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銀鏡反応
銀鏡反応の実験で、1%スクロース溶液を試料としたものが反応を示し、銀鏡ができることがあります。 糖の性質から考えると普通はできないはずですよね。 他の糖が反応したらすぐに引き上げる(湯浴加熱を短くする)と反応は起こりませんが、しばらく加熱をしていると反応が起こります。 なぜなのでしょうか? また反応が起こらないようにする方法はありますか?
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アセタール結合・ケタール結合は酸触媒/アルカリ触媒存在下での加熱により、加水分解を受けて解離します。 その上、スクロース内の2つの単糖を結ぶアセタール結合(C-O-C)は、その双方の炭素がそれぞれ2つの酸素原子に挟まれているため、通常のアセタールに比べても、加水分解しやすいはずです。 (両方の炭素が求核攻撃を受けるため、通常のアセタールに比べると、確率での単純計算で分解しやすさ2倍:但し、間に挟まれた酸素の電子吸引性の変化は無視) このため、銀鏡反応でのアルカリ性・加熱という条件下で、加水分解を起こしてグルコースとフルクトースが生成し、これらの単糖によって銀鏡反応が起きたと考えられます。
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- DexMachina
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> 加水分解には酸触媒を使います。 アルコキシ基は脱離基としては不利なため、アセタールの加水分解は、アルコールとして脱離する酸性条件下で行う、ということでしたか、そういえば。 (脱離基として有利な場合、例えばフェノール化合物とアルデヒドによるアセタールがあれば、アルカリ条件下でもいけそうですが・・・この場合、別の反応が起きそうな気も・・・) さて、 > 参考書、HPなどはありませんか? 残念ながら、紹介できるような実験書やWebPageは知りません。 また、通常の銀鏡反応の条件下でのスクロースの加水分解を避ける方法も、思い当たりません。 (脱離基としての糖の有利・不利はわからないため、液性は中性の方が無難に思いますが、この条件で充分にジアンミン銀イオン[Ag(NH3)2]+ができる保証もありませんし・・・) なお、自分でやったことはないのですが、ジアンミン銀イオン以外の溶解性銀塩(チオスルファト銀塩やチオシアン酸銀塩)を使うことで、もしかしたら中性条件下での銀鏡反応が可能になるかもしれません。 (硝酸銀では、銀の反応性が高くて、銀鏡ではなく液全体で銀が発生) ただ、通常行われる銀鏡反応の実験の条件で、実際に「スクロース溶液での銀鏡反応」が起こるのであれば、何か細工をすることでそれを抑えるのではなく、事実としてそれを認める方向で考えた方がいいように思います。 つまり、例えば学生への説明であれば、糖の加水分解にまで踏み込んで説明してしまう、ということですね。 ・・・「受験化学」にとっては、「余計な情報」になってしまうのが、辛いところですが。 お力になれず、すみません。
思い出したことがあるのですが、グルコースによる銀鏡反応は常温でも進みます。 つまり、スクロース以外の糖の場合も含めて、室温付近で実験を行うことによって、スクロースの銀鏡反応のみを抑制できるのかもしれません。 ついでですが、一般にアセタール(最近ではケタールという言葉は使わず、アセタールに統一されています)の加水分解については、一般的な有機化学の教科書に書かれています。索引で「アセタール」をさがして、その部分を読んで下さい。 スクロースの加水分解については、糖類の説明に部分に書かれていることが多いです。 ちなみに、教科書的に述べるならば、アセタールは一般に塩基(アルカリ)に対しては安定で、その加水分解には酸触媒を使います。スクロースの場合には、中性条件下でもゆっくりと進むようですし、インベルターゼが触媒作用を示します。
スクロース自体は還元性を持ちませんので、ご指摘のように銀鏡反応は起こさないはずです。 しかし、スクロースが加水分解されればグルコースとフルクトースを生じ、それらの内のグルコースは還元性をもち、銀鏡反応を起こします。 したがって、スクロースが加熱によってゆっくりと加水分解されているものと思われます。 加水分解が起こらないように、短時間で引き上げれば銀鏡反応は起こりません。 時間を短くする以外で反応が起こらないようにするのは難しいとは思いますが、温度を低くすればある程度抑えられるかも知れません。その場合、他の糖の銀鏡反応も遅くなると思います。 また、溶液を微量のNaOH等で弱いアルカリ性にすると、ある程度抑えられるかも知れません。一般にアセタールは酸には不安定ですが、塩基には安定であるとされているからです。しかし分子内の他のヒドロキシル基の影響もあるでしょうし、試したことがないので自信はありません。
補足
早々のご回答有難うございます。 解説が載っている、何か実験書かテキスト、参考書、HPなどはありませんか?