- ベストアンサー
斜面を滑り降りる物体の長さ
斜面上に距離Lを隔てた2点AとBがある。 ある長さの物体がこの斜面を滑り降りるとき 物体の先頭がA点に達する時刻をTA1、 物体の末尾がA点に達する時刻をTA2、 物体の先頭がB点に達する時刻をTB1、 物体の末尾がB点に達する時刻をTB2、 のとき、物体の長さを求めよ。 これだけの条件で解けるのでしょうか?宜しくお願いします。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
重力加速度や摩擦係数は未知でも解けます。 /| m ◆/ | ◆/ | ◆/ | / | /θ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 物体の質量をm、斜面の勾配をθ、重力加速度をg、摩擦係数をμとします。ただし計算していくと分かりますがθ, g, μは最終的な答えに入ってきません。つまり、不要ということです。 重力に起因して物体が斜面を滑り降りようとする力は、斜面下向き方向に mg sinθ (1) 一方、斜面に沿った方向の摩擦力は斜面上向き方向に μmg cosθ (2) よって、物体には斜面下向き方向に mg sinθ - μmg cosθ (3) の力がかかっていることになります。 物体の質量で除して加速度に直せば g (sinθ - μcosθ) (4) です。 以下(4)の値を単にαとおきます。 従って問題は 「未知の長さL_0を有する物体が未知の加速度αで運動している。 既知の距離Lだけ離れた2地点A, Bを、物体の先頭および最後尾が通過した時刻がそれぞれ既知である。 物体の長さを求めよ」 というところに帰着します。 未知数は加速度α、物体の長さL_0、物体の初速の3つです。 与えられている条件は4つの通過時刻ですが、そのうちのうち1点は時刻の基準として使うことになるため、残りの3つの時刻からそれぞれ1つ、全部で3つの式を立てることになります。未知数が3つで式が3つなのでこの問題は解けることになります。 当該の物体の先頭がA点を通過した時の速度を初速v_0にとります。すると最後尾の通過まで、即ちその後距離L_0だけ進むのに(TA2-TA1)だけ時間がかかっていますから α{(TA2-TA1)^2}/2 + v_0 (TA2-TA1) = L_0 (5) という関係が成立します。 物体の先頭がB点を通過した時については、先頭のA点通過から(TB1-TA1)だけの時間で距離L進んだと考えればよく α{(TB1-TA1)^2}/2 + v_0 (TB1-TA1) = L (6) と置けます。 物体の最後尾のB点通過は、先頭のA点通過から(TB2-TA1)だけの時間で距離(L+L_0)進んだと考えればよいわけですから α{(TB2-TA1)^2}/2 + v_0 (TB2-TA1) = L + L_0 (7) と式を立てられます。 (5)-(7)は3元の連立1次方程式を構成しますからこれで解けたも同然です。(未知数はL_0, v_0, α) まず(6)をv_0 = ...の形に書き直し、(5)に代入します。 すると α= {2/(TA2-TB1)}×{L_0/(TA2-TA1) - L/(TB1-TA1)} (8) を得ます。同様に(6)をv_0 = ...の形にして(7)に代入すると α= {2/(TB2-TA1)}×{L_0/(TB2-TB1) - L/(TB1-TA1)} (9) 最後に(8)(9)を連立して、力づくで解くと (TA2-TA1)(TB2-TB1)(TB2-TA2+TB1-TA1) L_0 = L×-------------------------------------------- (10) (TB1-TA1)(TB2-TA2)(TA2-TA1+TB2-TB1) が出てくるはずです。 (もし画面の表示で式のレイアウトが崩れていたら、左右に画面を広げて下さい) この解が合っているか、物理的挙動を調べて検証してみます。 ・TA1=TA2もしくはTB1=TB2であると(10)式の値は0となるが、冒頭の条件は先頭と最後尾が同時刻に通過することを意味するものであるから、長さが0という解が出てくるのは合理的である。 ・もしTA2=TB1(先頭のB点通過と最後尾のA点通過が同時刻)なら、L_0=Lとなるはずである。実際にTA2=TB1を代入すると(10)は確かにLに等しくなるので合理的である。 ・(5)-(7)式の対称性から、L⇔L_0, TA2⇔TB1の入れ替えを行っても同じ解が出るはずである。(10)にその入れ替えを施すと (TB1-TA1)(TB2-TA2)(TB2-TB1+TA2-TA1) L = L_0×-------------------------------------------- (10)' (TA2-TA1)(TB2-TB1)(TB1-TA1+TB2-TA2) となるが、これをL_0に付ついて解くと確かに(10)と同じ結果を得るので合理的である。 よって、上記の答えで合っているでしょう。(念のためご自身でも検算下さい) v_0やαについては求めませんでしたが、あとは単に代入するだけですので必要でしたらセルフサービスで。また加速度αの値は求まりますが、重力加速度と摩擦係数を独立に求めることは、与えられた条件だけからでは不可能です。
その他の回答 (1)
- erara
- ベストアンサー率32% (45/137)
重力加速度、斜面と物体との摩擦係数は指定されているのでしょうか? 重力加速度はともかく摩擦係数の方は欲しいですね
お礼
ご回答有難うございました。
お礼
ご丁寧なご回答有難うございました。とても参考になります。 数種類のL_0について実測値を代入して確認することができました。