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法の解釈・・・(拡張解釈,縮小解釈,反対解釈など)
公務員(国家2種もしくは地方上級)狙いで勉強中です。 具体的に法律の勉強を始める前に、入門ガイダンスのような講義があり、「法の解釈」がたくさん出てきました。 今ひとつ理解できないので詳しく教えていただきたいのですが・・・ まず、法の解釈が有権解釈(公権的解釈)と学理解釈に大別できることは納得しました。 次に、文理解釈,立法者の意見解釈,目的論的解釈という言葉が出てきたのですが、この位置付けが分りません。 有権解釈の中の細別された解釈、もしくは学理解釈の中の細別された解釈なのでしょうか。 また、拡張解釈,縮小解釈,勿論解釈,反対解釈,類推解釈,補正解釈,目的論的解釈,論理解釈 の位置付けと解釈の仕方を教えてください。 初学者のため、例をつけて教えていただけたらと思います。 「犬・猫の飼育を禁止する」を考えるとき、 ○○解釈は「犬・猫がダメならオウムもダメよね?」だし、 △△解釈は「犬・猫はダメと書いてあるけど、オウムは書いてないからいいんでしょ?」だ・・・など、 お分かりになる部分だけでも結構ですので、ぜひ教えてください。 次の講義までに疑問点を解決したいので、何とぞご指導ください。 よろしくお願いいたします。 ※ネットカフェより質問させていただいておりますため、 お返事・お礼・ポイント発行が遅くなることがありますことを、お許し下さい。
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1 文理解釈、「立法者の意見解釈」、目的論的解釈 いずれも、解釈の価値基準を何にとるか、の区別です。 tibitibiさんがあげておられる例を考えましょう。 ・ 文理解釈 規則を、日本語の意味に忠実に解釈する立場です。 法解釈の原点です。文理解釈を原点にしないと、規則の受け取り方が人によって異なってしまい、社会生活が混乱するからです。 文理解釈によれば、オウムは「犬」でも「猫」でもないから、飼っても良い、と解釈します。 ・ 立法者意思解釈 規則を制定した者が、どういうつもりでその規則を作ったかを最大限重視します。文理解釈だけではまかないきれない事例が出てきたときの、基本スタンスです。 問題の飼育禁止規則を作る際に、「この建物内に人間以外が入ると、神聖な建物が汚れる。」「じゃあ、犬・猫禁止にしよう!」という議論があって、その規則ができたのなら、オウムも飼育禁止と解釈すべきでしょう。 でも、この規則が、「犬も猫も鳴き声がうるさいよねえ。」「じゃあ、犬・猫禁止にしよう!」という議論があって、その規則ができたのなら、オウムはともかく、熱帯魚は飼育しても構わないと解釈すべきでしょう。 ・ 目的論的解釈 立法者意思を離れて、現在においてその規則が果たす(または果たすべき役割)を探求して、その「役割」を十分に果たすような解釈をすることです。 たとえば、規則を作る際には「神聖な建物が・・・」という議論があって、問題の規則ができたとしても、現在は「建物の神聖さ」は余り重視されなくなっていて、現在の住民は、むしろ「建物の静けさ」を望んでいるということになれば、熱帯魚は飼育しても構わない、と解釈するわけです。 ・ 有権的解釈や「学理的解釈」との関係 無関係です。有権的解釈か否かは、その解釈が社会における最終的判断権者(日本なら、最高裁や所管官庁)がとる解釈か否かを意味します。最終的判断権者のとる解釈が、文理解釈のことも目的論的解釈のこともあり得ます。 2 拡張解釈,縮小解釈,勿論解釈,反対解釈,類推解釈,補正解釈,目的論的解釈,論理解釈 「目的論的解釈」以外の言葉は、いずれも立法者意思解釈や目的論的解釈が、規則の文理を無視していないことを正当化するための「りくつ」です。 上述のように、法解釈の基本は文理解釈ですから、「目的論的解釈」といっても、文理を無視するわけにはいかないのです。ですから、これらの解釈のどれがベストでどれがダメ、という区別はありません。 ・ 拡張解釈・縮小解釈 規則の解釈にあたって、日本語の通常の意味よりも広げた、あるいは狭めた意味で文言を解釈する場合に、「拡張解釈」「縮小解釈」といいます。 たとえば、例の規則で、ライオンも飼育禁止と考えるのが拡張解釈です(異論がありそうですが。)。ライオンはネコ科なので、日本語の意味として、広がってはいるけど「猫」という言葉の意味からは外れていません。 他方、生後1週間までの猫は飼育可と考えるのが縮小解釈です。普通に考えれば、生まれたてでも猫は猫ですが、「うるさいから猫はダメ、だからほとんど鳴かないうちは、飼育しても構わない。」と、「猫」の意味を縮小して考えるのです。 ・ もちろん解釈、反対解釈、論理解釈 「書いてないけどこの事項ももちろん規則の適用範囲内」と考えるのがもちろん解釈、「書いてない以上この事項は規則の適用範囲外」と考えるのが反対解釈です。 たとえば、「建物の神聖さ」の保護が規則制定の趣旨とみれば、犬・猫はもちろん、ハムスターももちろん飼育禁止と解釈することになります(もちろん解釈)。 他方、「建物の静けさ」の保護が規則制定の趣旨とみれば、規則に書いてない以上、熱帯魚は飼育しても構わないと解釈することになります(反対解釈)。 もちろん解釈は目的論的解釈に、反対解釈は文理解釈になじむのですが、必ずしも一致はしません(tibitibiさんを混乱させますので、具体例は割愛します。)。 論理解釈は、もちろん解釈とほぼ同じ、とアバウトに捉えておけばいいと思います。 ・ 類推解釈 直接の規律対象ではない事項であっても、直接の規律対象と共通性を有する事項に、規則を適用すべきであるとする解釈をいいます。 「建物の静けさ」が規則制定の趣旨とみて、オウムも大きな声で鳴くから飼育禁止と解釈します。 拡張解釈との違いは、「日本語の意味を外れた事項にまで適用範囲を広げたかどうか」です(拡張解釈では、オウムも飼育禁止というのは無理ですよね?)。 ・ 補正解釈 立法者や契約当事者が規則や契約の趣旨を間違った言葉で表現している場合に、正しい文言に補正して解釈することです。 たとえば、「私の持ち家を3000円で売ります。」という契約文言があったとして、代金3000万円で売買契約が成立した、と解釈します。 ふう、長くなってしまいましたね。ご参考になれば幸いです。
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- shoyosi
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下の参考URLに詳しく述べられています。 同じ結論をとっても、刑事法では類推解釈が禁じられていますので、拡張解釈という具合につかいわけることがよくあります。
お礼
参考URLまで記載して頂き、ありがとうございました。 印刷して、解釈に励みたいと思います。 またお世話になる事がありましたら、よろしくお願いいたします。
お礼
たいへん詳しい解説をありがとうございました。 印刷して持って帰ります。 またお世話になる機会がありましたら、ぜひお願いいたします。