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「ダロウェイ夫人」と「二十日鼠と人間」の関係
角川文庫版「ダロウェイ夫人」を読んでいたところ、以下のような表現が出てきました。 「彼女は、あの、大男を尊敬する、ぱっとしない二十日鼠みたいに小柄な女だった。」(p118) 「小柄な女性」を表す単なる比喩で、前後関係はないと思います。 この部分を読んだ時、すぐに、スタインベックの「二十日鼠と人間」を思い浮かべましたが、よく考えると「二十日鼠と人間」の方がはるかに後に書かれたはずです。 ウィキペディアで調べたところ、「二十日鼠と人間」は1937年、「ダロウェイ夫人」は1925年とあります。 ひょっとして、イギリス・アメリカに共通なバックグラウンド(例えば諺とか)から出た表現なのでしょうか。 それとも、「二十日鼠と人間」が「ダロウェイ夫人」のこの1文から着想を得たのでしょうか。 または、この比喩は、「二十日鼠と人間」とはまったく関係なく、偶然のものなのでしょうか。 御存知の方、いらっしゃいましたらお願いします。
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- Mock_Hatter
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回答No.1
直接の関連はないと思いますよ。両方とも「二十日鼠」と訳されているから妙に感じるだけで、原文では「鼠」というだけの意味ですから。 ダロウェイ夫人の該当箇所の原文は She was one of those obscure mouse-like little women who admire big men. 対して、スタインベックの小説の原題は Of Mice and Men です。mice and men(鼠と人間)という英語は「あらゆる生き物」という意味があります。前者は、単に鼠に似ているとしているだけだし、後者はmice and menという言い回しを題にしている。 それだけでしょう。
お礼
すばやいご回答ありがとうございます。 「大男を尊敬する、ぱっとしない二十日鼠みたいに」 という部分から、「二十日鼠」が「大男を尊敬」している様を「小柄な」の比喩に用いているのだと誤解して読んでしまい、 「そういえば二十日鼠と大男が切っても切り離せない小説があったような・・・」と言う風に連想してしまいました。 なるほど、「obscure」と「mouse-like little」の二つがそれぞれ「women」に係り、さらに「little women」から「big men」という表現に流れてゆくのですね(おそらく男尊女卑へのささやかな皮肉を込めて)・・・。原文を読むと見事な表現だというのがよく分かります。 質問の主旨とはずれてしまうのですが、「ダロウェイ夫人」をここまで読むのに、大変読みづらく、苦労しています。 同書は、他にも、集英社のものと、みすず書房のものがあるようですが、角川版とこれらを比べた時に、角川版が特に読みくい訳なのでしょうか? 自分の読解力のなさを翻訳のせいしてはいけないのはよくわかっているのですが、今原文と見比べてみて、ちょっと不安になったもので・・。