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人名に由来する数学・物理用語 ~ ヤコビアン・ラグランジアン・ハルミトニアン・ガウシアン
数学や物理学で使われる用語で ・ヤコビアン(ジャコビアン) ・ラグランジアン ・ハルミトニアン ・ガウシアン といった、人名が入っている言葉があります。 【質問1】 まだ、上記のほかにありますか? 恐れ入りますが、「簡単な解説、および、由来となった学者名の紹介付き」で挙げていただけますようお願いします。 (申し訳ありませんが、解説無しはご遠慮ください) <例> 「ラグランジアン: ジョゼフ=ルイ・ラグランジュ 数学・天文学者(伊・仏) 解析力学の基本をなす関数で、物体の運動は最小作用の原理という法則にしたがっていることを示す。」 ※ 恐れ入りますが、下記は対象外とさせていただきます。 ・「ジュール」、「アンペア」、「ウェーバー」、「シーベルト」、「ユカワ」など、単位の名称 ・「ガリレイ変換」「ローレンツ変換」「オイラーの公式」など、2単語以上の熟語 ・「ブーリアン」のように、英語では1単語(形容詞も含む)であっても、日本語では2単語以上の熟語で使用されるのが通例であるもの 【質問2】 下記についてご存知の方、人名の紹介および簡単な解説をお願いいたします。 ・ヘシアン ・ダランベルシアン ・ルジャンドリアン ・ローレンチアン
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siegmund です. ポピュラーはやつは大体出尽くした気がします. 結局,元素名は別にしまして, 出てきた中で私(物理屋)がよく使う(耳にする)のは ヤコビアン(ジャコビアン) ラグランジアン ハミルトニアン ガウシアン ヘシアン ダランベルシアン ローレンチアン ブーリアン ラプラシアン ロンスキアン アーベリアン カーテシアン エルミーチアン パフィアン ブラウニアン ボソン フェルミオン > 実は、その辺は得意です。 > 御礼がてらに、ちょっと、ひけらかします。(笑) お,そうでしたか. じゃ,私がコメントするまでもありませんでしたね. 元素の話がお好きなら http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=206305 などお読み頂けたら,と思います. 宣伝で恐縮です(^^).
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- siegmund
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siegmund です. 元素名は全く気づきませんでした. フェルミオン,ボソン,と言っていたのに! アクチノイドは人名がいっぱいありますが, ランタノイドの人名由来は サマリウム <= サマルスキー ガドリニウム <= ガドリン だけです. でも,物理学者,数学者の範疇には入らないですかね. プロメチウムはプロメテウスから来ていますが, これは神様の名前です. 元素名に日本関係がないのが残念ですね. 理研で発見した113番元素が確認されれば, 日本関係の名前がつくでしょう. それにしても幻のニッポニウムは残念だった. > ○ フレドホルム作用素. > Fredoholmian ですか? Fredholmian です.ミスタイプしました.
お礼
ええ。 元素記号は、人名を除けば、ほとんど神様の名前か地名ですね。 神様の中にも学者がいるかも。 ハイドラは流体力学、ヘリオスは核融合、タイタンは地震学・・・・・ 実は、その辺は得意です。 御礼がてらに、ちょっと、ひけらかします。(笑) ニッケルは元々「カッパーニッケル」で、銅の抽出するとき混ざる邪魔なもの=悪魔(ニッケル)。 いわば、携帯電話をケータイと言ってるのと同じ。 タングステンの記号「W」の元の綴りは、なぜか「Wolfram」(狼と羊)。 イットリウム、イッテルビウム、テルビウム、エルビウムの4元素名は、全部同じ鉱山の名前に由来してます。 http://en.wikipedia.org/wiki/Ytterby ↑これを見ると分かりますが、ずさん(笑)な命名です。 周期表でビンゴゲームとかアタック25とかをやったら、Ytterby鉱山が優勝しそうですね。 ニッポニウム、惜しかったですね。 元素記号「Np」になる予定だったらしいですが、残念ながら、現在、「Np」はネプツニウムです。 なお、 ウラン、ネプツニウム、プルトニウムは、周期表の中で隣接して並んでますが、これらは、天王星、海王星、冥王星の英名と同じ語源です。 美少女戦士セーラームーンを見たことある人ですと分かりますが。(爆) ん・・・・・・止まらなくなってきました。 この辺でやめときます^^
- siegmund
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siegmund です. ○ 普通に使われるのを忘れていました. Brownian <= Brown Brownian motion が普通です. ○ こんなのも見つかりました. Newtonian Heisenbergian
お礼
何度も、ありがとうございます! ちょいと検索してみたら、 Newtonian は、ニュートン力学・法則を指すようですね。 Heisenbergian は、やはり、不確定性原理の関係のようですね。
- siegmund
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siegmund です. > グリーニアンがグリーン関数と違うことにも驚きました。 もともとグリーン関数は微分方程式の話で使われていたのですが, 量子力学関係(特に多体問題)では意味が拡張されました. いろいろなタイプの拡張されたグリーン関数がありますが, そのうちのあるものは相互作用のない場合に 1粒子に対するシュレーディンガー方程式に対する(元々の意味の) グリーン関数になっています. そういうわけで,グリーニアンはグリーン関数と深い関係 があります(というか,根っこは共通). ○ フレドホルム作用素. Fredoholmian ですか? そういう語形は知りませんでした. ○ Pfaffian はうっかりしていました. > ガウスの学位論文の審査者としても知られる。 例の代数学の基本定理ですかね. ○ 検索してみたら,Diracian なんてのもあるみたいです. これは知らなかった. Dirac に由来して,γ行列のあたりで使われるようです. Dirac's γが普通のような気がするが... ○ さらに Einsteinian <= Einstein Eddingtonian <= Eddington Gamowian <= Gamow Boltzmannian <= Boltzmann Helmholtzian <= Helmholtz Gibbsian <= Gibbs Bornian <= Born というのも出てきました. きりがないような気がしてきました. 実はいっぱいあるのではないでしょうか? しかし,Boltzmannian weight とは言わずに 普通 Boltzmann weight と言いますがね~. Born approximation が普通だよな~. う~ん. ------------------------------ > 作曲家由来では,モーツァルティアンというのもありますが, > 他には聞きませんね. と書いたら,Beethovenian というのもあるらしい. ------------------------------ 日本人の小畑さん由来の何かが有名になると どういうことになるのだろうか? (ワグネリアンが受けたので,調子に乗って悪ふざけを).
お礼
オバタリアン! ははは グリーニアンは、そうでしたか。なるほど。 ところで、 Einsteinian で気づきましたが、元素名にも沢山人名が入ってましたね。これも私の質問への答えになっちゃいます。 ランタノイドとアクチノイドは人名だらけ。 ありがとうございました!
- grothendieck
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個人的には次の二つが重要と思っています。 (1)フレドホルム作用素 ラプラシアンやDirac作用素等の楕円型作用素の中で核と余核がともに有限次元となるものをフレドホルムであるという。したがってFredholm作用素Dには指数 ind D = dim ker D - dim ker D† が定義できます。この指数が適当な特性類の積分と言うトポロジカルな量で表現できると言うのが有名なAtiyah-Singerの指数定理です。anomalyに関連して物理でもよく使われる様になってきています。 Fredholm スウェーデンの数学者。20世紀の初頭に積分方程式の理論を創始。この研究はヒルベルトに受け継がれ、関数解析学の誕生に繋がる。 (2)パフィアン(Paffian) パフィアンは行列式を一般化したものであり、行列式のラプラス展開、シルベスターの定理、プリュッカーの関係式、ヤコビの恒等式等はパフィアンによって拡張され、統一化されます。数学ではパフィアンはソリトン等の非線形編微分方程式の厳密解の表現手段としてなくてはならないものとなっています。物理では例えば量子ホール効果においてfilling fractionが1/2のランダウ準位の基底状態としてPaffian stateが用いられますが、今後さらに様々な分野で用いられると予想しています。 Caieniello ; Combinatorics and Renormalization in Quantum Field Theory (Benjamin,1973) では場の量子論の組み合わせ論的な議論にパフィアンが使われています。 Pfaff 一次の微分式パフ形式を導入したことで有名。ガウスの学位論文の審査者としても知られる。
お礼
詳しい説明ありがとうございます。 フレドホルム作用素は、難しそうですね。指数が積分等、他のことにつながっていくのですね。 パフィアンは何やら面白そうですね。行列式その他に関するものを統一した概念ですか。ちょっと勉強したくなってきました。 「ガウスの学位論文の審査者」ですか。ほー
- ringohatimitu
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アルキメディアン - archimedean ノンアルキメディアン - non-archimedean これは数論か幾何学で出てきますが数論においては体にあるarchimedeanあるいはnon-archimedeanな性質を満たすノルムが定義されている場合にその体がarchimedean,non-archimedeanであると言います。幾何学においては非ユークリッド幾何学などが例です。 フックシアン - Fuchsian これは一般的にはマイナーかもしれませんがSL(2,R)(2行2列の実正則行列のうち行列式が1であるもの全体)の部分群で複素上半平面に不連続に作用するもののことを言います。実際はマイナスをかけたものをSL(2,R)の中で同一視したPSL(2,R)の部分群を指すことが多いです。topologyでも出てくると思いますが自分がより知っているところでは解析数論と関係した保型形式のスペクトル理論でよく見かけます。特に数論ではPSL(2,Z)(成分が整数)がよく使われています。
お礼
アルキメディアン、ノンアルキメディアンには、感動を覚えました。 偉大なるアルキメデスの名前が術語になっているとは・・・。 フックシアンは、行列式=1、複素平面、トポロジーに関わる用語。何やら面白そうですね。 期待以上に意外な情報をいただき、感謝いたします。
- siegmund
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siegmund です. 人名が形容詞形になるかどうかの違いはどこにあるんでしょうかね? 少し追加. ○ カーテシアンはうっかりしていました. デカルト(Descartes)由来ですね. 直角座標が cartesian coordinates です. ○ エルミーチアン フランスの数学者エルミートに由来. hermitian matrix. ○ グリーニアン イギリスの数学者グリーンに由来. ハミルトニアン H (など)に対して 1/(λI - H) がグリーニアン. λは定数,I は恒等演算子. レゾルベントと同じ. リップマン・シュウィンガーの方程式あたりで出てきます. -------------------------- ○ ワグネリアン 作曲家のワグナーに由来. 熱烈なワグナーファン. これは違うな~(^^),今は数学と物理の話だった. 作曲家由来では,にモーツァルティアンというのもありますが, 他には聞きませんね. -------------------------- > ただ、私の経験の範囲内ですと、書籍では色々な名称でしたが、 > 実際には「ハミルトニアン」と呼ぶ人しかいなかったので。 いや,確かにそうですね. 私(物理屋)も同業者がハミルトン演算子といっているは 聞いたことがありません. 数学の方ではハミルトン作用素と呼んでいる方もいるみたいです.
お礼
うわー またまた沢山教えていただき、感謝感激。 エルミーチアンは、もしや、ハミルトニアンのフランス語読みかと思ってたら、全然違いました。 グリーニアンがグリーン関数と違うことにも驚きました。 なお、 ワグネリアンには、液晶画面の前で思わず「ぷっ」と言ってしまいました。 今、画面の上を拭き拭きしてます。
- Tacosan
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カーテシアン フランス生まれの数学者・哲学者, ルネ・デカルトに由来. 普通は「カーテシアンプロダクト」 (直積) くらいでしか使わないような気がしますが.
お礼
おわっ 「カーテシアン」から「デカルト」を連想するのは、カタカナ表記の日本語では難しいですね。 なるほど。 ありがとうございました。
- siegmund
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すぐ思いつくのは ○ ラプラシアン フランスの数学者・天文学者のラプラスに由来. △ = ∇^2 のこと. ○ ロンスキアン(ロンスキー行列式) ポーランドの数学者ロンスキーに由来. 高階導関数で作った行列式. 微分方程式の階の理論で出てきます. ○ アーベリアン ノルウェーの数学者アーベルに由来. 可換であること. アーベル群 = 可換群 (でいいのだと思うが,大丈夫かな). 多少毛色は違いますが, ○ ボソン ○ フェルミオン ---------------------------- ○ ヘッシアン(ヘッセ行列式) ドイツ(だったかな)の数学者ヘッセに由来. 2変数関数 f(x,y) で,∂f/∂x = ∂f/∂y = 0 となる点での周りの 2階微分行列(or 行列式). 極大点か極小点かを調べるのによく出てくる. ○ ダランベルシアン フランスの数学者ダランベールに由来. □ = ∇^2 - ∂^2/∂t^2 ○ ルジャンドリアン これは私はあんまり見ませんね. フランスの数学者ルジャンドルに由来. 3次元ラプラシアンの極座標表示の角度部分を指します. ○ ローレンチアン オランダの物理学者ローレンツに由来(と思う). Γ^2 /(x^2 + Γ^2) の形の分布. 共鳴曲線などで良く現れます. ---------------------------- > 「ブーリアン」のように、英語では1単語(形容詞も含む)であっても、 > 日本語では2単語以上の熟語で使用されるのが通例であるもの ブーリアンもよく見ますが... ハミルトニアンだって,ハミルトン演算子,ハミルトン作用素, ともいいますよね. ---------------------------- 探せばもっと沢山ありそう.
お礼
たくさん教えていただき、深謝いたします。 フェルミオンはフェルミが由来と気づきますが、ボソンが人名から来ているとは全然知りませんでした。 あ、そーかー、そう言われれば、という感じです。目から鱗です。 ヘッシアンは、なるほど、2変数関数のでしたか。 他のも、非常に的確に説明していただいて助かりました。 >>ハミルトン演算子,ハミルトン作用素ともいいますよね. ええ。たしかに。 ただ、私の経験の範囲内ですと、書籍では色々な名称でしたが、実際には「ハミルトニアン」と呼ぶ人しかいなかったので。 ありがとうございました!
お礼
リンクを拝見しました。 どひぃーーー 物知りですねー 負けました。ぐふっ 仕上げに、きれいな纏めをしていただいたところで、この質問を閉じることにします。 長らくお付き合いいただき、誠にありがとうございました!