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酢酸とエタノールからのエステル合成
高校生向けの、ご教示をお願いします。 酢酸とエタノールから、濃硫酸を触媒にして、エステルを合成する場合、平衡状態後、酢酸を取り除くために炭酸水素ナトリウムを、エタノールを取り除くために塩化カルシウムを、水を取り除くために無水塩化カルシウムを加えますよね。ここで、疑問が生じました。 1 酢酸もエタノールも、水に溶けやすいのだから水を加えれば足りるのではないかと疑問に思いました。 そこで、考えました。炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると塩ができ、塩化カルシウム水溶液を加えると分子化合物ができることで、水だけを加えるときよりも、純度の高いエタノールが得られるから、炭酸水素ナトリウム及び塩化カルシウムを加えるのかなと。 この考え方はあっていますか? 2 無水塩化カルシウムを加えなくても下層を捨てれば足りるのではないかと疑問に思いました。 そこで、考えました。合成したエタノールを無駄にしないために、水和水として塩化カルシウムに取り込ませるのかなと。 この考え方はあっていますか? 3 濃硫酸はどのようにして除去するのですか?
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- takkochan
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No.1です。 No.2の方は、このサイトでよく回答いただく大先輩だと思いますので、確かに、まだ眼が充分覚めておらず、この簡単な平衡系でさえ充分把握出来ていない状態で書かれたのだと拝察いたしますので、少し補足させていただきたいと思います。 おそらく、質問文の説明が少し不十分などだと推察いたします。 >酢酸とエタノールから、濃硫酸を触媒にして、エステルを合成する場合、平衡状態後、 (反応終了後、分液ロートに移し)、 >酢酸 と硫酸を >取り除くために炭酸水素ナトリウム 水溶液 >を加え 十分かき混ぜたあと、2層分離を行います。さらに、有機層に >エタノールを取り除くために塩化カルシウム 水溶液を >加え 十分かき混ぜたあと、2層分離を行います。 有機層を三角フラスコに移し、 >水を取り除くために無水塩化カルシウムを加えます 。 実は、この実験、ほぼ同じことを工学部の1年生向け全学科化学実験で指導しております。
- doc_somday
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#1の方のご回答は適切なので、まだ眼が充分覚めておらず、この簡単な平衡系でさえ充分把握出来ていない私は失礼ながら「重要な蛇足」(笑)を付け加えます。 a. >酢酸もエタノールも、水に溶けやすいのだから水を加えれば足りるのではないかと この水を加えるという発想がどこから来たのか、どうしても理解出来ません。 エステル化は脱水反応なのですから、水は極力排除しなくてはならないはずですが。 b. >炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると塩ができ… 意味が、よく分かりません。書いてあることに間違いはありませんが、ここで言及されている「塩」とはどの塩でしょう。 c. >水を取り除くために無水塩化カルシウムを加えますよね 間違っては居ませんが、エステルの合成時の脱水に塩化カルシウムは使わない方が良いです。いやこの「単純平衡でエステルを合成する」場合、塩化カルシウムを使うのは「間違っています」。 塩化カルシウムは酢酸、酢酸エタノール中で「膨潤」して、これらの液体を吸い込んでしまいます。乾燥はできません。 d. >塩化カルシウム水溶液を加えると分子化合物ができる 塩化カルシウムは酢酸エチルを吸収しますが、分子化合物というはっきりした構造はとりません。 もし、最近その構造が確定したのでしたら、その文献名(年、月、ページ)をお教え下さい。 ですから。 >この考え方はあっていますか? 間違っています。 e. >無水塩化カルシウムを加えなくても下層を捨てれば足りるのではないかと 反応を見ていて「下層」がはっきり、それも多量に観察されましたか? 私がこの反応を追実験するとすると、塩化カルシウムの「下層」は上記したように固体塩化カルシウムの膨潤体になります。 ご質問者が行われた演習実験でさえ「下層」を除くのは、もし分液ロートを使ったら難渋したでしょう。 塩化カルシウムを使わないと、反応後の混合物は「均一」のはずですからどの成分も機械的に取り除くのは困難だとお思います。 f. >濃硫酸はどのようにして除去するのですか? #1のお答え通り、炭酸水素ナトリウムが加えられた時点で全て硫酸イオンに変わってしまいます。 g. この演習反応全体を見て、この実験を企画した方は化学者では無い、大学で一般科学・無機化学・有機化学をまともに習わず、各演習実験を経験しなかったことが分かります。 かなり拙劣な計画です。
お礼
ご教授ありがとうございます。 aたしかに、水を加えたらダメですよね。なるべく安く作るために、材料を使わないために、水に溶かそうと発想しました。 b酢酸ナトリウムです。 c膨潤というものを初めて知りました。しかし、化学I・IIの新研究を今調べたら載っていました。勉強不足でした。 d化学I・IIの新標準演習184問の解説に「エステル中に混入しているエタノールは、CaCl2と反応して、CaCl2・4C2H5OHという分子化合物をつくる」との記述があったので、できるのかなと信じました。論文、専門書で確認したわけではありません。 e実験はしていません。 f理解出来ました。 g仰るとおりです。演習実験したことありません。
- takkochan
- ベストアンサー率28% (205/732)
1.酢酸は水よりも有機層に溶けやすく、硫酸があり酸性ですとさらにその傾向が強いため、炭酸水素ナトリウムでアルカリ性にすることにより、酢酸ナトリウムにして水層に移行させます。 エタノールは極性の大きな有機物ですが、水にも有機物にも溶けるので、塩化カルシウムを加えることにより極性を大きくして水層に移行させします。 2.水は有機物中にもある程度溶けるため、無水塩化カルシウムを加えることにより、有機物中に含まれている微量の水が、塩化カルシウムを溶かしつつ、有機物と分離することを利用して分離させます。エタノールは塩化カルシウム水溶液で事前に除去するので関係ありません。 3.濃硫酸は炭酸水素ナトリウム水溶液を入れた際、一緒に無機層に入り、除去されます。
お礼
1酢酸は有機溶媒よりも水に溶けると誤解していました。 2、3理解出来ました。 分かりやすいご教授をありがとうございました。
お礼
正に、仰る通りの手順を考えていました。 補足していただきありがとうございます。 そして、説明が不十分であったことをお詫びいたします。 大学でやる実験だったのですね。