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AgとCuのイオン化傾向
イオン化列で,「CuはAgよりイオンになりやすい」と学習するのですが,これはおかしいのでは? だって,周期表では,CuはAgよりも上にあります。Agの方が最外殻も大きく,しかも1価(電子1個を出すだけでよい)であることを考えると,Agの方がCuよりも陽イオンになりやすいのではないかと思います。 標準電極電位というものがイオン化列の元になっているそうですが,どうして,Cuの方がイオン化列で前にでてくるのか,高校生にわかりやすく説明して頂けないでしょうか?
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第一イオン化エネルギーが 「原子1個から、最外殻電子1個を取るのに要するエネルギー」なのに対し、 イオン化列は 「金属結合した原子からの、電子の取りやすさ」になるので、 単純比較はできないということだと思います。 下記URLによれば、遷移金属の単体(→例として挙げられているのはタングステン)では、 最外殻電子だけでなく内殻電子も金属結合に関与しているようです; http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%B1%9E%E7%B5%90%E5%90%88 *「遷移金属で」とは明記されていませんが、内殻が既に閉殻になっている典型元素 では、(一部の例外を除き)この関与はないと考えられます。 この「内殻電子の関与」を考えると、周期表の下方にある元素ほど、 内殻(の一番エネルギーの高いもの)と最外殻の間のエネルギー差が小さいので、 その分、内殻電子が最外殻電子と同様に金属結合に関与する可能性がある、 と推測できます。 (実際にはK,LM・・・の殻は、もっと細かい「軌道」(s,p,d,f・・・)に分かれて、しかも s軌道以外は球形ではなく特定方向に延長した形になっていて、その重なり方も 軌道毎に変わってきたり・・・という、現在の高校課程からは完全に逸脱した話に なるので、この括弧内は「そんな話もある」程度に聞き流してください; 私の能力的に、詳細な説明もできませんし(汗)) このため、最外殻と内殻のエネルギー差がより小さくなっている銀では、 銅よりも内殻電子が金属結合の形成に関与している分、 電子を奪いにくく、従ってイオン化傾向が小さい、ということだと思います。 銅; http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%85 銀; http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80
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- leo-ultra
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私、化学はまったく専門ではないのですが、むしろその方が高校生的な発想ができるかと思い...。 間違っていたらどうぞ教えてください。 さて、質問者の論理が正しいとすると、さらに周期律表で一つしたのAuはどうなりますか?Agより正イオンになりやすいことになってしまいます。 イオン化傾向とたぶん無機化学的な説明があるのかもしれませんが、高校の時は呪文のように暗記しました。 仮に質問者がいうようにAgの方がCuよりも陽イオンになりやすいとしても、イオン化系列は溶液の水和まで含めたもののように思います。(これはまったくの根拠なし。)
お礼
ありがとうございます。 ひょっとしたら,イオン化列では,Cuが前に来るけれど,第1イオン化エネルギーは,Cuの方が大きいかも知れませんね。調べてみます。 それにしても,イオン化列は呪文のように暗記するしか手がないのでしょうか。なんとか,理屈で納得した上で,呪文を暗記する方向にもっていきたいのですが・・・。
お礼
ありがとうございました。 いずれにしても,イオン化傾向の大小は,一筋縄ではいかないってことがよくわかりました。 電子の放出しやすさと,水分子との水和や配位結合による,陽イオンの安定性もあるのだと思います。 最終的には,「電位を測定して決められた,水溶液中で陽イオンになりやすい順番」とでも説明した方がわかりやすそうですね。 結論は,覚えろ!という事になると思います。