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経済学上の利潤がゼロになる条件について
マンキューマクロ経済学の71ページによると, 「(1)規模に関して収穫一定,(2)利潤最大化,(3)競争, という3つの条件がそろうと経済学上の利潤は ゼロになる」とありますが, この条件に「(3)競争」を含む必要がどうしてあるのですか? 規模に関して収穫一定でなければ,オイラーの定理が 成立しないので,(1)については理解できます. 利潤最大化をしなければ,生産要素の限界生産力と その実質要素価格が等しくならない可能性があるので (2)についても理解できます. この2つの条件のみでも 経済学上の利潤がゼロになると 言えるのではないのですか? 条件に(3)が必要な理由を教えてください. よろしくお願いいたします.
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直感的な理由は他の人のコメントでわかると思いますのでマンキューの議論がどういう手順で導かれてるのかの説明をちょっと加えておきます。 まず、資本ストックをK、労働投入をL、生産関数をFとすると、生産量Qは Q=F(K,L) (A) というように表現できます。収穫一定ですのでFは一次同時となります。 この一次同時の生産関数にオイラーの定理を適用すると、 Q=F_K * K + F_L * L (B) となります (F_KとF_Lはそれぞれ資本、労働でFを偏微分したもの)。 さらに、(B)に利潤最大化条件(rはレンタルプライス、wは賃金、pは生産物の価格) F_K = r/p と F_L = w/p (C) を代入して書き換えると wL + rK = pQ (D) となり利潤がゼロとなるというのがもともとのはなしだと思います。 それでは、なぜ条件(3)が必要なのかというと、(C) の形の利潤最大化条件は完全競争を前提として導いたものだからです。逆に言うと、不完全競争を仮定すると利潤最大化条件は(C)の形式にはならないからです。(C)が成り立たなければ、その次の(D) も成り立たなくなるので、利潤はゼロとはなりません。 もうちょっと詳しく言うと、(C)は要素価格w、rも生産物の価格pも企業にとっては外生的に与えられたものとして導かれます。しかし、不完全競争、例えば財市場で独占企業であるケースを考えれば、L、K を変化させ生産量Qを変化させると、それは財の価格pに影響を与えることになります。よって、利潤最大化条件にも財価格の変化を通じた項が入ってくるはずです。
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- at9_am
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競争がなければ、企業に独占利潤が発生します。独占利潤は正ですので、ゼロにはなりません。 独占の場合、企業の利潤最大化問題から、価格と限界費用が一致する点で均衡しますが、この点ではかならず利潤があります。 競争が開始されれば、利潤がある限り、より価格を下げて市場を独占し、なおかつ利潤が存在するという状況が起こります。したがって価格は下がり続け、結局価格と平均費用が一致する点で均衡します。 価格と平均費用が一致するとき、利潤がゼロになります。
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- nrb
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競争が無いなら 必要な物はそこしか売ってくれない 言い値ですね =利益が多いことのなり 他の競争を無いから 競争があれば採算割れでも売らないといけない状態になる訳ですからね 今のメモリーなんか採算ギリギリか割れてます 赤字でも他社が潰れれば、勝ち組になるので体力勝負になってますよ 競争が多いほど業界全体の利潤がゼロに近くなる 電気業界なんかそうですよ 需要の方が多いのは業界全体の利潤が多くなる 船舶業界なんかね 鉄鋼なんか数年前までは競争ばっかりで 赤字ですから利潤がゼロ いまや引く手あまた需要が追いつかない 需要の方が多いのは業界全体の利潤が多くなる 競争激化の総合スパーは利潤がゼロに近い 1%くらいかな
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大変参考になりました. どうもありがとうございました.
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