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フーリエ変換ってなんのためにする?
カテ違いかもしれませんがよろしくお願いします。 私は仕事柄FT-IRを使用するのですが、ふと疑問に思ったのが、なぜフーリエ変換しているのかです。 大学時代に普通のIRを使用していたのですが、得られる波形はFT-IRとおなじだったような気がします。。。 なにか演算関係で有利になることがあるのでしょうか? なお当方は化学専門で、大学時代に物理や数学をほとんど履修していないので、フーリエ変換については言葉を知っている程度です。 ですのでそのあたりを考慮していただいたお答えをお待ちしております。
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- paddler
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> ふと疑問に思ったのが、なぜフーリエ変換しているのかです。 FT-IRで光検出器(一般的にDTGSやMCT)から得られる信号をインター フェログラム(干渉図形)と言います。インターフェログラムは連続的に 変化する色んな周波数のCos波の集まりです。一つの波数(波長)が 一つの周波数のCos波に対応します。なので、インターフェログラムを フーリエ変換すると、横軸を波数、縦軸を光強度とする赤外スペクトル が得られます(この段階ではまだシングルビーム)。試料のスペクトルを レファレンスのスペクトルで割り算してやると、縦軸を透過率とする、 おなじみの赤外吸収スペクトルになります。(ちなみにパルス光は照射 しません、念のため。) > なにか演算関係で有利になることがあるのでしょうか? 干渉計を用いるフーリエ分光法には、分光学の専門用語で"Felgett's Advantage"と"Jacquino's Advantage"と呼ばれる2つの利得(メリット) があります。"Felgett's Advantage"は下記URLにあるように、通常の 回折格子分光器が波長走査の際に目的の波長以外は捨てながら測定 しているムダを犯しているのに対し、フーリエ分光法では常に検出器に 全ての波長が同時に入射していることから、光源の光エネルギーを 余すことなく有効に使っている、ということから来るメリットです。 http://www.optronics.co.jp/lex/detail.php?id=7392 "Jacquino's Advantage"については詳細は省略しますが、回折格子 分光器で分光器に光を取り込む入り口である入射スリットに比べて、 干渉計の入り口の方が取り込む光の立体角が大きく取れるので効率が 良い、ということから来るメリットだったと思います。
- c80s3xxx
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FT-IR は光の干渉(複数の光が重なることで,光が強めあったり弱めあったりする現象)を利用して測定をしています.干渉は波動の重ね合わせによっておこるのですが,この辺りは高校の物理の範疇です.干渉がどのようにおこるかは波長の関数です. 測定は干渉条件を変えたときの光の強弱を記録することによって行います.光は白色光.白色光であっても,試料を透過した光は波長によって強弱が違ってきます.当然,干渉のおこり方もその影響を受けます.つまり,干渉のおこり方には吸収スペクトルの情報が含まれているわけです. その干渉のおこり方から,計算処理によって波長の関数という形に変形しているのです. この変形のための演算操作がフーリエ変換という数学的操作です.
お礼
FT-IRを理解するためには干渉を理解することが必須なのですね。 ありがとうございました。
フーリエ変換を行うのは測定時間の短縮のためだと思います。 詳しい原理は私にはうまく説明できませんが、試料に連続した波長をもつパルス光を照射することによって、短時間で測定を行っているということです。 しかし、その場合には、得られるデータが複数の波数の吸収を重ね合わせたものとして得られ、そのままでは解析できないために、従来のスペクトルと同様の形に復元する目的でフーリエ変換を行っているわけです。 フーリエ変換というのは、FT-IR等で得られた生のデータから従来のスペクトルを復元するための演算と考えて良いと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 紹介していただいたリンクが非常にわかりやすく説明してあったので、数式に苦手感のある私でもフーリエ変換の利点が理解できました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 確かに大学時代に使用していたIRは各破数を走査していたのに対して、FT-IRは全破数を一瞬で測定していますね。 >光源の光エネルギーを余すことなく有効に使っている、ということから来るメリットです 確かにこれより測定の精度が上がりますね。 いろいろとフーリエ変換の利点が分かりました。 ありがとうございます。