化などに対して生体の状態を一定に保とうとする機能のことです。例えば寒いときに身体が震えて体温を保とうとしたり、水分を摂りすぎたときに尿を多量に排泄したりする働きのことを指します。 これらの機能性には「代謝」が前提です。また環境や体内の条件が変化したことをどこかに伝える伝達系もなければなりません。 ウイルスは単独ではそもそもエネルギーを産生せず、また消費もしないものですので、代謝をしない物体です。そういう意味で「ウイルスは生物か」という議論が成立するわけです。 >恒常性に関しては、エイズウイルスなどは自己を積極的に変化させる性質をもつので、部分的に正確でありません。 ですのでNo.6さんのこの回答は、「部分的に」ではなく全面的に「ウイルスは恒常性を持たない」が正しいのです。 エイズウイルス(別にエイズウイルスに限りませんが)が自分を変化させるのは遺伝子の変異によるもので、これはウイルスにとっては「代替わり」ですから、いわばキリンの首が長くなったりヒトが2本足で立ったりといったことと同次元の話です。 ですからこれは「進化」の話であって恒常性とは何の関係もない話です。 そもそも恒常性とは体内外の条件変化に対して自らを「変化」させることによって、条件を一定に保とうとする動きです。 ウイルスは外界で何があっても「変化」はせず、ただそこに存在するだけです。存在できない条件になったら不活化するだけです。 No.5でも述べたのですが、そもそも恒常性を生物の要件とするのは疑問がありますね。細菌に恒常性があるのかなぁ?細菌が生物であることに疑いを持つ人はいないと思うのですが。 恒常性、代謝、自己複製能の有無を生物の定義とするのも、細胞を生物の最小構成単位とするのも、どちらかというとかなり古いクラシックな考え方だとは思いますね。 細胞といえば、細菌は明らかに生物ですが、では培養細胞の1個1個をそれぞれ「生物」だと認識するかと言えば、してないですものね。生物の一部ではあるけれど、それ自身が生物だと認識して扱っている実験者はいないと思います。 本質的には細菌と培養細胞、同じものなのですが。 そういうわけで、培養細胞とかウイルスなどを扱っていると、別に全ての生物を知っているわけでもない誰かが勝手に「生物の定義」なるものを考えつき、それに適合しているかどうかで「これは生物だ」とか「生物ではない」などと議論すること自体が馬鹿馬鹿しい、とは思います。 DNAが遺伝子の正体であることが判ってまだ50年ちょっとしか経っていません。 20年前、私が高校で習った「遺伝」の授業は、メンデルの法則などのごく基本的なことを除いてもうずいぶん「嘘」になってしまいました。 それどころか大学の時に使っていた「分子生物学」の教科書を読んでも、あまりの「嘘」の多さに愕然とします。 おそらく現在の教科書や知見も、どんどん修正されていって20年後くらいに読むと「嘘だらけ」になるのでしょう。 なので定義はやっぱりどうでもいいかな。 細かい話はどうであれ、その「ふるまい」はまさに生物そのものなので、一般的に素人さんに説明するときは「生物」として話した方が判りやすいのですがね。
- ga111
- ベストアンサー率26% (247/916)
シンプルな回答をお求めのようですので: ウイルスは非生物と生物の中間の性質をもつものです。 これだけです。それ以上の単純化は避けたほうが良いと思われます。なぜなら、人間の限界のある常識に、外界の多様性を逆に無理に当てはめようとしていることになるからです。質問からするとウイルスの特徴は質問者の方はかなり理解できていると思います。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9 >ウイルスは細胞を構成単位としないが、他の生物の細胞を利用して増殖できるという、非生物と生物の特徴を併せ持つ。 恒常性に関しては、エイズウイルスなどは自己を積極的に変化させる性質をもつので、部分的に正確でありません。
お礼
ありがとうございます。 中間の性質ということで頭の中に書き換えておきたいと思います。 あとは、私の間違った定義・条件を現代の生物学で書き換えたいと思います。
前出の「ウイルスとは?」が http://okwave.jp/qa2664023.html でしたら、そこに長文回答を書いたJaga39です。 実際、No.2の方が書かれているとおり、ウイルスを専門にやっている者にとっては「ウイルスが生物であるか否か」はどうでも良い問題ではあります。生物であろうとなかろうと、鳥インフルエンザが脅威であることには何も変わりはありませんから。 ちなみに質問者さんが挙げられた生物の定義は、私は記憶にありません。自己複製機能はともかく、恒常性とはどのレベルの話をさすのか不明ですし、異化・同化も厳密には疑問に思います。 恒常性については、細菌等の単細胞生物も基本的にその機能を有するとは言えないのでは。 また、生物の体内で起きている異化・同化現象は、基本的に全て実験室で再現できる化学反応ですから、それをもって生物の定義とするのも疑問を感じます。 ま、それが生物の定義だとすれば、確かにウイルスは自己複製機能以外の機能は有していませんから、「生物ではない」ということにはなりますが。 ちなみにNo.3さんへですがウイルスは自己複製機能を持っています。 ただ、自己複製には他の生物の機能に依存するだけです。 また質問者さんにですが、恒常性はウイルスは持ちません。異化・同化すなわち代謝機能はもちろん持っていません。 ま、そもそも代謝機能を持っていないものが恒常性を持てるはずがないわけで。 私は生物というものを、「核酸の特定の塩基配列を保存し、環境に適合するように変化しながら複製していく存在」と捉えていますので、こういう捉え方だとウイルスは紛れもなく生物だと考えています。 まあ、3つの塩基で1つのアミノ酸を指定するという暗号のコードはヒトもウイルスもほぼ同じですので、つまりヒトもウイルスも同じプログラミング言語で書かれている、ということです。 なのでウイルスは生物だ、と思った方がすっきりするかな、とも思いますし。 そもそもどこかの学会で「ウイルスは生物か否か」などという議論がされているという話自体、聞いたことがありません。まあウイルス学者はほぼ全員、ウイルスは生物だと思っているでしょうけど。でもそんな議論を誰かにふっかけたところで、学問的には意味がありませんし。 ウイルスはウイルスで十分ですし、そのウイルスは生物であろうがなかろうが、「生物学」の知識とテクニックを総動員させなければ理解できない対象であることにも変わりがありません。
お礼
ありがとうございます。 随分と記憶違いをしていたようですね。 高校生物の参考書を見直して洗い直ししなとダメなようです。
- sak_sak
- ベストアンサー率20% (112/548)
ウイルスを研究している人が生物学会で注目されたいと思うなら、その人は「ウイルスは生物である」と主張するでしょう。 そういう人をけむたく思う人は「ウイルスは生物でない」と主張するでしょう。 生物学者達がどう言うかというのは、実は正しくない判断かもしれません。
お礼
ありがとうございます。 学者さんはさておき、マスメディアの扱い方が適切でないと、一般人が誤解すると思うのですよね。私も含め。
- jinny6202
- ベストアンサー率12% (80/663)
定義上無生物である、というのはまぁある程度コンセンサスと思って良い気がします。でもそれはあくまで専門家の間で必要な知識では無いでしょうか? 私は医学を学んでいて、今月ウイルスの期末テストがありますが、概念的にはどう考えてもこれらは”粒子”といわれるより”生物”であると言われたほうがしっくりします。生存に適したものが淘汰されたり、感染の拡大などは寄生虫(生物)などとそっくりです。 もし鳥インフルエンザなどを毒ガスか何かのように報道したら「なんで変化するの?」「なんで沈静化したり再興したりするの?」と、違和感を覚えてしまうと思います。質問者さんのようにウイルスに対する正確なイメージがあれば分かるでしょうが、皆がそうでは無いですし。 ちなみに、ウイルスが持っていないのは「自己複製能」です。同化能などはちょっと論点が変わってきますが、生物に必須とは言えないかも…。
お礼
自己複製能でしたか。 私の記憶はあてになりませんね。
- vrtemjin
- ベストアンサー率39% (28/71)
ウイルスは専門ではないのですが、大学で生物学を学んでいるものです。 あえて言うならこの質問には正解不正解はない、という感じですね。人(学者)それぞれ、その時々で学会での支持者の数が変わるといった感じです。 何か定義を決めると必ずと言っていいほど矛盾する存在がでてくることが多いのできちんと決めているわけではない、という印象です。ただ教科書などにはそういう風に曖昧には書けないので中学高校ではきちっと定義されているかのように教えるみたいですが。 まあ、高校の教科書に正しいと書いてある内容が実は学会では何年も前から否定されてたり、正解でも不正解でもどっちでもよかったりすることはよくあることらしいです。 教授に聞いてみても教授ごとに言うことはバラバラです。学者はみんな自分の考えこそが真実だと思っているようで学会で否定されている内容でも自分が正しいと思ってたら正しいといいはるものですから。ついでに言うと教授などの生物学者はどうもウイルスが生物かどうかはどうでもいいみたいです。重要なのはウイルスの持つ性質や、病理学的特性であって生物であるか、無生物であるか、といった定義論には無関心な方が多いようでした。まあ、現場で研究する人間にとっては世間一般でどう定義されていようと関係ないわけですから。 私の周りのウイルスに関わる研究をされている人は生物的に扱う人が多いですかね。まあ、私の関わっている世界もそんなに広いわけではないので世界レベルではどちらが優勢かは分かりませんが。
お礼
ありがとうございます。
- marori3
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仰るとおり、今でも生物とも無生物ともつかない状態だったと記憶しています。
お礼
ありがとうございます。 現在でも同じなのですね。
お礼
ありがとうがざいました。