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マグリットの不気味さについて
マグリットの絵に感じる「不気味」は、どこから来るのでしょうか。フランス文化(ベルギーのフランス語圏)の持つ一面なのでしょうか。 おそらく「物事の隠された面を表に持ってくる」ということから、強烈な現実への挑戦という面があるのでしょうが、そのそこを流れる時として「不気味」と捉えられるような雰囲気は、どこから来るのでしょうか。 特に印象に深い絵は、タイトルがはっきりしませんが「遠近法の練習」という、マネのバルコニー越しの人物の作品を、人物だけ棺おけに置き換えて表現したというものです。 この印象がものすごく強烈でした。
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質問者が選んだベストアンサー
素人ですが、絵画をみるのが好きなので よく絵画展にいったり、画集を買う者です。 私も質問者様と同じく「不気味さ」を感じます。 以前、ある画集で見た作品で 少女が生きた鳥をバリバリと食べる絵を 見たときは衝撃的でした。 その時感じたのは、性の恐怖、生死の恐怖でした。 シュールレアリズムの中でも、ダリは自己存在と不安、 安心を果てなく追求する心にあふれている思うのですが マグリットはそれとは別の不気味さです。 どちらも、心の奥底の感情を呼び起こされる気がします。
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- vescent
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ただ単に、自然の原則に反する物を、描いている作品が多いからではないでしょうか? 朝起きて、いきなり窓の外の空の色が緑色だったら「不気味」だと感じるのと同じ事というか・・・。 あと、色彩的に少しくぐもった色味の作品が多いのだとか、重い色を上の方に持ってくるだとか、画面構成だとか。。 絵画表現自体にも、作品によって使用されている事からかと思いました。
お礼
そういう面もありますよね。動きが少なく、重い配色が多いです。これは心象としてそうなるのかもしれないですね。 ただ、自然に反するから不気味とは思わないのですが、それとともになにかこの世界に対するくらい挑戦のような精神が宿っているからと感じています。
- hadaly
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マグリットは、キリコ・ダリ・ミロといった、いわゆるシュールレアリズム作家と出会って、自分の作風の方向性が決まったようです。 でも、そういう作家達と交流があった時期もわずかな期間で、人生の中~後半をブリュッセルですごし、創作活動を続けたようです。 (その時代、特にこれといったアーティストと交流があったようではないですね) 幼年時代のエピソードなどを読むと、フランス文化の影響というより、マグリット個人の資質を絵に表したように思います。 生活人としては、この上なく普通の人で、作品内でのみ、普通なら、妄想で終ってしまうような事を、作品として芸術の域まで昇華したというところが、芸術史で評価されているんじゃないでしょうか?(私見です) 質問者さんの言う、『透視画法:マネ作「バルコニー」II』が不気味に感じるのは、普通だったら人間が描かれている筈の所に、よりによって棺桶(死者が入っているのか?それとも生きながら無理矢理入れられてしまったのか?などと、想像しだすときりがないですね)が描かれているからだと思います。 また、マネの描いた『バルコニー』をよく知っていたら、よけいにマネの作品とかさなって、マネの絵の方の人物が棺桶の中に入ってるのか??なんて考えだすと、不気味になると思います。 マグリットの作品全てが不気味だとは思いません。 どっちかというと「シュール」という形容詞が似合うように思います。 ネガティブな部分を表した作品は不気味だと思いますし、部屋いっぱいのサイズのバラの花をかいた『闘士の墓』などは、バットジョークみたいだし、シュールなものも多いし・・・ マグリットは、いろんな角度から、日常を眺めていたんだなーと、私などは思うのですが・・・
お礼
小市民的な生活に終始したらしいですね。 それと作品の奇想天外さと釣り合いを取っていたらしい。 例に挙げた作品に代表される不気味さというのは、物事の裏側を平気で表にしてしまうこと、という要素があり、さらに「死」の影が覆っている作品のひとつがこれである、そのダブル効果なのかなと思ってしまうのですが。 そして、なにより忘れてはならないのは、不気味さにしろ何にしろ、「感動」を与える力のある作品に宿っているということです。 もちろんポップなものもあるし、楽しさを感じるものもありますね。しかしみなどこか、これは作家の人間性かもしれないですが、重いものを感じます。
お礼
その絵は強烈ですよね。確か「愉楽」とかいう絵だったと思います。この画家には、やはり狂気じみたくらい情念が宿っているのでしょう。そしてそれは「生」「性」「死」というような、人間存在の根本に真っ向から挑戦するというものなのだと思います。