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類推解釈と拡張解釈の違いについて
類推解釈と拡張解釈の違いがよくわかりません。たとえば、公園に「この公園は犬を連れて入ってはいけません」という看板があった場合、類推解釈と拡張解釈ではそれぞれどういったことが事があてはまりますか??
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質問者が選んだベストアンサー
質問者さんの出した例だと説明しにくいので、違う例でお話しします。 拡張解釈 条文の意味を多少広く考えて同質のものに適用することです。 例 電車という言葉に機関車を含ませる 類推解釈 条文を異質のものに適用することです。 例 交通機関だから同じだとして、電車という言葉 にバスを含ませる 罪刑法定主義という刑法の大原則の中に「類推解釈の禁止」があります。 上の例でわかっていただけるものと思いますが、もし類推解釈を認めると、裁判官や捜査機関が立法を行うことになってしまいます。 法律で定められていないものは犯罪ではなく、刑罰もないのです。 例えば昔、どこかの新聞社カメラマンがサンゴを傷つけて問題となりましたが、結局起訴にはならず処罰されていません。 これは当時の自然環境保全法が、採捕(採取と捕獲のこと)を禁止していただけで、傷つけることまでを禁止していたのではないからです。(現在は同法は改正されて、傷つけることも禁止されています。) 禁止されている採捕の中に、傷つけることを含めてしまうことは、まさに類推解釈でしょう。 ですから、あの時あれだけ大きく報道されても、あのカメラマンは起訴されなかったのです。 以上ご参考まで。
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- businesslawyer
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私も、NO1さんのおっしゃるとおりだと思います。類推解釈と拡張(拡大)解釈を厳然と区別する事は、困難だと思われます。詳しくは、NO1さんの回答に委ねるとして、一般の方にわかりやすく簡単に述べると、「この橋、馬は渡るべからず」と言う看板が橋のたもとにあった場合に、この文言から「この橋は牛も渡ってはいけない」と考えるのが「類推解釈」であり、「この橋はシマウマ(馬の一種と考えて)も渡ってはいけない」と考えるのが「拡大解釈」と考えるのがわかりやすいと思います。
お礼
ご解答ありがとうございます。とても解りやすいです!! ありがとうございました!
- nhktbs
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類推解釈は、ある法律において規定されている内容と、問題となっている事例において類似ないし共通の性質がある場合に、規定されている行為とみなしてその法律を適用することをいいます。 拡張解釈とは、成文の言葉によって示された固有の概念を可能な範囲で拡張して解釈すると言う方法をいいます。 しかし、「拡張解釈」と「類推解釈」は実際の適用上では、厳然と区別できなません。 「この公園は犬を連れて入ってはいけません」は説明上の区別をするには事例が良くありませんね。 類推解釈は、「馬は犬とは違うということを認識した上で」馬にも適用されるとする解釈で、類推解釈は、「犬を連れて入ってはいけません」という決まりに「ない」事柄についても適用するための解釈技術です。 これに対して、拡張解釈(拡大解釈)というのは、あくまで規定に書いてあることに、その条文をそのままストレートに適用する解釈技術です。すなわち、この条文に関して言えば馬は「犬」そのものなのであると解釈してしまうのです。つまり、規定の文言を書いてある語を国語的に解釈する必要はなく、法律的な見地から独自に解釈していくという考え方です。 結局は結論が同じになるので区別がつきにくいのだと思われます。拡張解釈と類推解釈の区別というのは、民法などの私法の適用で問題になることはほとんどありません。しかし、刑法では、罪刑法定主義があるため被告人に不利となる類推解釈は禁止されています(法律の予定する範囲内で、その文言を通常の意味より広く理解する拡張解釈は許容の余地があります)。 ・クロスボウでマガモを狙い命中しなくても鳥獣法1条の4第3項に基づく環境庁告示が禁止する弓矢を使用する方法による捕獲にあたるとした事例(最判平成8年2月8日) ・テレフォンカードの有価証券性を認めた事例(最判平成3年4月5日)・・・争いありですが
お礼
ご解答ありがとうございます。とても解りやすいです!! ありがとうございました!