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遺伝的浮動はだれが考えたのでしょうか?

進化の本を見ると、進化には自然選択と中立進化があると書いてあります。そして、中立進化の方は木村が作った理論で遺伝的浮動をもとにしていると書いてあります。 (1)遺伝的浮動は木村さんが考え出したモノなのでしょうか? (2)もし (1)が違うとすると、木村さんは何が偉かったのでしょうか?

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回答No.4

>すると、木村さんの仕事は、「ライトが考えた説を、分子レベルの遺伝子変化で示した」と理解してよろしいのでしょうか? むしろ、フィッシャーらの説(進化総合説)を否定したというほうがインパクトが大きいのではないでしょうか。 直接的には、分子進化速度は一定であるということを実験的に証明したという点でしょう。 中立説によると、有利でも不利でもない変異が時間とともに蓄積するわけですが、それだけだと表現形レベルの適応的な進化というのはどうして起こったんだ?ということになります。そこを説明するよりどころにしたのがライトのモデルということではないでしょうか。 ちなみに、フィッシャー、ホールデンはイギリス組で、自然選択(淘汰)至上主義、ライトはアメリカ組で自然選択ですべてを説明するのには懐疑的立場でした。その流れは、近年でもイギリスのドーキンズ一派とアメリカのグールド一派の対立に引き継がれているようで、面白いですね。

その他の回答 (3)

回答No.3

遺伝子浮動(genetic drift, random genetic drift)は現象として知られていたことで、誰かが考え出した概念上のものというのとはちょっとちがいます。 遺伝子浮動による遺伝子頻度の変化を初めて数理的、確率論的に研究して理論を確立した人ならば、統計学理論でも有名なフィッシャー (R. A. Fischer) です。 しかし、フィッシャーは、遺伝子浮動が遺伝子頻度の変化におよぼす影響はきわめて小さく、重要なのは自然選択であるという考え方でした。 つまり、遺伝子頻度の変化は、個々の遺伝子の変異が有利・不利を生み、もろに自然選択にかかるためであるという立場で、当時、主流派でした。 それに対して、遺伝子浮動の理論的研究のもう一方の雄、ライト (S. Wright)は遺伝子頻度の変化に対する遺伝子浮動が重要だと考えていました。分断された小集団の中で、遺伝子浮動によって多数の遺伝子座の遺伝子頻度が変化し、より有利な組み合わせになった小集団が他の集団を駆逐するというシナリオです。フィッシャーらの陣営とは対立する立場で、論争になっていました。 彼らの次の世代の木村資生は、分子レベルで遺伝子の変化を調べると、有利でも不利でもない中立的な変化が進化時間と比例して増えていくということを明らかにしました。これは、当時広く受け入れられていたフィッシャーの理論の基幹となる、個々の遺伝子の変化は有利・不利を生み選択される考えが、実際には当たっていないことを示しました点で、画期的だったといえます。 なお、自然選択と中立説は、進化の異なる側面を説明しているだけで相反する考え方ではありません。中立説はせいぜい、「フィッシャーの考えた」自然選択のモデルを否定するだけです。木村資生自身も、ライトに近い立場をとるダーウィニストの一人です(だからこそ、今西進化論と徹底的に戦った)。 私の理解の不足、誤りがあるかもしれません。 木村資生「生物進化を考える」(岩波新書)が、手ごろな参考書になると思いますので、読んでみてください。

asa-h
質問者

補足

詳細な説明をありがとうございます。 すると、木村さんの仕事は、「ライトが考えた説を、分子レベルの遺伝子変化で示した」と理解してよろしいのでしょうか?

回答No.2

直接の答えではありませんが、たまたま今読んでいる、岩波同時代ライブラリーのなかにある「進化ー連続か断続か」は参考になるかもしれないと思いました。隔離と関連してヒントが書いてあると思います。でも直接は関係がないかもしれません。ご参考までに。

  • suiran2
  • ベストアンサー率55% (1516/2748)
回答No.1

(1)違います。ライトと思います。 遺伝的浮動は,アメリカのS.ライトが1930年代に提唱したのではと思います。そもそも集団遺伝学は,それほど古い学問ではなく,1930年代にイギリスのフィッシャー,ホールデンとアメリカのライトの三人によって確立された学問です。 (2)下記参考URLに専門家の方のご意見があります。参考にしてください。木村資生は遺伝的浮動の提唱者としてではなく,中立説の提唱者なのではと思いますが… http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/text/Kimura_tsuitou.text

参考URL:
http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/text/Kimura_tsuitou.text
asa-h
質問者

補足

(1)わかりやすい説明をありがとうございます。 (2)すみません・・ URLをよんだのですが、・・・・ ライトの学説を実際にDNAで証明したというところが偉いのでしょうか?(つまり、数理的にはライトの仕事で、木村さんはそれをDNAで示した?)

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