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特殊銀行
明治の産業革命の前後をやってます。お尋ねしたいことがあります。 特殊銀行は、特定の政策目的のために設立された銀行。 たとえば、 日本勧業銀行:農耕業発展のために貸付を行う 日本興業銀行:産業資本に長期融資を行う 台湾銀行:台湾の植民地経営のための中央銀行 横浜正金銀行:貿易金融を目的として設立 とかあるわけですが、こうした特殊銀行の資本金は日本政府が提供したりして、保護されてるんでしょうか?また横浜正金銀行の「貿易金融」とは、具体的にどんなことなのでしょうか?
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説明のため荒っぽい表現になりますが、ご容赦を。詳細は各テーマごとに学問的にも本が書ける内容になりますので、考え方だけ説明したのだと理解してください。 >特殊銀行の資本金 政府出資はあります。BOTと世界で呼ばれた、かの東京銀行の前身である横浜正金銀行も、設立当初の資本金のうち1/3は政府により出資(正貨である銀貨による出資)でした。 明治日本は社会主義体制ではないので、国家管理そのものではありません。そもそも資本金の出資という言葉自体、出資者は出資額の限りでの責任(有限責任)を負うのみとする(荒っぽく言えば)"割切りの"発想に関わるものです。しかし、事実上の政府保証はあると考えられていたというべきでしょう。時代によって変わりうるもので、戦前~戦後~現代へと移行する過程でそんな政府保証はなくなりましたが(北海道拓殖銀行はバブル期の不摂生がたたり見事に破綻しましたが、そのとき預金は全額保護された理由というのは元特殊銀行だったからではないのです)。 >横浜正金銀行の「貿易金融」 貿易をするには外国企業との間で信用状、為替手形やら送金小切手をやり取りする必要があります。この「やり取り」の過程で、たとえば世界標準時2006年11月3日10:35の時点において1英ポンドを224円30銭とする、その次の瞬間は別の相場で取引する、といった外国為替相場が発生します。 これはさまざまな利害関係の対立と調整を生むわけですが、日本では民間企業に当初£1=¥224.30とする一定のレートで(上でお話した為替手形の「やり取り」の上で)安定的に正貨を供給する機関がありませんでした。このような状況下で日本の産業形成のためにはやはりそのような安定的に正貨を供給する機関が必要とする趣旨で設立されたのが横浜正金銀行です。 歴史的背景としては、西南戦争後の大量発行等でのインフレ等により人為的に発行された政府「紙幣」が「銀」という裏づけを持つ正貨としての銀貨とが等価とはされなくなってきて、民間の取引にかかる外為相場に問題を起こす作用を持つようになり、いっそう正貨を安定的に安定的供給する機関が必要となっていた、という事情もあります。 ともあれ、その後、横浜正金銀行は日本の発展とともに外貨を集める特殊銀行として終戦後の解散まで国際的活躍を続け、東京銀行の基礎を用意することになりました。 説明は多少雑かもしれませんが、ウィキペディア等もご参照を。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E9%8A%80%E8%A1%8C_%28%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%87%91%E8%9E%8D%E5%8F%B2%29