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水晶振動子膜厚計
現在、膜厚の補正を行っているのですが、補正がどうも上手くいきません。 膜厚計はCRTS6000を使用しています。基板上の膜厚値と膜厚計の膜厚値との較正を取り、その比(tooling)で行っているんですが、膜厚計の膜厚が15nm,表面粗さ計で測った膜厚が500nmです。この場合toolinggが1000%以上になるのでおかしく思っています。 業者の方に問い合わせたら、ほんの数層(2.3層)付ける場合は999.9(最大)に設定するのがいいそうです。 この場合の解決方法がありましたらご返答よろしくお願いします。
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文面から察するに、真空蒸着で使う膜厚計のことですよね。蒸着源が何か?膜厚計と基板との位置関係はどうなのでしょうか? この種の膜厚計は、出来るだけ基板に近い位置に設置した方が正確な値がモニター出来ます。膜厚計の読みが実測値の1/30以下にもなるというのは、相当に基板から離れた位置でモニターしているのでしょうか?蒸着源-基板と蒸着源-膜厚計の距離と角度を測定して、その立体角の比で理論的なtoolingを決めても、実測とそれほど大きな違いは出ないのが普通ですが。原子層数層を着ける場合でも、toolingが変わることは無いと思います。実際に私はその程度の厚さの測定にも使っていました。ただし、ご存じだとは思いますが、この方式の膜厚計は、実際には膜厚では無くて質量を測り、密度で割ることで膜厚に換算したものを表示しています。従って、触針式の表面粗さ計や光学式の膜厚計のような体積としての膜厚を測定する装置とは多少の誤差は出ます。また、この装置は感度は非常に高いですが、そんなに精度の高いものではないので、数%程度の誤差は仕方ない範囲ですが、そんなに大きな誤差が出るのはおかしいですねー。 他に、考えられる原因としては、 1.表面粗さ計による実測がおかしい。どのような物質を蒸着しているのか分かりませんが、15nmと500nmでは目で見た感じでも違いが分かると思います。金属膜の場合だと、500nmなら手ではがせるぐらいだと思います。 2.指向性の強い蒸着源。通常は膜厚計は基板の横に配置しますが、クヌーセンセルのように蒸発蒸気の指向性が強いソースだと、基板から離れた位置ではほとんど蒸発蒸気が来ない場合が有ります。 3.反応性蒸着。酸素などを導入して、比較的低い真空で反応性蒸着で成膜している場合、基板と膜厚計(水晶にコートした金層?)では蒸着物質の付着確率が大きく違ったり、蒸着物が均一な膜にならずにはがれ落ちたりすることが有ります。蒸着中の膜厚表示の変化の様子や成膜後のセンサーの様子を確認してみてください。