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コマネチ大学でラマヌジャン、連分数、ペル方程式
- 番組『コマネチ大学』でラマヌジャンの解いた問題が紹介されました。問題の数字列には左右のバランスを持つ数字があり、そのような数字について考えるように求められました。
- 問題の数字列の左側と右側の合計が同じになる条件を満たす数字を求める問題がペル方程式で表現できます。具体的な解は手計算で求めることができますが、すべての解が√2の連分数で表現できることが知られています。
- √2の連分数の近似をn/mとすると、nとmの積がペル方程式の解になります。具体的な解はa=n*m、b=min(n^2,2*m^2)となります。なぜ√2の連分数がペル方程式の解になるのかはまだ解明されていません。
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詳しくは「G.Hardy, E.Wright, An Introduction to the Theory of Numbers」を参照していただきたいですがどうしてそのような事が起きるか概略を説明してみます。 まず連分数展開(記号の定義は書きませんが連分数を知ってらっしゃるのですぐに何を表しているのか分かると思います)√2+1=[2,2,2,...]から始めます。すなわち0番目の近似2、1番目の近似2+1/2=5/2、2番目の近似2+1/(2+1/2)=12/5、と続けていくわけです。ここでn番目近似を約分しない形でp_n/q_nと表したときp_n、q_nは次のように求まります: p_n={x^(n+2)-y^(n+2)}/(x-y) q_n={x^(n+1)-y^(n+1)}/(x-y) ここでx>yはX^2-2X-1=0の解です。これはちょっと計算すればnに関して帰納的に示すことができます(ここで注意ですがこれを示すときにフィボナッチ型の数列a(n+2)=2a(n+1)+a(n)が現れますがこれが連分数、フィボナッチ型数列、ペル方程式を結びつけている部分で高校で習う漸化式と大いに結びついてます)。さてこれが一旦示されると√2の連分数展開のn番目近似P_n/Q_nは以下のように求まります: P_n=p_n-q_n Q_n=q_n ここでP_n^2-2Q_n^2を計算すると簡単に求まり(-1)^(n+1)が得られます。したがってnが偶数のときP_n,Q_nはペル方程式A^2-2B^2=-1の解、nが奇数のときペル方程式A^2-2B^2=1の解であることが分かります。またこれらがすべての解であることも示すことができます。ただここでは質問にあるa,bがなぜペル方程式の解であるかということに限りましょう。さてnが奇数のときペル方程式(2b+1)^2-2(2a)^2=1の解としてa=Q_n/2,b=(P_n-1)/2が得られるわけです。これはペル方程式の解を与える一つ(というかすべてを与えているという意味で完璧なもの)の方法ですが質問にある解もまた別の方法です。すなわちnが奇数とは限らずに一般のP_n,Q_nから(2b+1)^2-2(2a)^2=1の解を作ってしまおうというわけです。実際確かめてみます。質問にあるn、mは今の記号で書けばP_n,Q_nでa=P_nQ_n,b=min(P_n^2,2Q_n^2)です。ここでminがキーポイントになってます。というのはP_n,Q_nは2つのペル方程式A^2-2B^2=±1(nが奇数のとき+、偶数のとき-)のどちらかを満たしてますがb=P_n^2はnが偶数のときに対応していて、b=2Q_n^2は奇数のときに対応してます。したがってたとえばb=P_n^2としましょう。このとき(2b+1)^2-8a^2=(4Q_n^2+1)^2-8P_n^2Q_n^2でありnが偶数でなければならないことからP_n,Q_nはP_n^2-2Q_n^2=-1を満たしていてこれを用いると、 (4Q_n^2+1)^2-8P_n^2Q_n^2=(2P_n^2+1)^2-4P_n^2(P_n^2+1)=1と計算されます。このように一般的な解とはちょっと違う形ですがこれもまたペル方程式の解を与えていることがお分かりいただけたと思います。
お礼
お返事遅くなりすいません。 申し分ないご回答に感動と感謝をしております。 ペル方程式の一般解が、連分数展開のP_n,Q_nと関係しているのは知っていましたが、 a=P_nQ_n,b=min(P_n^2,2Q_n^2) といったような解は初耳で、不思議に思っていました。 まことにありがとうございました。