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この問題の解き方教えてください。
次の物質を水溶液にした場合、赤色リトマス紙が青くなるものを選択しなさい。 (1) 塩化アンモニウム (2) 酢酸ナトリウム (3) 水酸化カリウム (4) 硫酸バリウム (5) 炭酸カルシウム 正しい答えは(2)(3)(5)なんですが、 (2)と(5)がどうしてなのかわかりません。 リトマス紙が青くなるというのは、水酸化物イオンがあるからではないんでしょうか?(全くの化学初心者なので変なこと言ってたらすいません。) 同じ理由で「硫酸銅の水溶液が酸性」というのもわかりません。 どのようにして解いたらいいのでしょうか? それとも暗記なのでしょうか? すごく簡単な問題なのかもしれませんが、教えてください。よろしくお願いします。
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そうなんです.OH-があるものはアルカリ性なんです.だから,(3)はアルカリ性というのは正解です. 問題は(2)と(5)でしょう.これらを考えるとき,「中和反応」を考えるのが一般的です. つまり,「OH-があるかどうか」ではなくて,「その塩をつくるためには,何と何を混ぜればよいのか」を考えます. (1)HCl + NH4OH --> NH4OH + H2O (2)CH3COOH + NaOH --> CH3COONa + H2O (4)H2SO4 + Ba(OH)2 --> BaSO4 + 2H2O (5)H2CO3 + Ca(OH)2 --> CaCO3 + 2H2O ((3)は塩ではないので省略します) また,一般に次のような法則が成り立ちます. 強酸+強塩基=中性の塩 強酸+弱塩基=酸性の塩 弱酸+強塩基=塩基性の塩 弱酸+弱塩基=一概にはいえない だから,(2),(5)は「弱酸+強塩基=塩基性の塩」となります. 他には,塩化ナトリウムNaClは中性になるのです. 同様にして,硫酸銅CuSO4は, H2SO4 + Cu(OH)2 --> CuSO4 + 2H2O となって,「強酸+弱塩基=塩基性の塩」となるわけです. ----------------------------------------------------------------- しかし,「なぜそんな法則になるの!?」って思いますよねぇ.そこで,(2)と(5)を例に,なぜ塩基性になるのかを理論的に考えてみます. (2)CH3COONa --> CH3COO- + Na+ (5)CaCO3 --> Ca2+ + CO32- さて,「このどこにOH-が入っているんじゃい!」と思われるかもしれません.が,共通するポイントがあります.それは,陰イオンがすべて弱酸由来だということです.これらの陰イオンは,水と反応して,次のような平衡(=反応)をします. (2)CH3COO- + H2O <--> CH3COOH + OH- (5)CO32- + H2O <--> HCO3- + OH- あら,たしかにOH-が出てきましたね.このことから,一般に「弱酸(=炭酸,酢酸など)の陰イオンからなるアルカリ(アルカリ土類)金属塩は,塩基性である」 といえます. でも,なんだか騙された感じですよね.弱酸の場合なぜこうなるのかを,酢酸を例にとって説明しましょう.酢酸CH3COOHは,水の中で次のように電離します. CH3COOH <--> CH3COO- + H+ ここでポイントなのは,「この反応は平衡である」ということです.例えば,100個のCH3COOHがあったとしましょう.このうち,100個全部が電離するのではなく,実際はそのうちの2,3個しか電離できません.なぜかというと,CH3COO-というのはあまり安定ではないからです(この記述は厳密には異なりますが,今は平易的な理解を優先してこう説明します). つまり,水溶液中ではCH3COOHがだいたい97,8個,CH3COO-とH+は2,3個ずつ含まれているのです.この割合は濃度によって変わりますが,その辺は無視しましょう. じゃあ,このことを頭に入れて,CH3COO-が100個,CH3COOHが0個という水溶液を考えてみましょう.さっき,CH3COO-は不安定といったように,CH3COO-はH+と結びついてCH3COOHとなったほうが安定なんです.じゃあ,このH+はどこからくるのか?それは周りからH2Oをとっ捕まえてくるのです. CH3COO- + H2O <--> CH3COOH + OH- このような,「平衡論」と呼ばれる反応機構があるため,上のような法則が成り立ちます.まあ,理系選択でなければ,このような理論はあまり覚える必要はないでしょう.
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- DASS
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化学が暗記と思われるのは少し寂しいので、ちょっとでしゃばらせていただきます。 とはいえ、きちんとした解説はすでに出ていますので、ちょっと「ずるい」解説です。 問題に出てきた物質は全てイオン結合している物質なので、水に溶かすとイオンに別れます。 例えば、「酢酸ナトリウム」は「酢酸イオン」と「ナトリウムイオン」になります。 これではまだ、水酸化物イオンは出てきませんね。 問題は、水の方にあります。 水はH20ですが、実は「水酸化イオン(OH-)」と「水素イオン(H+)」からできているのです。 水酸化イオンがあるからアルカリ性? でも、水素イオンもあるから酸性かも? 実は純粋な水は、水酸化イオンと水素イオンが同じ個数あります。アルカリ性と酸性が同じ強さなのです。 従って、アルカリ性でも酸性でもない中性なのですね。 今まで説明したように、酢酸ナトリウムを溶かした水は、次の4つの物質を含む事になります。 (1)酢酸イオン (2)ナトリウムイオン (3)水酸化イオン (4)水素イオン このうち、(1)酢酸イオンと(4)水素イオンが酢酸を作り、(2)ナトリウムイオンと(3)水酸化イオンが水酸化ナトリウムを作ります。 つまり、「酢酸ナトリウム水溶液とは、酢酸と水酸化ナトリウムが混ざったもの」なのです。 酢酸の酸性と、水酸化ナトリウムのアルカリ性。どっちが強いですか? 酢酸は弱酸性、水酸化ナトリウムは強アルカリ性ですね(こういうのは覚えてくださいね)。 水酸化ナトリウムのアルカリ性の方が強いので、酢酸ナトリウム水溶液はアルカリ性・・・赤色リトマス紙を青くするのです。 その他の物質はどうでしょう? (1)「塩化アンモニウム」は、「塩酸」と「アンモニア」に、 (4)「硫酸バリウム」は、「硫酸」と「水酸化バリウム」に、 (5)「炭酸カルシウム」は、「炭酸」と「水酸化カルシウム」に、 (他)「硫酸銅」は、「硫酸」と「水酸化銅」 になります。 それぞれが強酸か弱酸か、強アルカリか弱アルカリかは、覚えていただくしかないです。 また、『砂糖を水に溶かしたら?』も「共有結合性物質」か「イオン結合性物質」かを、覚えていただくしかないです。 しかし、化学が丸暗記ではないと思っていただけたら幸いです。
お礼
確かに、化学は何かと暗記しようとしがちなんです。 でもそうすると、暗記したとおりの問題は解けても、少しでもひねった問題はできなくなってしまうんですよね。 「なんでこうなるのか」っていう原理みたいなものからきちんと理解していけば、化学もおもしろくなるかもしれないと思います。 ありがとうございました。
お礼
お礼が遅くなりまして申し訳ありません。 すごくすごく丁寧にしっかり教えていただいてありがとうございました。学校の先生よりもわかりやすく、感激しました。同じような問題に挑戦して、このテの問題をしっかりマスターしたいと思います。本当にありがとうございました。