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中枢性尿崩症と腎性尿崩症の血漿浸透圧について
- 中枢性尿崩症と腎性尿崩症は、尿崩症の原因として知られています。中枢性尿崩症では、バソプレッシンの不足が問題となり、血漿浸透圧は上がるのか下がるのかについて知りたいです。腎性尿崩症では、バソプレッシンの感受性が低下していますが、血漿浸透圧はどうなるのでしょうか?
- バソプレッシンは、血漿浸透圧が上がると視床にある浸透圧レセプターが刺激されて放出されます。このバソプレッシンの働きによって尿量が減少し、体液が薄まるエフェクトがあります。しかし、尿崩症ではバソプレッシンが不足しており、尿量が増加しています。血漿浸透圧の上昇についても詳しく知りたいです。
- 中枢性尿崩症と腎性尿崩症において、血漿浸透圧は上がるのか下がるのかを知りたいです。中枢性尿崩症ではバソプレッシンの低下が問題となりますが、その影響がどのように血漿浸透圧に現れるのか知りたいです。腎性尿崩症ではバソプレッシンの感受性が低下していますが、血漿浸透圧はどのように変化するのでしょうか?質問にお答えいただけると幸いです。
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うまく説明できるか分かりませんが。。。 まず、浸透圧というのは、半透膜の両側に濃度の異なる溶液をおいたとき、両側に表れる圧力の差です。 つまり、水と食塩水の間に半透膜をおいたとき、水は食塩水の方向に移動しますよね。濃度の高いほうに水は移動するのです。 血漿浸透圧が上がるということは、Na、K、Cl等のイオンが、尿に比べ血漿の中に多く存在するということです。 血液は腎臓の糸球体で濾過され、原尿となります。 原尿は尿細管というところで、水分や塩分が血液に再吸収され、最終的に尿となって排泄されます。 尿細管には、近位尿細管、ヘンレ係締上行脚、ヘンレ係締下行脚、遠位尿細管、集合管があります。 近位尿細管では、尿中のNa、Clイオンが再吸収(血液に分泌)されますが、ここでは水が自由に出入りできるので血漿と尿の間に圧力の差は生まれません。 ヘンレ係締上行脚では、水は間質細胞内に移動し、イオンは尿中に移動するため、尿中のイオン濃度はあがります。ということは、血漿と尿では尿のほうが圧力が高くなります。尿は高張となるのです。 ヘンレ下行脚では、水は透過しないため、イオンのみが血漿中に移動します。尿中のイオン濃度は低くなります。尿が希釈されるのです。血漿の方が圧力が大きく、尿は低張となります。 この時点で、尿と血漿では血漿の方が圧力が高く、血漿浸透圧が上がります。 遠位尿細管ではNaとともに水も再吸収されるため血漿浸透圧は上がったままです。 この浸透圧の上がりに反応してバソプレシンが分泌されます。 バソプレシンは集合管に作用し、水の再吸収を促進します。水が血漿へ移動するのです。血漿の圧力はどんどん低くなり尿の圧力は高くなります。水が再吸収されるということは尿量も減り、原尿は濃縮されたということですよね。 この背景を理解することが大切です。 中枢性尿崩症では、バソプレシンが欠損しています。 一過性の場合もあれば慢性の場合もあるそうです。 バソプレシンが欠損しているので、血漿浸透圧が上がっても集合管で十分に水が再吸収されず、薄い尿がいっぱい出ます。中枢性尿崩症では、血漿浸透圧があがるというよりは上がったままというほうが正しいかもしれません。 腎性尿崩症は腎臓がバソプレシンに反応しないため尿が濃縮されず、薄い尿がたくさん出ます。 遺伝や薬などの原因があります。 これもバソプレシンが反応しないので集合管において再吸収は起こらず、血漿浸透圧は上がったままだと思います。 ちなみに昨日の質問ですが、ビタミンDがないとカルシウムが吸収されません。ビタミンDを用いることでカルシウムの吸収を促進させるため骨粗しょう症に用いられるのです。
お礼
とてもよく分かりました。 丁寧な解説でとても分かりやすかったです。ありがとうございます。 また、骨粗しょう症の説明もありがとうございます。