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核スピン量子数の推定方法について教えてください

核スピン量子数の推定方法について教えてください。 核スピン量子数が 質量数が奇数、原子番号が奇数or偶数のとき半整数 質量数が偶数、原子番号が偶数のとき0 質量数が偶数、原子番号が奇数のとき整数 となるのはわかるのですが 具体的な計算方法がわかりません。 教えてくだされば助かります。

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回答No.1

原子核の殻模型を使うと、ある程度は推測できます。 http://okwave.jp/qa/q3601965.html のNo.3の回答を参考にしてください。 1番目の日本語のページは http://www.kutl.kyushu-u.ac.jp/seminar/MicroWorld3/3Part2/3P26/shell_model.htm にあります。 もう少し詳しい解説は、例えば http://www.kutl.kyushu-u.ac.jp/~wakasa/np1/np8.pdf などをご覧ください。 ■質量数が偶数、原子番号が偶数のとき 原子核中の核子は各々の角運動量を打ち消すように対になっている、と考えます。さらに、原子核の核スピン量子数Jが核子の角運動量の総和で与えられる、と考えれば、陽子数Zと中性子数Nがともに偶数ならばJ=0になります。 ■質量数が奇数、原子番号が奇数or偶数のとき 質量数が奇数の原子核の核スピン量子数Jは、奇数個の核子(中性子または陽子)の入っている準位の角運動量に等しくなります。たとえば27Alの場合は 27Al(Z=13,N=14)  陽子 :(s1/2)^2 (p3/2)^4 (p1/2)^2 (d5/2)^5  中性子:(s1/2)^2 (p3/2)^4 (p1/2)^2 (d5/2)^6 のように d5/2 の準位に奇数個の陽子が入っているので、J=5/2になります。 NMRでよく使われる7Li, 13C, 15N, 17O, 29Si, 31Pの核スピン量子数をこの方法で推定すると、実験結果によく合います。ですけど、19Fや23Naなどのように、この推定法では予想が外れる核種も多いです。たとえば19Fの場合はZ=9なので  陽子(予想):(s1/2)^2 (p3/2)^4 (p1/2)^2 (d5/2)^1 からJ=5/2となることが予想されますけど、実際には19FはJ=1/2なので、  陽子(実際):(s1/2)^2 (p3/2)^4 (p1/2)^2 (s1/2)^1 のように9番目の陽子がs1/2準位に入っているモデルの方が、実験結果に合います。 ■質量数が偶数、原子番号が奇数のとき 2H, 10B, 14N の核スピン量子数Jは、中性子と陽子の角運動量の足し合わせで説明できます。 2H(Z=1,N=1)  陽子 :(s1/2)^1  中性子:(s1/2)^1  J=1/2+1/2=1 10B(Z=5,N=5)  陽子 :(s1/2)^2 (p3/2)^3  中性子:(s1/2)^2 (p3/2)^3  J=3/2+3/2=3 14N(Z=7,N=7)  陽子 :(s1/2)^2 (p3/2)^4 (p1/2)^1  中性子:(s1/2)^2 (p3/2)^4 (p1/2)^1  J=1/2+1/2=1 6Li(Z=3,N=3)の核スピン量子数は、この考え方ではうまく説明できません。この原子核については殻模型で考えるよりも、α粒子(Z=2,N=2)と重陽子(Z=1,N=1)から6Liができている、と考えることにより、J=1となることがいちおう説明できます。

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