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ヨーロッパ音楽・・・
ヨーロッパ音楽におけるソナタ形式の持つ意味とは何なんでしょうか? 教えてください!よろしくお願いします!!(><)
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こういう簡潔なご質問に答えるのは難しいですね。内容が内容だけに、これについて回答するには、かなり長くなりそうです。 複数の楽曲が集まって、それらが有機的に統合して全体が統一される、いわゆる「楽曲としてのソナタ」ではなく、ここでは、 ソナタの第1楽章で扱われることの多い「ソナタ形式」(別名、「第1楽章形式」「ソナタ・アレグロ形式」)について議論したい と思います。質問文では「ヨーロッパ音楽における・・・」とあるので、このようなことについては、とりあえず音楽の歴史につ いて良く勉強しなければなりません。また音楽のことだけではなくて、各時代でヨーロッパにおいてどのような哲学や思想が芽生 え発展したか、政治や国際情勢はどうであったかにまで議論を拡大して考えるべきです。そして忘れてはならないのが、作品の アナリーゼ(分析)を数多く行うことです。音楽を勉強したり批評したりする人間は、まず音楽を良く聴き、作品がどのように構 成されているかを地道に研究しなければならないと思います。これを怠る人が言うことは、空論に過ぎないと見なす厳しい態度が 必要です。とはいえ、「直ぐに回答がほしい」ということですので、とりあえず、以下に色々な作曲家が残したソナタ形式につい て時代順に見ていき(A)、最後にまとめ(B)を述べさせて頂きます。 (A)色々な作曲家が残したソナタ形式 (1)ハイドン・モーツァルト周辺……この2人が登場する前の時代にも、ソナタ形式で作品を残している作曲家は多数います。い わゆる「前古典派」の時代の作曲家で、イタリア、オーストリア、ドイツ各地に、様々な作曲家が、徐々にソナタ形式を築いてい きました。丁度この頃は、芸術的にも最高域に達したバッハの対位法音楽(ポリフォニー)が完成していましたが、戦争に明け暮 れ疲れ果てた絶対王政の時代は、(ポリフォニーよりも)もっと軽妙で明快・優美な新しい音楽を必要としていました。それが、 ホモフォニーです。ホモフォニーとは「単一の旋律とそれを支える和声」という構造の音楽で、1本の旋律を元にして、変奏技法 や旋律の融合といった高度な技術を要するポリフォニーよりも、厳格さが消え、より自由な音の使い方をめざす音楽です。 ソナタ形式は、まさにヨーロッパが中世から受継いできたポリフォニーの世界から離れるときに現れてきたものです。ポリフォ ニーでは、1つの主題(旋律)をもとにして、それがどんどん発展・展開していく音楽で、それが音楽の推進力になっていました。 それではホモフォニーにおいては何を推進力にして作品を構成していくかが問題となりました。何故なら、ホモフォニーにはポリ フォニーほどの音楽的緻密さが得にくかったからです。そこで1つの主題だけでなく、2つの主題をもつソナタ形式はホモフォニー 音楽に論理的・合理的に推進力を与え得るものとして、世の中で徐々に認められていきました。そしてソナタ形式は、その揺籃の 時代を経て、ハイドンによって一応完成されました。ハイドンは弦楽四重奏極や交響曲にソナタ形式を応用し、この形式をメジャ ーなものに育て上げました。モーツァルトはハイドンの意志を受継ぎ、より緻密な構成でソナタ形式を創り上げました。この2人 の偉大な作曲家によって、それまで幾分流動的であったソナタ形式に、「雛型」を与えました。すなわち、 提示部[第1主題(主調)-移行部-第2主題(近親調)-小結尾] + 展開部(提示部で現れたモチーフを転調的に展開) + 再現部[第1主題(主調)-移行部-第2主題(主調)-結尾] という典型的な形です。 (2)ベートーヴェン……上記の2人の意志を受継ぎつつ、さらにソナタ形式を発展させたのがベートーヴェンです。彼はそれま で、やや曖昧であった主題労作を徹底的に用いて、作品に与えられる主題と楽曲中の各部分との関係を密なものにし、ソナタ形式 を非常に構築性のある音楽形式に高めました。また、例えば彼が残したピアノ・ソナタは、どれ一つとして同じような型を用いず 上記の雛型にはまることなく、常に新しいソナタ形式を模索しました。例えば「ワルトシュタイン」では主調がハ長調ですが、そ れまで属調で書かれることの多かった第2主題をホ長調にしています。「熱情」では、第1主題と第2主題に多くの関連性を持たせ ています。ベートーヴェンは他にもここでは書ききれないほどの多くの工夫をソナタ形式に与えました。 (3)ロマン派音楽におけるソナタ形式……ベートーヴェンが残した数々の傑作、例えば交響曲「運命」や「第九」、ピアノソナ タや弦楽四重奏曲は、次のロマン派音楽の作曲家の目標となりました。ベートーヴェンの重要な作品の多くはソナタ形式が用いら れているため、必然的に、「ソナタ形式で作品が書けること」は作曲家にとって決定的に不可欠な要素となりました(このような 考えは現代でも続いています)。殆どの作曲家はソナタ形式による作品を多く残しています。しかし、この時代はどちらかという と論理性・構築性のある音楽よりも、歌曲や標題音楽などのある意味「ゴツゴツしていないくだけた音楽」が最良とされる傾向が あったため、ベートーヴェンから発展した、より芸術的に高度なソナタ形式は生まれませんでした。比較的古典的なソナタ形式を 守ったのが、シューベルト、シューマン、ブラームスらの前期古典派の作曲家で、ショパン、リスト、ヴァグナーらはソナタ形式 から離れていく傾向にありました(ショパンの3つのピアノ・ソナタのソナタ形式は、構造の面から見れば幾分幼稚な構成となっ ています)。それでも交響曲や協奏曲などの第1楽章は殆どソナタ形式で書かれ、ソナタ形式が消滅することはありませんでした。 (4)近・現代の音楽……時代が進み、ドイツロマン派が衰退していくと、フランスのドビュッシーなどが登場し、それまでの伝 統的な調性音楽が徐々に崩壊していきました。調が無くなって無調音楽がはびこると、調関係によって構造が支えられているソナ タ形式は意味を失っていきました。もちろん作曲家は皆、ソナタ形式の作品を多く残していますが、歴史を変えるような重要な作品 において、ソナタ形式の役割の重要性は低くなりました。 (B)まとめ 以上のように、18世紀の前古典派に生まれたソナタ形式は、古典派の偉大な作曲家によって確立され、ロマン派に受継がれまし たが、現代音楽ではソナタ形式で書かれることは極端に減りました。しかし、ソナタ形式がヨーロッパ音楽に与えた影響は非常に 大きなものがあると言えるでしょう。「ヨーロッパ音楽におけるソナタ形式の意味」とは、 まず第一に、ソナタ形式によって「主題の展開」を楽曲の音楽推進力の基本とするバロック音楽からの伝統が守られたこと。ま たそのような西洋音楽の基本的な音楽の進め方において、ホモフォニーではソナタ形式が最も合理的かつ論理的な楽式であったこ と。 第二に、ソナタ形式が構築性のある形式として認められたのは、主題労作による「一貫性」と、第1・2主題の対比や、展開部の 導入によって「多様性」を音楽に与えたこと。本来「一貫性」と「多様性」は相反する内容であるが、ソナタ形式によって、両者 をよどみなく融合することに成功したこと。 第三に、ソナタ形式によって、転調技術などが発展し、ホモフォニーを支える和声法を高度化したこと。 以上ですが、他にも色々と「西洋におけるソナタ形式の意味」はあると考えられます。上記だけでは不十分かと思いますが、是非 勉強してみてください。ソナタ形式について考えるだけでも、西洋音楽の様々な側面について知ることは多いはずです。
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- nabayosh
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この際、助産術を使うことにしましょうか。 補足要求:nakkolさんは、ソナタ形式がどんなものであるか説明できますか? 補足要求:nakkolさんは、ヨーロッパ音楽をどのような意味で用いていますか? 以上、2点に補足するだけでも、なんとなくわかってきそうなものだとは思いますが。
お礼
とてもわかりにくい質問でごめんなさい。私自身がもっと作品にふれて勉強したいと思います。ありがとうございました!
お礼
とてもわかりにくい質問でごめんなさい。とても詳しく答えてもらえてすごくうれしいです!!!ありがとうございました!!!もっといろんな作品にふれてみたいとおもいます☆どうもありがとうございました☆★☆