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大学入試の電磁誘導の問題:回路にかかる消費電力を求める方法
- 東海大学の過去問(赤本の98年度)で出題された電磁誘導の問題について解説します。回路に電圧をかけると導体棒がゆっくり上昇し、その後等速で上へ上がっていくという状況です。
- 問題の解き方を考えるためには、まず回路の構造と要素について理解する必要があります。U字型の導線の下部には抵抗(r)と起電力があり、導体棒はその上部に横になってついています。
- 回路に電圧をかけると磁界が発生し、それが導体棒に作用して上昇させます。このとき、導体棒が上昇するためには重力と抵抗力を克服する必要があります。消費電力は、この重力と抵抗力の働きによって決まります。
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多少面倒でも図を描かないと回答者も意図を酌み取りにくいです。問題文も抜粋せずそのまま書いてください。必要な値(導体棒の単位長さあたり質量と重力加速度)が抜けていると思いますし、厳密に言うならば「磁束密度B は十分に大きく、回路を流れる電流によるその変化は無視できる」という前提も入れておかないと問題が複雑になってしまいます。求めるべき消費電力も「電源で消費される電力」なのか「抵抗2個分の消費電力」なのか定義が曖昧です。 とりあえず想像して解いてみます。問題を間違って解釈していたら指摘してください。 ↑鉛直上方 (×)磁束密度B(画面向こう向き) │ │ │ r │ ┝━━━━━┥導体棒(抵抗を含む。可動でかつU字導体に接する) │ │ │E r │ └┨├∧∧─┘←x=0 U字の幅=導体棒の長さをLとします。 導体棒の位置(高さ)をxとします。xの原点はどこに取ってもよいですが、とりあえずU字の横棒の高さにしましょう。 まず、棒の動きについてざっと眺めてみます。 スイッチを入れた直後、導体棒には I=E/2r の電流が流れます。 フレミングの法則から導体棒には BLI の力が働いて上へ上がっていきます(だんだんと加速)。しかし導体棒が動き出すとループ内の磁束が増えることになりますから、それを妨げようと逆起電力が生じます。逆起電力の大きさはループ内の磁束をΦとしてdΦ/dtで与えられます。 磁束ΦはB L xで与えられますからその時間微分は dΦ/dt=B L dx/dt (1) です。このときに回路に流れる電流Iは I={E-(B L dx/dt)}/2r (2) となります。導体棒の速度dx/dtが増すと電流が減少することを読み取ってください。 さて導体棒に働く力Fは F=BLI=BL{E-(B L dx/dt)}/2r (3) と求められます。 導体棒が等速運動になった時の速度をvとすれば F=BL{E-(B L v)}/2r (4) です。 導体棒の単位長さの質量をρ、重力加速度をgとすれば、導体棒にかかる重力は ρgL (5) です。棒の重さMが与えられているのならρLをMに置き換えてください。これが上の式のFとつり合うと導体棒は一定速度で運動することになります。棒が重いほど速度vは小さくなります。 その時の速度は(4)=(5)としてvについて解けば求められます。 ここまでが棒の運動のお話。 さてこの問題では消費電力しか訊ねられていませんので、近道で解けます(ある意味つまらないのですが)。 等速運動の時は導体棒に働く重力が電磁誘導による力BILとつり合うのですから ρgL=BIL (6) という式が成り立ちます。 Iについて解いて I=ρg/B (7) 消費電力はr×I^2を抵抗2個分足し合わせれば良いのですから 2×r×(ρg/B)^2 (8) です。導体棒で消費される分は1個分ですからr(ρg/B)^2です。 電源が供給している電力は抵抗での損失の他に、重力加速度に逆らって棒を押し上げる仕事に費やされます。これはρgLvです。題意によってはこれを足してください。 問題をもう一度読み直して、以下の点をチェックください。 (1)部品の配置や配線は合っているか。 (2)上記の解答内で、問題で与えられていない値を解答に含んでいないか もし配置や配線が違っているならば違う問題を解いてしまっていることになります。また問題で与えられていない値を勝手に使っていたりすればそもそも解いたことになりませんので。
お礼
ありがとうございます。まさに、図に書いていただいたとおりです。 >棒の重さMが与えられているのならρLをMに置き換えてください というふうにすれば完璧に仰るとおりです。大変良く理解できました。あれだけの説明で伝わると思ってなかったのでビックリしてます。 また、次の機会がありましたら是非よろしくお願いします。では失礼します。