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DNA(プラスミド)のエラーの発生箇所
cDNAにPCRで増幅してクローニングキット(invitrogen)を使ってベクターを作っています。 その過程でシークエンスでエラーがないかどうかを調べる作業をやります。 シークエンスの波形が乱れてそれが結構大変なんですが・・・・。 エラーが起こるのはPCRの段階がもっとも多いと聞きました。 それ以外のクローニングキット、プラスミド精製、制限酵素反応で エラーが起こることはあるんですか? また、制限酵素で切断後、ライゲーションを行った場合、 繋ぎ目だけをみればいいといっていた人もいたのですが、 繋ぎ目以外でエラーが発生することはあるのですか?
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>gatewayなどのライゲーションキットの場合はエラーが発生することはあまりないんですかね? Gatewayを使う機会が今までなかったので、よくわかりませんが、もともと継ぎ目の配列に自由度がないので、継ぎ目が問題になるようなコンストラクト(融合タンパク質発現や、融合遺伝子の構築)には向かないんじゃないでしょうか。継ぎ目を問題にしないコンストラクトなら、たとえ出来た後、そこに変異が生じていてもかまわないんじゃないでしょうか。
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- geneticist12
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>ライゲーションの時は結合箇所だけがエラーが起こる可能性あって、インサートの中身にエラーが発生することは基本的にないんですよね? そう言っていいです。 >UV照射はゲルの切り出しの時に行う時に当てすぎると 変異するということですよね。 そうです。ふつう使われるホストでは、チミンダイマーをもったプラスミドが増殖不能になって、生えてこないことの方が多いですが、うまくすり抜けると塩基置換、かつ一塩基欠失を起こす可能性があります。よそからもたっらプラスミドで、これが原因だと思われる変異が入っていてUniversal primerでシークエンスができないのがありました。 再回答のついでに、先の回答の不正確だったところを補足します。 >1000 bpのDNA1 ngを1 ugまで増幅したとしましょう。1000 bp を1000 倍に増幅したら、それだけで100万塩基の合成をおこなったことになるので確率的に一回はエラーが起こっていることにあります。 これは一分子の鋳型DNAについて考えたもので、1-kb DNA 1 ng中には10のウン乗個(8乗くらい?)の分子がありますからそれだけ変異の機会があるということになりますね。
- geneticist12
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KOD, Pfuはもっとも正確性の高い部類です。Taqの数十倍エラーが低いと言われています。そのほかにも、BentやExTaq、HiFi exnzyme mixなどTaqの数倍正確性が高いものもあります。 ちょっとおおざっぱな計算をしてみます。 エラー頻度が100万塩基に一回程度の正確性の高い酵素を使ったとしましょう。1000 bpのDNA1 ngを1 ugまで増幅したとしましょう。1000 bp を1000 倍に増幅したら、それだけで100万塩基の合成をおこなったことになるので確率的に一回はエラーが起こっていることにあります。PCRのサイクルのはじめの方でエラーが起これば、その後のサイクルでエラーをもったDNA分子が増幅されてきます。ですから、正確性の高い酵素でも、シークエンスを確かめるというのがふつうです。 大腸菌の中では、polymeraseの校正活性のほか、ミスマッチ修復性の酵素による修復がおこなわれるので、エラー頻度は非常に低いです。しかし、全くないとは言えないので、目的によっては全長シークエンスをすることもあります。たとえば、taransgenic生物や、knock-out/in生物作るなど非常に労力と費用のかかる実験のためのコンストラクトを作った場合など、手間がかかってもあらかじめシークエンスを確かめます。確認せずに最後まで行ったけど、入れた遺伝子が全然効かなくて、調べてみたらコンストラクトに変異が入ってました、、、というような悲惨なことになりかねません。 たとえばEcoRI-EcoRIでligationしたものはEcoRIで切れるはずです。もし切れなければ、EcoRI末端に削れこみが起こって、EcoRIサイトがつぶれてしまっていることを示します。もっとも、切れたとしても、No. 1さんの指摘しているような、短い断片が挟まっているような可能性もあるので、それで良しとするか、シークエンスで確かめるかは、目的次第、コスト/パフォーマンス次第でしょう。 それと、もう一つ変異が入る可能性を付け足すと、UV照射によるチミンダイマー形成があります。RecAホストではチミンダイマーの修復が完了しないので増えないのですが、修復反応が始まる前に、それを鋳型に複製が起こると、フレームシフト変異が起こります(遺伝学、分子生物学の教科書等を見てください)。
補足
PCRの最初の方にエラーが入らないことを願うのみですね。 KODはもっとも正確性が高かったんですね。 確かに数ヶ月かかるトランスジェニックに使うベクターなので シークエンスは必須ですね。シークエンスの波形もしっかりしたものを ださないといけないですね。 ライゲーションの時は結合箇所だけがエラーが起こる可能性あって、 インサートの中身にエラーが発生することは基本的にないんですよね? UV照射はゲルの切り出しの時に行う時に当てすぎると 変異するということですよね。
- geneticist12
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DNA polymeraseはなんであれ、ある頻度で間違ったヌクレオチドを取り込んでDNA鎖を合成してしまうことがあります。 取り込みエラー率は、PCRでは 校正活性のない酵素(Taqなど)の場合、数万塩基に一回、校正活性のある酵素(Pfuなど)では100万塩基に一回くらいです。これがどれだけ高いかというと、大腸菌の中でDNAが複製された場合、100億塩基に一回というのと比較してみればわかります。 つまりプラスミドを大腸菌で増やした場合はほとんど起こらない塩基置換が、PCRだと1万~100万倍も高頻度で起こるのです。ですから、PCRで増やしたDNAはシークエンスを調べておくべきなのです。 一方、制限酵素で切ってつなげた部分は、Exonucleaseのコンタミによって削れて、blunt endになったりたまたま生じた対合末端でligationすることがあります。そのために、特にタンパク質発現系に使う場合などフレームシフトがずれて使い物にならないことがあります。継ぎ目をシークエンスしようというようなのはそんな場合ですね。しかしそれだけのことなら、re-cuttingができるligationの場合、re-cuttingできるかどうか調べればすみますね。
補足
KOD polymeraseは校正活性はあるんですか? 大腸菌もエラーを起こすことがあるのですね。 その可能性は低いので無視してもいいんですか? タンパク質発現系に使うなら制限酵素反応でも繋ぎ目を調べた方がいいんですね。繋ぎ目以外は調べなくてもいいんですか。 recuttingは制限酵素切って、電気泳動してインサートの向きを調べるということですか?
- Chicago243
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昔、PCRを使わないでサブクローンする時はシーケンスをするというのはまれでした。 それだけへんなことが起こるのがまれということです。 繋ぎ目を見ればいいというのはある意味当たっていると思います。たとえばT4DNAポリメラーゼでブラントエンドをつくったとき、1ベース余分に削れていたりとかする可能性を否定できません。あとは、コンタミの短いフラグメントが間に入り込んだりという可能もなきにしもあらずです。
補足
最もエラー率が低いKODでもエラーが発生することがあるので シークエンスでよる確認は必須ですね。 gatewayなどのライゲーションキットの場合はエラーが発生することは あまりないんですかね? 原理的には原理は同じだと思うのですが。