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EPRパラドクス
原子核から素粒子が北へ一つ飛び出すときに、原子核の運動量が変わらないとすると、南へ一つ素粒子が飛び出さなくてはならないと、ある本に書いてありました。 しかし、その合力が南へ一つと同じになるようにすれば(たとえば南東と南西に素粒子が二つ飛び出すなど)いくらでも素粒子の可能な状態が考えられるわけです。スピン保存の問題を考慮しても、原子核から飛び出す素粒子の数が偶数に制限されるだけだと思います。よって、数多くの可能性があるわけで、一方の素粒子を観測したからといって他方の素粒子の状態もわかるとはいえなくなると思います。つまり、EPRパラドクスは生じないと思うのですが、どうなのでしょうか?
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そうですね・・。ちょっと前回の文章は不完全でした。 EPR状態は人為的ですが、絡み合いについては自然にも発生しますね。 というのも前回言った準備段階の測定で粒子源を用意しますが、これは用意できしまえばその粒子源からは絡み合った粒子は出ています。 それに所定の測定器(例えば偏向フィルターなど)もセットにするとEPR状態が発生するという感じです。 >測定は粒子源の準備とEPRの二つがあるのでしょうか?これは別なんですよね。 これはその通りです。 前回は紛らわしい文章ですいません。
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- sekisei
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別物になります。 絡み合いは特殊な状態です。 そしてEPR状態はその条件を満たす粒子源と特殊な測定システムが必要になります。 この状態で初めてEPR状態を起こすことができます。 つまり絡み合いは人為的に作ってやらないといけない”状態”ということになります。 そのためその条件を満たすことができる粒子源を準備してやらないといけません。 その粒子源の準備こそが、前回の回答で私が言った測定に相当します。 その準備を行った後に行う測定がEPRの測定になります。 そのため前回の私の回答への質問者様の疑問は、”別物”という答えになります。 ですから、前もって絡み合う粒子対を発生させることができる粒子源を用意した上で、所定の測定装置で実験をして始めてEPR相関が生じる事になります。 また不明な点があれば質問してください
お礼
絡み合いの状態は人為的に作るのですね。でも、自然に絡み合いの状態になってしまうことは絶対にないのでしょうか?それと、測定は粒子源の準備とEPRの二つがあるのでしょうか?これは別なんですよね。
- sekisei
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絡み合っているかは実験によって確認することになると思います。 例えばある放射性元素から出る放射線をさまざまな計測をして例えばこの原子は電子を同時に2個ペアで放出するとか・・・。 確かEPRパラドックスの話しが出されたときの場合は、前提条件として「ある原子核から互いに偏向が逆で正反対にペアの光子が放出される場合・・・・」といったものだったと思います。 ですから偶然複数個の粒子が出る場合は絡みあいはないと思います。 質問の例もNSが本質的に同時に放出されるペア粒子、ABも同様の場合でAB-NSの放出についてはなんの相関もない場合は先日の回答で示した確率は違ってきます。 なんの相関もない場合は絡みあいは発生しません。 この辺は量子光学という分野になると思います。 もしかしたらcorpusさんの疑問を私が誤解している可能性もありますので、的外れな回答だったらまた指摘してください。
お礼
ある粒子と別の粒子が絡み合っているかを調べることと、二つの粒子の状態をそれぞれ観測することは違うことなのでしょうか?私にはそれがわかりません。
- sekisei
- ベストアンサー率38% (94/246)
EPRパラドックスはすでに実験が行われていて、”幽霊のような遠隔作用”が存在することが確認されています。 そのため実はすでにパラドックスではなくなっています。 すでにこの効果を用いた技術開発がNEC、NTTなどで進行中です。 量子暗号、量子コンピュータ、量子テレポーテーションなどがそれです。 http://www.nanoelectronics.jp/kaitai/qteleportation/ http://www.kurejbc.com/quantum/qic001.htm http://www.alice.t.u-tokyo.ac.jp/ では、光速を超えて情報が”伝わるのか”という疑問については”伝わらない”という結果になっています。 参考URL2番目のhttp://www.kurejbc.com/quantum/qic002.htmのページ真ん中くらいに答えが書いてあります。
お礼
パラドクスでなくなっていたんですか。参考URLをじっくり読みたいと思います。でも、どの粒子とどの粒子が絡みあっているかというのは、だれがわかるのでしょうかね。謎は深まるばかりです。
- sekisei
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なるほど、粒子が出てない場合もあると言うことですね。 その場合はスピンだけでなくて”粒子が観測されたかされなかったか”も状態として考慮しないといけないと思います。 ハーフビームスプリッターというものがあります。 これは入射した光子を半分の確率で透過したり反射したりします。 反射時の経路を(1)、透過時の経路を(2)とします。 また、この光子は偏向が上又は下かのどちらかだとします。 その時測定結果として存在する可能性は、 経路(1)は光子が来て上偏向、経路(2)は光子来ず。 経路(1)は光子が来て下偏向、経路(2)は光子来ず。 経路(2)は光子が来て上偏向、経路(1)は光子来ず。 経路(2)は光子が来て下偏向、経路(1)は光子来ず。 の4つがあり、各25%となります。 質問文での例でも同様に粒子が出なかったことも含めて状態の可能性を考慮しないといけないと思います。
お礼
粒子が何個出ているかなどのように、さまざまな状態を考えなければいけないにしても、それでも、EPRパラドクスは解消されないのでしょうか?
- sekisei
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ついでに・・ お勧めの本など・・。 ”量子の絡みあう宇宙”など面白いと思います。 本の中で多粒子での絡み合いについても書かれています。 (絡み合いとはEPRパラドックスで扱われる粒子関係のことです) 考えてみたのですが質問中で書かれていた例でもパラドックスは怒っているようです。 質問文中での例で北へ飛んだ粒子をN、南に飛んだものをS、残りをAとBとした場合。 観測前、NSAB粒子全てスピンは上と下の重なった状態で、確率でいえば上下それぞれ50%です。 しかし、ここでN粒子を観測した結果が上だったとします。 すると残りの粒子の状態は変化し上である確率は33%、下である確率は66%になります。 観測前の確率状態と観測後の確率状態はN粒子の観測によって瞬時に変化したものですから一応パラドックスで指摘された現象が起きているのではないでしょうか。
お礼
確かに、残りの粒子の確率も変動しますね。パラドクスは生じているかもしれません。しかし、ここではNSABの4つの粒子が出ていると仮定しています。後になって、実はABがないことがわかったら、Sの確率がまた変わってしまうのは変だと思ったのですが、どうなんでしょうね。 ご紹介の本も探せたら読みたいと思います。
- chukanshi
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#1の方のおっしゃるとおり、EPRパラドックスは、わかりやすいように、2つの対粒子という状況というか舞台を用いて問題を提起しているだけです。本質は粒子がどう生成するかということではなく、片一方の粒子を観測すると、もう一方の粒子の情報がわかってしまう、という、量子力学の観測問題、情報が高速より早く伝わるって変じゃないのというのが問題意識です。 >その合力が南へ一つと同じになるようにすれば(たと>えば南東と南西に素粒子が二つ飛び出すなど)いくら>でも素粒子の可能な状態が考えられるわけです。 基本的にはその通りで、運動量保存則と、エネルギー保存則を満たせばいいのです。ただ、内部対称性の保存などの制限がありますので、いくらでもというわけにはいきませんが。スピン保存は、その内部対称性の保存の一例です。
お礼
アドバイスありがとうございます。 もう一方の粒子が3個だとすると、3個のうちのどの粒子についての情報がわかるのでしょうか?3個すべての情報がわかってしまうのでしょうか?
- sekisei
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粒子の発生とEPRパラドックスの間には直接の関係はありません。 本では判りやすいように2個の対粒子で話しを進めます。 重要なのは重ね合わせの性質だと思います。 それは粒子が2つでも3つでも変わりません。
お礼
アドバイスありがとうございます。 粒子がどこに何個あろうと関係ないということですね。まだよくわかっていませんが、勉強したいと思います。
お礼
いつも親切にしていただきありがとうございます。