法律的な回答ではないのですが・・・
確かに、人を刺せば死ぬというようなことは、12、3歳の子供でもわかる簡単なことです。
しかし、例えば、2000万円の債務を連帯保証するために手形に裏書するというような行為の意味と結果を、果たして、小中学生が理解することができるでしょうか?
また、刑法が禁止するのは、道徳的に絶対してはいけないことです。これは、ある行為をすべきかどうか、○か×で簡単に答えを出せる、比較的単純な命題です。
しかし、財産法上の行為というのは、○×正解が出せるというような単純な命題ではありません。例えば、1000万円の資金を運用したいと考えたとき、株式投資がいいのか貯金がいいのか、それとも国債を買うのがいいのか、絶対的な正解はありません。
つまり、民法上必要とされる意思能力というのは、このような、複雑な経済社会を最低限理解できる能力であって、人を殺してはいけないといったような単純な道徳を理解できる能力よりも相当に高度なものです。
ですから、民法では、未成年者は絶対的に保護されます。
一方、刑法(少年法)では、未成年でも、いけないことは理解できるのですから、14歳以上であれば、重大事件については、成人と同じ裁判を受けたり、18歳以上であれば、科刑上の制限もなくなったり、段階的に大人と同じ扱いをすることになっています。
したがって、まったく矛盾しているとは思いませんし、民法と刑法では、必要とされる意思能力の性質も内容もまったく異なるのですから、これらを比べることにあまり意味があるとは思いません。はじめのうちは、民法は民法、刑法は刑法と区別して考えた方がいいのではないでしょうか。
お礼
お礼が遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。どうもありがとうございました。